〇ゆるやかな坂道
通行人「はぁ・・・・・・今日も疲れた」
通行人「・・・・・・？今何か──」
通行人「うおっ!!??」
リエラ「マズくはありませんが、イマイチですわ・・・・・・」
リエラ「はぁ・・・・・・」
リエラ「わたくしを満たしてくれる人間はどこかにいないのかしら」

〇教室
佐原裕貴「・・・・・・・・・・・・」
クラスメイト「おい、佐原」
クラスメイト「お前、金貸してくれよ」
佐原裕貴「え、いや・・・・・・」
クラスメイト「頼むよ、金足りなくて困ってんだよ」
佐原裕貴「ご、ごめん・・・・・・」
クラスメイト「あ？テメェ俺に逆らうつもりか？」
佐原裕貴「そ、そんなつもりじゃ・・・・・・」
クラスメイト「テメェ、後悔することになるからな！」
佐原裕貴「あっ・・・・・・」

〇学校脇の道
佐原裕貴「・・・・・・・・・・・・」
佐原裕貴「あっ・・・・・・」
クラスメイト「先輩、コイツです」
先輩「へぇ、コイツ俺達に金渡さねぇのか」
クラスメイト「やっちまいましょう」
佐原裕貴「っ・・・・・・!!」

〇学校脇の道
リエラ「お腹空きましたわ・・・・・・」
リエラ「ん・・・・・・？」
リエラ「いい匂いが・・・・・・」
クラスメイト「テメェ!!まだ金あんだろ!?」
佐原裕貴「うぐっ・・・・・・！」
佐原裕貴「も、もうやめてくれ・・・・・・」
リエラ「人間が３人、今日はラッキーですわ」
先輩「おい、お前何見てんだ？」
クラスメイト「うおっ！めっちゃ美人じゃねーか！」
佐原裕貴「あ、危ない・・・・・・逃げてくれ」
リエラ（わたくしの心配を・・・・・・？）
先輩「うるせぇな！」
佐原裕貴「げほっ!!」
先輩「お姉さん、こんな夜にほっつき歩いて、男目当てか？」
リエラ「まあ、そんなところですわ」
クラスメイト「じゃあ俺らと遊びません？」
リエラ「ええ、遊びましょうか」
クラスメイト「うっ・・・・・・！」
佐原裕貴「ダメだ・・・・・・逃げてくれ・・・・・・」
先輩「どけよ!!」
リエラ（この人間・・・・・・どうしてわたくしの心配を・・・・・・？）
リエラ（不思議な気持ちですわ・・・・・・）
先輩「じゃ、行こ──」
クラスメイト「え───」
佐原裕貴「え・・・・・・!?」
佐原裕貴「あいつらを一撃で・・・・・・？」
リエラ「そこの人間、名前は？」
佐原裕貴「え、さ、佐原裕貴です・・・・・・」
リエラ「どうしてわたくしを逃がそうとしたのかしら？」
リエラ「あの２人がわたくしの方に来れば、あなたは安全だったはず」
佐原裕貴「あの２人についていけば何をされるか分からない・・・・・・」
佐原裕貴「助けようとするのは当たり前ですよ！」
リエラ「・・・・・・・・・・・・」
リエラ（助ける・・・・・・）
リエラ（初めて言われましたわ・・・・・・）
佐原裕貴「あなたは強いみたいですけど、こんな遅くに出歩いてたら危ないですよ」
リエラ「・・・・・・・・・・・・！」
リエラ「べ、別に・・・・・・わたくしの勝手ですわ」
佐原裕貴「それもそうですね！俺より強いんだし、何か言うのも違うか」
佐原裕貴「じゃあ、気をつけて帰ってくださいね」
リエラ「っ・・・・・・!!」
佐原裕貴「では、僕はこれで」
リエラ「ま、待って！」
リエラ「い、一緒に帰ってもいいかしら・・・・・・」

〇ゆるやかな坂道