おてんば姫の冒険記

灰谷あずま

隣国の王子が遊びに来たわ!(脚本)

おてんば姫の冒険記

灰谷あずま

今すぐ読む

おてんば姫の冒険記
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇貴族の部屋
  いつもの朝。
  メロエル城サイネリアの部屋。
サイネリア「さぁーて、今日は何を しようかしら?」
タイクーン「城下町に出れなくても、 それなりに遊んでんな、あんた」
サイネリア「もちろんよ!」
タイクーン「ちゃんと勉強もしてるんだろうな?」
サイネリア「そ、それは、 もちろんよ!」
タイクーン「・・・ならいいけどさ」
サイネリア「ちゃんと、こないだ 新しい魔法を覚えたもの・・・」
タイクーン「はいはい。 で?今日はなにする?」
サイネリア「そうねぇ・・・」
サイネリア「今日も城内探検ね!」
タイクーン「こりないな!あんた!」

〇城の廊下
サイネリア「らんらーん♪」
サイネリア「ねえ、タイクーン」
タイクーン「ん?」
サイネリア「今日はあなたがよく出入りする 場所を見てみたいわ!」
タイクーン「・・・えっ?」
タイクーン「本気で言ってるんですか?」
サイネリア「もちろんよ!」
サイネリア「騎士団の練習場とか・・・」
タイクーン「王女が見に来たら、あいつら・・・」
タイクーン「びっくりすると思うんですが・・・」
サイネリア「いいじゃーん! 行きましょうよ!」
タイクーン「し、仕方ないな・・・ 分かりましたよ」

〇大広間
  -騎士団練習場-
サイネリア「わぁ・・・!!」
タイクーン「ここが我が騎士団の練習場です」
サイネリア「すごい・・・! みんな真剣だわ!」
タイクーン「そりゃ、国を守るためだからな」
タイクーン「──皆の者、やめ!」
サイネリア(タイクーンの一声で、 みんなが練習をやめて こっち見たわ・・・)
タイクーン「みんな、ご苦労! 王女様が見学にいらした。 挨拶を!」
エリオット「これは、お初にお目にかかります! 第1部隊の隊長のエリオットです!」
サイネリア「こんにちは!」
エリオット「騎士団の者はみな、 王女様が大好きです!」
エリオット「どうぞ心ゆくまで 見学なさってください!」
サイネリア「あ、ありがとう・・・」
エリオット「よぉし、みんな! 練習試合をやるぞ!」
タイクーン「お前って、案外人気なんだぜ?」
サイネリア「そ、そうなんだ・・・」
「へえー、やるもんだねぇー!」
タイクーン「ん・・・?」
サイネリア「だれ?」
コーリン「ここの騎士団、強いって 聞いてたけどさぁ」
コーリン「やっぱ練習もやばそうだよね!」
コーリン「キミもそう思わない? かわい子ちゃん♪」
サイネリア「へ? かわい子ちゃんって・・・ アタシ!?」
タイクーン「何者だ! 無礼者!」
タイクーン「こちらにいらっしゃるのは、 我が国の王女であるぞ!」
コーリン「ふうーん・・・ ならさ、君の方が無礼者なんじゃ ないの〜?」
タイクーン「なんだと?」
コーリン「ねぇ、かわい子ちゃん? 僕のこと、聞いてないの?」
サイネリア「えっ・・・ 会うのは初めてよね?」
コーリン「うん、来ちゃった♡」
コーリン「・・・未来のお嫁さん♡ めっちゃ可愛いじゃん!」
タイクーン「は、はぁあ!? ってことは・・・」
サイネリア「あぁ、コーリン王子なの・・・」
コーリン「あ~、こんなカッコでごめんね~? ちゃんとした服で来たんだけど、 窮屈だったからさぁー」
タイクーン「隣国の王子なのかよ・・・」
コーリン「そう。 君、王族に対しての態度が なっちゃいないよねー」
サイネリア「あ、その、これは・・・」
タイクーン「それは、大変失礼しました・・・」
サイネリア(タイクーン・・・ こらえてる・・・)
コーリン「まあいいよー。 オレもこんなカッコで来ちゃったし わかんなかったよねー!」
サイネリア「あ、あの、今日はなぜ突然 こちらにいらしたの?」
コーリン「突然ってか、れっきとした 公務だよー。 メロエル城下町の調査!」
コーリン「城に寄ったのは、未来のお嫁さんに 会いたかったから!」
サイネリア「そ、そうなのですね・・・」
コーリン「3日くらい滞在するからさぁー、 よろしくね? サイネリアちゃん♡」
サイネリア「は、はあ・・・」

〇ヨーロッパの街並み
  -メロエル城下町-
コーリン「うおー、あれ美味しそう! ねね、食べない?」
サイネリア「え?あ、はい・・・」
サイネリア(城下町に出れたけど、とても 憂鬱だわ・・・)
サイネリア(ほんとにチャラ男じゃん・・・ お父様は何故、こんなヤツと 出かけてこいだなんて・・・)
コーリン「ねぇ、サイネリア~。 今日の服かわいいねー! ぎゅってしたい♪」
サイネリア「う、嬉しいけど、 ぎゅっはダメです!」
コーリン「えー、ケチだなぁー。 減るもんじゃないのにー」
サイネリア「私たちは付き合ってないですから!」
コーリン「えー、婚約者って、 付き合ってるも同然じゃね?」
サイネリア「ち、違いますよ!」
コーリン「ふぅーん? まあ、どうせそのうち、君から 言ってくれるよ」
コーリン「コーリンのこともっと知りたいって!」
サイネリア(すでにもっと知りたいよ・・・ ほんとにチャラいだけなの?)
コーリン「とりあえずあそこのクレープ 食べよーよ! 買ってあげる♪」
サイネリア「あ、ありがとう・・・」
サイネリア(クレープ・・・ こないだタイクーンと食べそびれたな)

〇西洋の街並み
コーリン「はい、どーぞ♪」
サイネリア「ありがとうございます・・・」
サイネリア(クレープ、わたがし、スムージーに ソフトクリーム・・・)
サイネリア(甘いのばっかり! 太っちゃう!)
コーリン「オレ甘いもの大好きなの! サイネリアも好き?」
サイネリア「は、はぁ、まあ・・・」
コーリン「甘いものも好きだけどさ──」
コーリン「サイネリアのことも好きだよ!」
サイネリア「・・・え?」
コーリン「オレのものになってよ♪ ココロもカラダも♡」
サイネリア「それはその・・・まだ今日 会ったばかりですし・・・」
コーリン「じゃあ、カラダだけでも オレのものになっとく?」
サイネリア「近いです! 離れてください──」
コーリン「いいだろオレらどーせ、 夫婦になんだしよ」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

成分キーワード

ページTOPへ