第一話(脚本)
〇宇宙空間
とある神は世界を創った。
しかし生き物を創る事は出来なかった。
そこで神は考えた。
この地を繁栄させるため。
命を生み出す方法を。
それは──
〇黒背景
〇宇宙空間
──問う
──お前は生きたいか
(誰だ・・・?)
このまま炎に呑まれるか、それとも──
(熱い・・・苦しい・・・)
助かりたければ願うといい
『生きたい』と
(・・・)
(・・・生き・・・たい)
──その願い叶えよう
ただしその代わりお前は・・・
(アイツも一緒に・・・)
──
(何か聞こえる ああ、身体が重い・・・)
(アイツはどこだ・・・)
(・・・)
──契約を履行する
〇黒背景
〇御殿の廊下
「お呼びでしょうか、主上」
主上「キツネよ、今日は新たな同胞を迎える日」
主上「お前とカラスの二人で迎えに行って欲しい」
キツネ「承知しました」
キツネ「ですがボク一人で充分ですよ」
キツネ「あいつは一緒にいても邪魔なだけです」
主上「まぁそう言うでない、キツネよ」
主上「今回はカラスと一緒に行っておくれ」
キツネ(あいつ必要かなぁ・・・)
キツネ(いや、もしや 主上には何かお考えが)
キツネ「・・・御意」
主上「頼んだぞ、キツネよ」
キツネ「主命であれば必ず」
主上「早速向かっておくれ 場所は東の──」
〇御殿の廊下
キツネ「・・・」
キツネ「あの怠け者と一緒か」
キツネ「仕方ないなぁ・・・」
キツネ「はぁ・・・」
〇黒背景
〇ソーダ
またあの時の夢・・・
分かってる
約束は忘れていない
迎えが来たらその時は・・・
・・・
そろそろ起きなければ・・・
〇黒背景
〇山道
キツネ「カラス! 起きろ」
キツネ「・・・」
「ふわぁーあ・・・なんだよ朝からうるさいな」
キツネ「任務だ」
カラス「任務? 俺も?」
キツネ「そうだ」
カラス「お前一人で行ってこいよ 俺ぁまだ眠いし」
カラス「・・・」
キツネ「寝るな! 馬鹿ガラス! 主命じゃなきゃ誰がお前と一緒になんか」
カラス「いいじゃんよぉ お前一人でぱぱっと終わらせてこいよぉ」
キツネ「・・・」
カラス「うぉ!?」
キツネ「主命だと言ってるんだ 一緒に来い」
カラス「いってぇな ぶん殴ることぁないだろ」
キツネ「この怠け馬鹿ガラス! 早く支度して来い ボクは先に行っているからな」
カラス「お、おい! まだ行くなんて一言も・・・」
カラス「・・・」
カラス「しゃーねぇなぁ 主命ねぇ・・・」
カラス「うーん・・・ 気乗りはしないな」
カラス「どうせあいつがさっさと終わらせるだろうし 俺が行かなくてもな」
カラス「今回もあいつに任せて 俺はゆっくり寝ているかぁ」
キツネ「何している 早く来い!!」
カラス「うげっ」
キツネ「サボったら許さないからな」
カラス「いててて」
カラス「分かったよ 今行くって そう怒るなって」
カラス「ああ、こりゃサボれそうにないなぁ」
カラス「仕方ねぇ さっさと終わらせるか」
〇幻想空間
こうして任務に向かった二人
この先彼らに何が待ち受けているのか
〇雲の上
???「まぁなんとかなるかの ほっほっほ」
〇幻想空間
第二話へ続く──
新鮮な気分で読んでる
生命を生み出すための問答がとてもよかったです。重点を置いてお書きになったのはそこではないかも?と思いますが、特に心に刺さりました。力強くて荘厳で気に入りました。
キツネとカラスのコンビネーションのチョイスがいいと思いました。似た者同しより、反対だからこそうまくいくときがありますよね。最後が「続く」とあったので、次が読んでみたい気がします。