第54話 宇宙一キュートな暗殺者!②(脚本)
〇川に架かる橋
キュートワンを助けるために、大型トラックの前に飛び出したみこ。
高原みこ「わー! ぶつかる!」
アテナ「御主人(マスター)、動かないで!」
灰澤悠馬「グオォォ!」
灰澤とアテナが片手でトラックを止めると、車体は大破した。
トラックの運転手「ぎゃああ!?」
高原みこ「トラックの運転手さん、大丈夫!?」
アテナ「壊れたのは車体だけです」
キュートワン「キャンキャン!? (なんだこいつら! めちゃめちゃ強いぞ!?)」
みこの腕から飛び出したキュートワンは、慌てて去って行った。
アテナ「怪我はありませんね? よかった」
高原みこ「私たちピンピンだよ! ありがとう」
灰澤悠馬「? キュートワン、いない」
高原みこ「あれ? さっきまでここにいたのに、どこ行っちゃったんだろう」
〇ビルの裏
キュートワン「クン・・・(あんなヤバい奴らが守っていたとはな・・・)」
キュートワン「キャン! (高原みこと一緒にいられると厄介だ。作戦を練るぞ!)」
〇公園の砂場
高原みこ「キュートワンワーン! 出ておいでー!」
アテナ「可愛い犬の目撃情報は、この公園で合っているはずなのですが」
灰澤悠馬「・・・キュートワン、思い出した。 アイツ、危険だ」
アテナ「どういうことです?」
高原みこ「ん? このカード・・・ブスッと星モグラ?」
アテナ「あの可愛い見た目のキュートワンが危険とは思えませんが」
灰澤悠馬「! ミコちゃん、いなくなった」
アテナ「!? 御主人(マスター)!?」
〇住宅街
高原みこ「また見っけ! これで5枚目だ~!」
高原みこ「あっ、あっちにもある!」
高原みこ「ブスッと星モグラ6枚目~・・・じゃない!?」
キュートワン「キャン! (可愛くないモグラにつられて一人になるとは、お前って相当アホだな!)」
高原みこ「あっ、キュートワン見っけ!」
キュートワン「キュン! (どうだ、その写真可愛いだろ! 宇宙で100億枚以上売れたんだぞ)」
高原みこ「! この写真、よく見たら・・・」
キュートワン「クゥン! (フフフ、いいんだぜ可愛いって言っても!)」
高原みこ「この犬、キュートワンにそっくりだね!」
キュートワン「ギャンッ! (バカ! それは本物だ! オレだよ、オレ!)」
キュートワン「キャンキャン! (こんな屈辱、初めてだ! オレのプライドを粉々にしやがって!)」
高原みこ「待ってキュートワン! そっちにお家があるの?」
〇山中の坂道
キュートワン「キャン! (くそくそ! こんな気持ちの時は、思いっきり一人で叫ぶしかねえ!)」
険しい坂道を駆け上がるキュートワン。
高原みこ「はぁ、はぁ・・・アテナがいたら、飛んで連れてってくれるのに~」
〇山並み
頂上にやってきたキュートワンは、崖っぷちから大きな鳴き声をあげた。
キュートワン「キャオオ~~ン! (オレは宇宙一可愛い暗殺犬だー!)」
高原みこ「ぜぇ、ぜぇ・・・もう歩けないよ~キュートワンのお家どこ~?」
キュートワン「キャン!? (お前、ここまでついて来たのか!?)」
その瞬間、キュートワンの足元の岩が崩れ落ちた。
キュートワン「ギャ!? (落ちる!?)」
高原みこ「! キュートワン!」
キュートワンを引き上げるみこ。
しかし、その反動でバランスを崩して崖からずり落ちる。
キュートワン「ギャン!? (何やってんだ、お前!)」
片腕で崖にぶら下がるみこ。
高原みこ「あわわ、ギリギリセーフ!」
キュートワン「キャンキャン!? (今といいトラックの時といい、勢いがよすぎるんだよ!)」
高原みこ「落ちちゃわなくてよかったね、キュートワン」
キュートワン「キャン! (代わりにお前が落ちそうになってんじゃねえか、バカ!)」
キュートワンはみこの袖をくわえて引っ張り上げようとする。
高原みこ「心配しないで。今からそっちに上がる──」
高原みこ「あ!」
みこの掴んでいた岩が崩れ落ちた。
キュートワン「!!」
〇空
高原みこ「うわわっ、どうしよー!?」
- このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です! - 会員登録する(無料)