第56話 さようなら、アテナ②(脚本)
〇一戸建て
〇諜報機関
嘉成光「地下にこんな研究室があるなんて」
灰澤悠馬「オレ、追われてる。 宇宙の敵、やっつけるために準備してた」
灰澤悠馬「これ、アテナの初期化プログラムだ」
嘉成光「えっ、もう出来たの?」
カオス「これだけの機材がありゃ、朝メシ前だよな」
高原みこ「・・・・・・」
灰澤悠馬「これでアテナ、壊さなくてすむ」
高原みこ「・・・いらない」
カオス「まだそんなこと言ってんのかよ。初期化しねえなら、オレ様が旧式をぶっ壊すぞ」
高原みこ「アテナ、元に戻るもん」
嘉成光「・・・他に方法があるってこと?」
高原みこ「うん。だからカオス、何もしないでよ!」
嘉成光「みこちゃん、一人で行くなんて危ないよ!」
カオス「ったく、アイツ・・・」
灰澤悠馬「メモリースティック、どうする?」
カオス「・・・・・・」
〇広い公園
アテナ「御主人(マスター)はいったいどこに」
Dr.BAD「アテナ、任務は順調かね?」
アテナ「!」
アテナ「Dr. BAD、排除・・・排除・・・します!」
Dr.BAD「!?」
Dr.BAD「ちょ、ちょっと待てアテナ! どうして私を排除するのだ!?」
アテナ「それは・・・」
Dr.BAD「私たちの目標は『高原みこを消すこと』で、同じはずだが?」
アテナ「『高原みこを消す』・・・」
Dr.BAD「・・・わ、わかったなら、この手を離してくれないか」
アテナ「申し訳ありません。どうして貴方を排除しようなどと思ったのでしょう」
Dr.BAD「ヒ、ヒヒヒ・・・ッ、頼むよアテナ。 この任務はお前にかかっているんだ」
アテナ「一刻も早く御主人(マスター)を見つけ、削除します」
Dr.BAD「・・・ふう、データの上書きはなんとか成功したようだな」
〇学校の屋上
高原みこ「かなめ様の催眠術なら、アテナを元に戻すことできるよね?」
蜘蛛丸要「あのアテナがみこを殺そうとしてるって? 信じられないねえ」
嘉成光「俺たちもう、要先生に頼るしかないんだよ」
カオス「! 来やがった」
アテナ「御主人(マスター)を消去します」
高原みこ「アテナ! 今、直してあげるからね!」
カオス「下がってろ、みこ!」
アテナ「消去します」
嘉成光「みこちゃん、危ない!」
みこをかばってアテナの攻撃を避ける光。
衝撃で屋上に大きな割れ目が走った。
嘉成光「怪我はない!?」
高原みこ「ありがとう、光くん」
アテナ「次は外しません」
蜘蛛丸要「アテナ、本気なのか」
アテナ「消去します」
カオス「いい加減にしろ!」
背後から現われたカオスが、アテナを羽交い絞めにする。
アテナ「くっ、離しなさい!」
蜘蛛丸要「・・・みんな、目をつむって!」
蜘蛛丸要「刮目せよ!」
アテナ「!」
蜘蛛丸要「蜘蛛の糸のとりこたち・・・アテナ、『本当の任務を思い出せ』」
アテナ「! 『私の本当の任務は・・・』」
アテナ「私の任務は・・・御主人(マスター)を守ること」
高原みこ「アテナ! やったあ、元に戻ったー!」
嘉成光「よかった! 心配したんだよ!」
アテナ「私は今まで何を・・・」
嘉成光「覚えてないの? データを書き換えられて、みこちゃんを殺そうとしてたんだよ」
アテナ「そんな・・・私が?」
高原みこ「でももう大丈夫! かなめ様の催眠術のおかげで全部元通りだよ」
高原みこ「ありがとう、かなめ様!」
アテナ「ご迷惑をおかけしたようですね、蜘蛛丸要」
蜘蛛丸要「・・・・・・」
〇学校の裏門
高原みこ「かなめ様、じゃーね!」
蜘蛛丸要「ああ、気をつけて帰るんだよ」
嘉成光「やれやれ、今日は疲れた~」
アテナ「では私もこれで」
蜘蛛丸要「ちょっと待って、アテナ」
アテナ「?」
蜘蛛丸要「・・・みこには言えなかったけど、俺の術は、もって1時間だ」
カオス「元に戻ったんじゃねえのかよ」
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