第4話 魔女の足止め【前編】(脚本)
〇要塞の回廊
魔王城
イーノク「魔王様が、帰ってこない」
イーノク「勇者を見てくるといって、ウマちゃんと出かけたきりだ」
ネイサン「・・・またですか」
ネイサン「あの人は、魔王としての自覚がないのか・・・」
イーノク「しかも、勇者パーティーの問題もある」
イーノク「至急、対策を立てなければ」
エブリー「・・・その格好、あんたもやる気ないでしょ」
イーノク「・・・だが、そうもいってられん」
イーノク「誰か代理を立てて・・・」
ネイサン「では、側近のイーノク様が代理でよろしいでしょう」
エブリー「そーそー」
エブリー「見た目は魔王っぽいんだし」
ネイサン「確かに」
エブリー「あーし、これから合コンだから」
エブリー「じゃねー」
ネイサン「私もこれで」
イーノク「・・・・・・」
イーノク「全く、適当な奴らだ」
イーノク「だが、計画どおり!」
イーノク「ヴィンセントを人間界へ行くようにそそのかし、」
イーノク「刺客を送った甲斐があったというもの」
イーノク「これで、魔族の支配権は私のものだ!」
イーノク「フハハハハッ」
〇闇の要塞
イーノク「アーハハハハッ」
〇黒
旅を始めて、数日後
〇けもの道
ライラ「ハアハアハァ」
ライラ「もうやだ〜!」
ライラ「何体いるの〜!」
〇けもの道
ライラ「トロール!!」
〇けもの道
ライラ「ルーくんの敵にちょうどいいかと思って、残しておこうかと思ったんだけど・・・」
ライラ「数が多すぎ!!」
ライラ「しょうがない、一部封印するか・・・」
〇けもの道
ライラ「『トロールさん、あれに封印!』」
木の実「キィキィ・・・!」
〇けもの道
ライラ「よしっ!」
ビンス「何か気の毒な気がするぞ・・・」
ライラ「そう? 完全に命を断ったわけじゃないから、いいんじゃない?」
〇けもの道
木の実「キィー!」
トロール「ぐおー!」
〇けもの道
ライラ「きゃあ、仲間を呼んじゃった!?」
ライラ「これじゃ、きりがない!」
〇けもの道
???「ちょっと待つっす!」
???「寄ってたかって人を襲うのは、ダメっすよ!」
トロール「ぐあっ」
〇けもの道
ライラ「に、逃げていった・・・」
ライラ「あ、ビンスくんたち、木の陰に隠れて!」
???「怪我はないっすか?」
ライラ「ええ、助けてくれてありがとう」
ライラ「無詠唱なのに、すごい威力の魔法ね」
???「当然っす! あたしは魔女っすから!」
ライラ「魔女さん!? じゃあ、この先の里の人?」
???「そうっす」
???「この辺は魔女の魔力に引きよせられた魔物が多いから、気をつけるっすよ」
???「それじゃあ!」
ライラ「あ、ちょっとまだ訊きたいことが──」
ライラ「行っちゃった・・・」
ライラ「しょうがない、このまま行くしかないかあ・・・」
〇黒
〇山中の川
ライラ「ふう・・・」
ライラ「多分、もうすぐのはずだよ」
ライラ「魔女の里!」
ライラ「──の麓の村!」
ビンス「魔女の里までは、まだかかりそうだな・・・」
ウマ「ウマッ!」
ライラ「私も、ここには初めて来たんだけどね」
ライラ「魔女さんたちなら、魔法のスペシャリストだもん」
ライラ「きっと、ビンスくんの封印も解けるよね」
ビンス「大体、封印強化で小さくした我らはもとのサイズに戻せるのに、」
ビンス「なぜ封印自体は解けぬのだ?」
ライラ「なぜって、封印とは根本的に違うからよ」
ライラ「封印魔法は、こう・・・ズバアァッて感じだけど、」
ライラ「封印強化は・・・フワァッて感じだし」
ビンス「意味がわからぬ・・・」
ライラ「ようは、私でも強化分の魔法は剥がせるってこと!」
ライラ「それよりも、魔女の村ではもう一つミッションがあるんだからね」
ビンス「勇者の仲間探しか」
ライラ「うん」
ライラ「ルーくんに合う素敵な仲間を見つけたいんだけど、一つ不安が・・・」
ビンス「何だ?」
ライラ「魔女の里ってことは、女の子が多いでしょ?」
ライラ「かっこいいルーくんの貞操がピンチ・・・!」
ビンス「いや、お主の弟なら心配いらぬだろう」
ビンス(あのシスコンが、他になびくとは思えぬ)
ライラ「そうかなあ・・・」
ライラ「ルーくんがモテちゃって、恋人とかできたらどうしよう」
ライラ「やっぱり、何としてでも女の子はやめさせるべき?」
