アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第52話 探検!ドーナツの国!②(脚本)

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〇王宮の入口
  満月の夜空の下に、石造りの巨大な王宮が広がる。

〇王宮の広間
カオス「王宮もカラカラに干からびてるじゃねえか。本当にこの奥に森があんのか?」
ヒカルポクラテス「王は水源を独り占めして、『永遠の森』を作ってるんだ」
カオス「フーン。そこにしか森がねえなら、ドーナツの木を探すのも簡単だな!」
ヒカルポクラテス「・・・簡単だといいんだけどね」
兵士「お前たち、どこから侵入した!」
ヒカルポクラテス「うわっ、もう気づかれちゃった!」
カオス「森はどっちだ!?」

〇けもの道
カオス「おお! ここが永遠の森だな!」
兵士「侵入者が立ち止まったぞ! 捕えろ!」
???「美しい月の夜だというのに、騒々しい。 何事だ」
兵士「ドーナツ王様!」
ヒカルポクラテス「出番だぞ、行けカオス!」
カオス「ドコにだ?」
ドーナツ王「ずいぶん威勢がいいな。 私を倒しにでも来たか」
カオス「チゲーよ、オレ様はドーナツの木を探しに──」
ヒカルポクラテス「そうだ! 市民のため正義のために、お前を倒しに来たんだ!」
カオス「ハア? 初耳だぞ」
ドーナツ王「マスター・ドーナツ!」
  ドーナツ王が杖で地面を突くと、木々がドーナツに変化して雪崩のように二人を襲った。
カオス「!?」
ヒカルポクラテス「うわっ!?」
  雪崩の下敷きになるヒカルポクラテス。
カオス「大丈夫か、ヒカルなんとか!」
ヒカルポクラテス「ううっ、動けない!」
ドーナツ王「・・・一人逃がしたか」
カオス「ちょっと落ち着け。オレ様はお前を倒しに来たワケじゃ──」
ドーナツ王「マスター・ドーナツ!」
  ドーナツ王が杖を突くと、今度は空から巨大なドーナツが降ってきた。
カオス「話聞けって!」
  次々に落下してくる巨大ドーナツを避けるカオス。
  ドーナツが直撃した森の木々がへし折れていく。
カオス「森を壊すな! 今晩、ドーナツの木が生まれなくなっちまう!」
兵士「ぐえっ! 私たちまで!?」
ドーナツ王「マスター・ドーナツ! マスター・ドーナツ!」
カオス「マスターマスターうるせえ!」
カオス「ンなら、こっちはドーナツ・サンダーだ!」
  左手に溜めたエネルギーを放つ。
  しかしドーナツ王は杖でエネルギーを弾き飛ばした。
カオス「!?」
ドーナツ王「飛んだかと思えば、今度は小さな雷か・・・なかなかやるな」
カオス「ドーナツ・サンダーを弾いただと?」
ドーナツ王「褒美に本物の雷を見せてやろう」
  ドーナツ王が杖を掲げると、空に暗雲が広がり月が隠れた。
ドーナツ王「スペシャルマスター・ドーナツ!」
カオス「ウワッ!?」
ドーナツ王「フハハハ! 口ほどにもない」
ドーナツ王「反逆者の味は甘いか苦いか・・・」
  ドーナツ化されたカオスを口に運ぶ。
ヒカルポクラテス「そうはさせるか!」
ドーナツ王「!? アン・ド──」
ヒカルポクラテス「ドーナツ・落とし!」
ドーナツ王「ぐあっ!」
  意識を失って倒れるドーナツ王。
  暗雲が晴れて夜空に満月が現れた。
ヒカルポクラテス「はぁ、はぁ・・・これで市民に笑顔が戻る」

〇けもの道
  縄で縛られたドーナツ王は、しぶしぶと解除の呪文を唱えた。
ドーナツ王「・・・アン・ドーナツ」
  ポンッ!
カオス「ダァア~!! 肩痛ぇ!!」
ヒカルポクラテス「カオス、よかった!」
カオス「王様コノヤロー! オマエもドーナツにしてやる!」
ドーナツ王「ひっ!? や、やめてくれ、もう市民を苦しめるようなことはしない!」
カオス「ドーナツ・サン──」
ヒカルポクラテス「落ち着けカオス! それより後ろを見ろよ」
カオス「なんだ?」
カオス「アーー!! ドーナツの木!!」
ヒカルポクラテス「王の雷を受けたらしい。力も使いようだな」
カオス「夢のドーナツ農園が見えてきたぜ!」
  カオスは早速、ドーナツの木を引き抜こうとする。
ヒカルポクラテス「! 待ってくれ」
カオス「なんだよ」
ヒカルポクラテス「実ったドーナツは全部やる。 だけど木はここに残してくれないか」
カオス「ハア? オレ様はこの木を手に入れるために来たんだぞ」
ヒカルポクラテス「わかってる。でも・・・この木をはじまりにしたいんだ」
カオス「ン?」

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