承認欲求 認められたい女

りをか

読切(脚本)

承認欲求 認められたい女

りをか

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〇黒背景
  承認欲求とは「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という願望であり「尊敬、自尊」の欲求とも呼ばれる

〇ケーキ屋
山田菜子「興味本位でインスタ始めたけど、中々“いいね”が貰えないなぁ。 陰キャの私には、こういうの向いてないのかなぁ」
  高校生の山田菜子は、インスタで“いいね”が貰えず悩んでいた。
  その時
「その感じじゃ“いいね”は貰えないわよ?」
山田菜子「えっ?」
  後ろを振り返ると、知らない女性が菜子のインスタを覗き見していた。
山田菜子「あのぉ、あなたは?」
「怪しい者じゃないわよ? ただ、あなたの呟きがちょっと気になっただけ。“いいね”が付かないで悩んでるんでしょ?」
山田菜子「はっ、はい・・・」
「なら、ここに行くといいわ。 ここに行けば、あなたの悩みをきっと解決してくれるはずだから」
  女は菜子に、小さな紙切れを渡し去って行った。
山田菜子「あの、ちょっと!」
山田菜子「困ったなぁ。いきなり紙切れ渡してくるなんて。けど、ここに行けば私の悩み解決してくれるのかな。試しに行ってみよ」

〇怪しい部屋
  菜子は、紙切れに書かれた場所へやって来た。
山田菜子「ほんとにこの場所で合ってんのかなぁ。 おまけに、誰も人いないし」
  不安になりながら、その場所で待っていると
謎の女「お待たせしました。 あなたが山田菜子さん?」
山田菜子「はっ、はい」
謎の女「早速ですが、あなたのインスタを拝見しました。 確かに今のままだと“いいね”は厳しいみたいですね」
山田菜子「じゃあ、どうすれば?」
謎の女「まずは、自分自身を変えることです。 今から、この美容室でヘアメイクをしてきて下さい」
謎の女「そして終わり次第、またここに来て下さい。いいですね?必ずですよ?」
山田菜子「わっ、分かりました」
  菜子は指示通り美容室へ向かい、見事な変身ぶりを遂げた。

〇怪しい部屋
  菜子は再び、さっきの場所へとやって来る。
謎の女「お疲れ様でした。インスタの方はどうですか?私の指示通りにしてくれました?」
山田菜子「はい、こんな感じで載せました」
謎の女「悪くないですね。さっきの美容室は有名なお店で中々予約が取れないところなので、きっと“いいね”が付くはずです」
謎の女「これからも私の指示に従ってさえすれば、上位も狙えますよ?早川亜美を知ってますか?」
山田菜子「早川亜美?知ってます。高校生インスタグラマーの人ですよね?」
謎の女「えぇ。実は彼女も私のおかげで、あそこまでトップになれたんですよ?」
謎の女「だから、これからも多くの人にあなたを認めてもらえる様、頑張りましょう。そして、早川亜美を越えましょう」
山田菜子「分かりました」

〇女の子の一人部屋
  翌朝、インスタを開くと菜子のインスタには、たくさんの“いいね”が付いていた。
山田菜子「すごい。あの人の言った通りだ。 しかも、フォロワーも何人かいる」
山田菜子「“いいね”を貰うのって、こんなに嬉しいことなんだ。 この調子で、引き続きインスタあげていこう」
  菜子は、例の女の指示通りにインスタを上げ“いいね”を増やし続けた。
  それから1ヶ月後。

〇女の子の一人部屋
山田菜子「すごい!私のインスタが、早川亜美の次にランクインしてる」
  菜子は喜びを隠せないでいた。
山田菜子「ここまで来たら、1位になりたい・・」
  菜子は早速、例の女に会いに行った。

〇怪しい部屋
謎の女「インスタ、順調の様ですね。しかも、早川亜美の次にランクイン。 それで?今日はどうされました?」
山田菜子「お願いです。1位を取る為に次は何をすればいいですか?」
謎の女「1位を取る為? そんなの簡単ですよ? 早川亜美を殺すのです」
山田菜子「こっ、殺す? そんなこと出来ません!」
謎の女「出来ますよ。 今のあなたなら。 だって、1位を取りたいんでしょ?」
謎の女「言いましたよね? 私の指示に従うって。 ならば、さっさとあの女を殺しなさい!この世から、あの女を消せ!消せ!消せ!」
山田菜子「・・・消す この私が・・・ あの女を・・・」
謎の女「そうです。 あの女を消せば、あなたは間違いなく1位になり有名になれますよ?」
山田菜子「私が1位・・・ 早川亜美を殺さなきゃ・・・」

〇テラス席
  一方、早川亜美はカフェのテラス席にいた。
早川亜美「今日も私が暫定のトップね」
  早川亜美は、インスタのランキングに終始満足していた。
早川亜美「けど、2位の女とかなりの僅差だわ。 山田菜子? どこの女か知んないけど、すんごく目障り。 消えてほしいくらいだわ」
  早川亜美は、フォークでケーキをつつき始めた。
「あの、もしかして早川亜美さんですか?」
早川亜美「そうよ。 てか、あなた誰?」
「申し遅れました。 私、山田菜子と言います」
早川亜美「へぇ、あなたが山田菜子さん。 確か2位にランクインしてる方よね?」
「そうです。 あの、もしよかったら一緒に写真撮ってもらえませんか?インスタに載せたいので・・・」
早川亜美「別にいいわよ?」
  菜子は早川亜美の横に並び、2ショット写真を撮ろうとした。
  その時
  テラスにいた客が騒ぎ始める。
  菜子は返り血を浴び、微笑みながらその場に立ち尽くしていた。
「だっ、誰か!警察と救急車!」

〇黒背景
  その日のニュースは、菜子のことが大々的に取り上げられた。
謎の女「よかったですね。 山田菜子さん。 ある意味有名になれて・・・」

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