ビンス「それはそれで、別の花が咲く勇者パーティーを何度も見たぞ」
ライラ「・・・やっぱり、女の子は加入してもらおう」
ライラ「いや、別にイヤっていうわけじゃないのよ?」
ライラ「ルーくんが選んだなら、応援したいし・・・でも、環境に流されるのは違うっていうか・・・ブツブツ・・・」
ウマ「ウマ?」
ビンス「そんなことより、見えてきたのではないか?」
ライラ「あ、本当だ!」
〇山間の集落
ライラ「麓の村!」
〇山中の川
ライラ「魔女の里は外界との繋がりをほぼ断っていて、」
ライラ「里に入るには麓の村で許可証を貰わないといけないらしいの」
ライラ「本当は、さっき会った魔女さんに貰えたらよかったんだけどね」
ビンス「お主、詳しいな」
ビンス「ここに来るのは、初めてではなかったのか?」
ライラ「ああ、ルーくんに聞いたの」
ライラ「本当は、勇者の機密情報なんだけどね」
ビンス「情報漏洩も甚だしいな・・・」
ライラ「そんなわけで、目立つわけにはいかないから──」
ライラ「『ビンスくん、ウマちゃん、封印強化!』」
ビンス「ぬう、また小さく・・・!」
ライラ「はい、じゃあポケット入って〜!」
〇古い洋館
麓の村
村長の館
〇豪華な部屋
村長「──なるほど、話はわかりました」
村長「あなたは勇者パーティーの先遣隊だというのですね」
ライラ「ええ。これが勇者の証です」
ライラ「この任務にあたり、勇者様からお借りしてきました」
ビンス「お主、そんなものを持っていたのか」
ライラ「こんなこともあろうかと、借りてきちゃった」
ライラ「勇者の証なら、聖剣があれば十分だし」
ライラ「ルーくんには、いってないけど」
ビンス「それを盗んできたというのでは・・・」
ライラ「借・り・た・の!!」
ビンス「いててっ、握るな!」
村長「なるほど、確かに勇者の証ですな」
村長「ですが──」
村長「勇者のために、魔女の里の許可証は発行できません」
ライラ「へっ?」
ライラ「で、できないって、どういうことですか!?」
村長「勇者のために一体、何人の魔女が連れていかれたと思っているのですか?」
村長「さすがに、これ以上は見過ごせません」
ライラ「ち、ちょっと待ってください!」
ライラ「おっしゃっている意味が──」
村長「どうぞ、お引取りを」
〇山中の川
ライラ「う〜、どうしよう・・・」
ライラ「今夜泊まる場所もないし・・・」
ライラ「このままじゃ、パーティーメンバーを集められないよ」
ビンス「封印魔法を解けるものも見つけられぬしな」
ライラ「ねえ、ビンスくん」
ライラ「さっき村長さんがいっていたのって、どういう意味?」
ライラ「勇者パーティーに、里から魔女が何人も加入しているって・・・」
ビンス「それは──」
???「あーっ!」
???「見つけたっす!」
ライラ「さっきの魔女さん!?」
ライラ(よかった、ビンスくんたちはギリギリ隠れたみたい)
カミーラ「カミーラっす!」
カミーラ「あんたが、勇者パーティーのライラっていう人っすか?」
カミーラ「探したっすよ!」
ライラ「え?」
カミーラ「兄貴を返してくださいっす!」
ライラ「は⁇」
ライラ「待って、それってどういうこと?」
カミーラ「だから──」
「あっ」
〇黒
ライラ「痛たっ・・・」
〇山中の川
ライラ「えっ」
ライラ「魔女さんが、カニになっちゃった!?」
〇黒
その頃、ルーくんは──
〇西洋の市場
イーさん「おい、花街行くぞ」
ルーク「えー・・・やだよ、俺は」
ルーク「そんなことより、早く姉ちゃんのところに行きたいの!」
ルーク「っていうか、そんなに女に入れあげていると、身を滅ぼすんじゃない?」
イーさん「お前さんにだけは、いわれたくないな」
ルーク「いっとくけど──」
ルーク「姉ちゃんには、近づくなよ」
イーさん「あんなおっかねえの、近づきたくねえよ」
ルーク「はあ、早く姉ちゃんに会いたいなあ」
イーさんと仲よく旅をしていた。
カニーー‼️🦀
魔王城もなんだか下剋上が始まりそうだし
魔女の謎も多そうだし、
ルークはイーサンと旅しちゃってるし、
気になりまくりますね😆
カニさんはなんだろうと思っていたら魔女さんだったのですね!
ライラ、長嶋茂雄タイプ?w天才は大体そうかもしれないですね!
今回もブラコンシスコンが微笑ましいです😆
カニちゃん可愛い😊