隣国の王子が遊びに来たわ!(脚本)
〇貴族の部屋
いつもの朝。
メロエル城サイネリアの部屋。
サイネリア「さぁーて、今日は何を しようかしら?」
タイクーン「城下町に出れなくても、 それなりに遊んでんな、あんた」
サイネリア「もちろんよ!」
タイクーン「ちゃんと勉強もしてるんだろうな?」
サイネリア「そ、それは、 もちろんよ!」
タイクーン「・・・ならいいけどさ」
サイネリア「ちゃんと、こないだ 新しい魔法を覚えたもの・・・」
タイクーン「はいはい。 で?今日はなにする?」
サイネリア「そうねぇ・・・」
サイネリア「今日も城内探検ね!」
タイクーン「こりないな!あんた!」
〇城の廊下
サイネリア「らんらーん♪」
サイネリア「ねえ、タイクーン」
タイクーン「ん?」
サイネリア「今日はあなたがよく出入りする 場所を見てみたいわ!」
タイクーン「・・・えっ?」
タイクーン「本気で言ってるんですか?」
サイネリア「もちろんよ!」
サイネリア「騎士団の練習場とか・・・」
タイクーン「王女が見に来たら、あいつら・・・」
タイクーン「びっくりすると思うんですが・・・」
サイネリア「いいじゃーん! 行きましょうよ!」
タイクーン「し、仕方ないな・・・ 分かりましたよ」
〇大広間
-騎士団練習場-
サイネリア「わぁ・・・!!」
タイクーン「ここが我が騎士団の練習場です」
サイネリア「すごい・・・! みんな真剣だわ!」
タイクーン「そりゃ、国を守るためだからな」
タイクーン「──皆の者、やめ!」
サイネリア(タイクーンの一声で、 みんなが練習をやめて こっち見たわ・・・)
タイクーン「みんな、ご苦労! 王女様が見学にいらした。 挨拶を!」
エリオット「これは、お初にお目にかかります! 第1部隊の隊長のエリオットです!」
サイネリア「こんにちは!」
エリオット「騎士団の者はみな、 王女様が大好きです!」
エリオット「どうぞ心ゆくまで 見学なさってください!」
サイネリア「あ、ありがとう・・・」
エリオット「よぉし、みんな! 練習試合をやるぞ!」
タイクーン「お前って、案外人気なんだぜ?」
サイネリア「そ、そうなんだ・・・」
「へえー、やるもんだねぇー!」
タイクーン「ん・・・?」
サイネリア「だれ?」
コーリン「ここの騎士団、強いって 聞いてたけどさぁ」
コーリン「やっぱ練習もやばそうだよね!」
コーリン「キミもそう思わない? かわい子ちゃん♪」
サイネリア「へ? かわい子ちゃんって・・・ アタシ!?」
タイクーン「何者だ! 無礼者!」
タイクーン「こちらにいらっしゃるのは、 我が国の王女であるぞ!」
コーリン「ふうーん・・・ ならさ、君の方が無礼者なんじゃ ないの〜?」
タイクーン「なんだと?」
コーリン「ねぇ、かわい子ちゃん? 僕のこと、聞いてないの?」
サイネリア「えっ・・・ 会うのは初めてよね?」
コーリン「うん、来ちゃった♡」
コーリン「・・・未来のお嫁さん♡ めっちゃ可愛いじゃん!」
タイクーン「は、はぁあ!? ってことは・・・」
サイネリア「あぁ、コーリン王子なの・・・」
コーリン「あ~、こんなカッコでごめんね~? ちゃんとした服で来たんだけど、 窮屈だったからさぁー」
タイクーン「隣国の王子なのかよ・・・」
コーリン「そう。 君、王族に対しての態度が なっちゃいないよねー」
サイネリア「あ、その、これは・・・」
タイクーン「それは、大変失礼しました・・・」
サイネリア(タイクーン・・・ こらえてる・・・)
コーリン「まあいいよー。 オレもこんなカッコで来ちゃったし わかんなかったよねー!」
サイネリア「あ、あの、今日はなぜ突然 こちらにいらしたの?」
コーリン「突然ってか、れっきとした 公務だよー。 メロエル城下町の調査!」
コーリン「城に寄ったのは、未来のお嫁さんに 会いたかったから!」
サイネリア「そ、そうなのですね・・・」
コーリン「3日くらい滞在するからさぁー、 よろしくね? サイネリアちゃん♡」
サイネリア「は、はあ・・・」
〇ヨーロッパの街並み
-メロエル城下町-
コーリン「うおー、あれ美味しそう! ねね、食べない?」
サイネリア「え?あ、はい・・・」
サイネリア(城下町に出れたけど、とても 憂鬱だわ・・・)
サイネリア(ほんとにチャラ男じゃん・・・ お父様は何故、こんなヤツと 出かけてこいだなんて・・・)
コーリン「ねぇ、サイネリア~。 今日の服かわいいねー! ぎゅってしたい♪」
サイネリア「う、嬉しいけど、 ぎゅっはダメです!」
コーリン「えー、ケチだなぁー。 減るもんじゃないのにー」
サイネリア「私たちは付き合ってないですから!」
コーリン「えー、婚約者って、 付き合ってるも同然じゃね?」
サイネリア「ち、違いますよ!」
コーリン「ふぅーん? まあ、どうせそのうち、君から 言ってくれるよ」
コーリン「コーリンのこともっと知りたいって!」
サイネリア(すでにもっと知りたいよ・・・ ほんとにチャラいだけなの?)
コーリン「とりあえずあそこのクレープ 食べよーよ! 買ってあげる♪」
サイネリア「あ、ありがとう・・・」
サイネリア(クレープ・・・ こないだタイクーンと食べそびれたな)
〇西洋の街並み
コーリン「はい、どーぞ♪」
サイネリア「ありがとうございます・・・」
サイネリア(クレープ、わたがし、スムージーに ソフトクリーム・・・)
サイネリア(甘いのばっかり! 太っちゃう!)
コーリン「オレ甘いもの大好きなの! サイネリアも好き?」
サイネリア「は、はぁ、まあ・・・」
コーリン「甘いものも好きだけどさ──」
コーリン「サイネリアのことも好きだよ!」
サイネリア「・・・え?」
コーリン「オレのものになってよ♪ ココロもカラダも♡」
サイネリア「それはその・・・まだ今日 会ったばかりですし・・・」
コーリン「じゃあ、カラダだけでも オレのものになっとく?」
サイネリア「近いです! 離れてください──」
コーリン「いいだろオレらどーせ、 夫婦になんだしよ」
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