第55話 さようなら、アテナ①(脚本)
〇山奥の研究所
〇実験ルーム
様々な計器が並び、赤いランプが点滅している薄暗い研究室。
Dr.BAD「ふふふ・・・旧型のセキュリティシステムはやはり甘いな」
Dr. BADのパソコン画面にはアテナの顔が表示されている。
Dr.BAD「高原みこ・・・貴様の命も今日限りだ」
ニヤリと笑ってパソコンのキーを押下した。
【アップデートデータ送信完了】
〇古いアパート
〇雑多な部屋
高原みこ「ねえアテナ、料理はいいから宿題手伝ってー」
アテナ「その公式は教えたじゃないですか。 x、yに求めた値を代入するだけです」
高原みこ「『だけ』ならアテナがやってよ。 ほら、誕生日のプレゼントだと思って!」
アテナ「プレゼントは別に用意していますから」
高原みこ「会ったばっかりの頃は、代わりにしてくれてたのに」
嘉成光「みこちゃんの誕生日って、明日か」
高原みこ「そうそう! だから今日はアテナが宿題を──」
アテナ「公式をもう一度教えます」
高原みこ「意地悪~!」
嘉成光「俺、知ってるんだ。 アテナが用意してるプレゼントのこと」
高原みこ「何!?」
アテナ「光、それ以上言うと・・・」
嘉成光「わかってるって。明日のお楽しみだよね」
高原みこ「え~、ヒントは?」
アテナ「・・・・・・」
高原みこ「笑ってごまかした!」
嘉成光「アテナって、最近よく笑うようになったよね」
アテナ「申し訳ありません。 本部より緊急の連絡が入りました」
高原みこ「またそうやってごまかす~」
アテナ「プログラムのアップデートに入りますので、機能を停止します」
高原みこ「えっ、強くなるってこと?」
アテナ「御主人(マスター)、私が目覚めるまでに宿題を終わらせておいてくださいよ」
高原みこ「うえ~」
アテナ「・・・・・・」
〇古いアパート
〇雑多な部屋
嘉成光「みこちゃーん、夕ご飯できたけど」
高原みこ「待って待って! のこり最後の一問!」
アテナ「・・・・・・」
アテナ「・・・・・・」
高原みこ「もう起きちゃった!」
嘉成光「あと一問だけ! ちょっと待って──」
アテナ「御主人(マスター)には、消えてもらうことになりました」
高原みこ「ん?」
アテナ「『高原みこを消去』。任務、遂行します」
嘉成光「危ない!」
アテナ「御主人(マスター)を消去します」
嘉成光「消去って・・・何言ってるんだよ!」
高原みこ「アテナ、落ち着いて! 宿題はもうすぐ終わるから怒らないでよ」
アテナ「消去します」
嘉成光「みこちゃん、逃げるよ!」
高原みこ「え!?」
嘉成光「いいから早く!」
〇通学路
高原みこ「アテナ、なんであんなに怒ってるんだろう?」
嘉成光「そうじゃないよ! 何かおかしい!」
アテナ「人の足で逃げ切れるとお思いですか?」
高原みこ「はやっ!」
アテナ「御主人(マスター)を消去します」
カオス「ナニ言ってんだ、オマエ」
アテナ「!」
高原みこ「カオス!」
アテナ「どいてください。私は自分の任務を遂行しているだけです」
カオス「ハァ?」
嘉成光「気をつけて、アテナは本気だ!」
高原みこ「ものすご~く怒ってるの!」
カオス「イミわかんねーんだけど」
盆場スグル「だっはっは~! 見つけたぞアテナ~!」
アテナ「!」
盆場スグル「どうだ、『究極スグミチ爆弾』の威力は~!」
ミチル「わたくしたち姉妹の合作爆弾、自信作ですわよ!」
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