アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第53話 宇宙一キュートな暗殺者!①(脚本)

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〇大きな木のある校舎
???「キャンキャン!」
柴崎麻衣「可愛い~! 尻尾振ってる~」
高原みこ「やっと学校終わったー、残るは楽しいバイトだ!」
???「!」
柴崎麻衣「あっ、ワンちゃんどこ行くの!」
???「キャンキャンキャン!」
高原みこ「んん? 誰の犬?」
柴崎麻衣「迷い犬みたい。 高校の前でウロウロしてたって」
アテナ「首輪に名前が書いてありますよ。 『キュートワン』?」
  後方から歩いてきた灰澤が、キュートワンを抱き上げた。
キュートワン「キャン!?」
灰澤悠馬「カワイイ。フワフワだ」
柴崎麻衣「だよね! 宇宙一可愛いよね!」
キュートワン「キュ~ン!」
高原みこ「私も宇宙一可愛いもの知ってるよ!」
キュートワン「キャン?」
高原みこ「じゃ~ん! 『ブスッと星モグラ』だよ!」
キュートワン「キャ・・・!?」
柴崎麻衣「ええ~? みこはキュートワンちゃんの可愛い肉球見ても何も感じないの?」
高原みこ「ブスッと星モグラの手も、尖った爪がついてて可愛いよ!」
柴崎麻衣「キュートワンちゃんの丸い尻尾にきゅんとしないなんて、ありえないでしょ?」
高原みこ「ブスッと星モグラにも細い尻尾ついてて可愛いもん!」
柴崎麻衣「みこの可愛い基準って独特・・・」
キュートワン「・・・・・・」

〇お弁当屋のレジ(店名あり)
  放課後、みこはバイト先で店番をした。
キュートワン「キュ~ン!」
高原みこ「あれ? この犬って・・・」
アテナ「キュートワンですね。今日は灰澤悠馬の家で預かると言っていたのに」
高原みこ「ユーマくんとはぐれちゃったのかな?」
  キュートワンはあおむけに寝転がり、みこを見上げる。
キュートワン「クゥ~~ン・・・」
高原みこ「? どうしたの、背中かゆい?」
アテナ「・・・・・・」
キュートワン「クゥ~~ン・・・」
アテナ「・・・可愛いですね」
キュートワン「キャンキャン!」
アテナ「任せてください、キュートワン。 必ず貴方の家を見つけてあげます」
高原みこ「おおっ、アテナが笑った!」
  キュートワンはみこを見つめる。
キュートワン「クゥウ~~ン・・・」
高原みこ「・・・・・・」
キュートワン「キュン・・・」
高原みこ「・・・お腹空いたのかな?」
キュートワン「キャン!?」
高原みこ「お腹空いた~って顔してる。 唐揚げ食べる?」
キュートワン「・・・・・・」

〇古いアパート

〇雑多な部屋
キュートワン「キュン・・・(あんなにファンサしてやったのに、オレを『可愛い』って言わなかった奴は初めてだぜ)」
高原みこ「ふへへ・・・」
キュートワン「クン・・・(オレは宇宙一の暗殺犬・・・ターゲットはみんな、オレの可愛さに骨抜きになる運命だってのに)」
  キュートワンは尖った歯を見せる。
キュートワン「フガァ!(高原みこ・・・オレの可愛さに気づけなかったこと、あの世で後悔しな!)」
高原みこ「かわいい・・・」
キュートワン「クン!?」
高原みこ「かわいいねえ・・・」
キュートワン「クンクゥン(オレの夢を見てるのか、やっと『可愛い』って言ったな)」
高原みこ「あはは、おいで・・・」
キュートワン「キュン(夢の中でなら素直になれる・・・ってか。結構いじらしいとこあるな)」
高原みこ「ブスッと星モグラ・・・」
キュートワン「ギャン!? (またそれ!?)」
高原みこ「よしよし・・・」
キュートワン「キャンキャン! (もう許さねえ! お前を消すのは、『キュートワン可愛い』って言わせてからだ!)」

〇大きな木のある校舎
灰澤悠馬「キュートワンの家、わかる?」
蜘蛛丸要「聞き出すくらいなら一瞬でできるよ」
アテナ「さっそくお願いします」
蜘蛛丸要「みこは見ちゃ駄目だよ」
高原みこ「ん?」
キュートワン「ウ・・・? (な、なんだ? 何が始まる?)」
蜘蛛丸要「刮目せよ! 蜘蛛の糸のとりこたち『君の家の場所を教えて』」
灰澤悠馬「! 『オレ、銀河の外、惑星ガイから来た。もうないけど・・・』」

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