アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第48話 チャンバラ☆タイムトラベル!④(脚本)

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〇城下町
  バラバラになって地面に倒れる大量のからくり侍たち。
獅子王一葉「アテナ殿、目を開けてください!」
アテナ「・・・・・・」
獅子王一葉「そんな・・・お礼くらい言わせてください! 私を守って死んでしまうなんて」
アテナ「勝手に殺さないでください」
獅子王一葉「!」
アテナ「今のバーストモードで電力をほとんど使ってしまいました。動けません」
獅子王一葉「わたくしのために・・・」
アテナ「御主人(マスター)を守るために、貴方を失うわけにはいきませんから」
獅子王一葉「それほどまでに、アテナ殿は・・・」
  一葉が決意した眼差しで立ち上がる。
アテナ「どこへ行くつもりですか? またからくり侍が襲ってくるかもしれません。大人しく家へ──」
獅子王一葉「獅子王家へ戻ります」
アテナ「!」
獅子王一葉「身を挺してわたくしを救ってくれたあなたに、恩返しをしなければ」

〇大きな日本家屋

〇屋敷の大広間
ミチ「姫様が無事に戻られてなによりですわ」
獅子王一葉「心配かけました、ミチ」
ミチ「反省なさっているならいいのです。 では私はこれにて失礼します」
獅子王一葉「アテナ殿、傷を見せてください」
  一葉はアテナに白い布を巻き付ける。
アテナ「手当など必要ありません。御主人(マスター)を早く助けに行かなければ」
獅子王一葉「動けない体でどうしようというのです」
アテナ「しかし」
獅子王一葉「蜘蛛丸家の行動は不可解すぎます。 用心しなければいけません」
アテナ「不可解?」
獅子王一葉「ええ、わたくしを殺そうとするなんて・・・。彼らが欲している宝刀は、わたくしにしか扱えないのに」
アテナ「その宝刀とは、いったいなんなのです?」
獅子王一葉「抜けば大いなる力を得られるといわれています。この刀を使って、蜘蛛丸家は国を支配するつもりなのです」
アテナ「・・・蜘蛛丸家の目的が変わったということですか?」
獅子王一葉「わかりません。刺客が『本物の一葉』と言っていたのも気になります。もしかすると──」
アテナ「御主人(マスター)が『偽物の一葉』だということに気付いた!?」
獅子王一葉「はい」
アテナ「ならば一刻も早く対策を考えなければ!」
獅子王一葉「わたくしに任せてください。 みこ殿は必ず助け出します」
アテナ「・・・貴方が?」
獅子王一葉「ええ。さあ、手当が終わりましたよ」
  アテナはミイラのように布でぐるぐる巻きにされていた。
アテナ「これは・・・」
獅子王一葉「少し不格好になってしまいましたが・・・きっとこれで回復が早くなります」
アテナ「・・・あ、ありがとうございます」

〇屋敷の門

〇古風な和室(小物無し)
高原みこ「これ知ってる! 花嫁さんの服だ」
蜘蛛丸要「そう、これから君は『獅子王一葉』として俺の花嫁になるんだ」
高原みこ「えっ、なんで!? そんなのやだよ~!」
蜘蛛丸要「ならないとみこが危険なんだよ。 悪田って男に殺されちゃうよ」
高原みこ「そうなの!?」
蜘蛛丸要「祝言の間、黙っていれば大丈夫だよ、安心して」
高原みこ「う~、わかった。 それじゃ私、花嫁さんになる!」

〇屋敷の大広間
  大広間に蜘蛛丸家の家臣が勢ぞろいした。
悪田「それではこれより三献の儀(さんこんのぎ)に移らせていただきます」
悪田「坊ちゃま、一葉様は盃をお手に」
高原みこ「くんくん、これ・・・お酒?」
蜘蛛丸要「俺の真似をして飲んで。 これがすめば終わりだから」
高原みこ「飲んでいいのかな・・・警察に逮捕されない?」
侍「大変です! 本物の獅子王一葉だと名乗る女が訪ねてまいりました!」
蜘蛛丸要「!」
悪田「質の悪い悪戯を本気にするでない。 一葉様はここにいるだろう」
侍「し、しかしその女、宝刀を持っているのでございます」
悪田「何!?」

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