〇学校の校舎
教頭先生「学校周辺・・・問題なし」

〇校長室
教頭先生「来賓のお迎え準備・・・問題なし」

〇体育館の舞台
教頭先生「会場設営・・・問題なし」
教頭先生「撮影準備・・・問題なし」
教頭先生「その他備品等・・・抜かりなし」

〇黒背景
教頭先生「これで卒業式は恙なく行えるだろう」
教頭先生「生徒達の門出の日だから 瑕疵はあってはならないからな」

〇体育館の舞台
　　── 卒業式 開始時間 ──
司会者「・・・それでは」
司会者「卒業生の皆様がご入場なされます」
司会者「皆様、ご起立の上、拍手でお迎えください」

〇黒背景
結女先生（ええと、司会者が「入場」って言った後に）
結女先生（弾き始めるんだよね・・・）
結女先生（曲は「仰げば尊し」）
結女先生（明るく楽しく、思い切ったアレンジを）
結女先生「よし！」

〇体育館の舞台
司会者「卒業生、入場！」

〇黒背景
　　（結女先生演奏中）
「馬鹿野郎！」

〇体育館の舞台
結女先生「・・・うぐっ、後頭部が」
結女先生「・・・殴られた？」
教頭先生「お前、この大事な式で ホンワカパッパしやがってー」
結女先生「えっ、私、ちゃんと・・・」
教頭先生「黙れッ、いいから外に行くぞ！」
結女先生「・・・えっ、ちょっと」
教頭先生「その、ホンワカパッパな頭を キッチリとホンワカパッパしてやるから」
結女先生「えーっ、やめてくださいー！」
卒業生「今の曲って「アレ」だよな・・・」
？？？「ええと、あの大阪のヤツだよね？」
卒業生「じゃあ、これから教頭と結女先生で 乳首ドリルでもしてくれんの？」
卒業生「・・・ていうか、 俺ら、このまま入場してええんか？」

〇体育館の舞台
　　この卒業式は、学校の黒歴史として　
　　以降ずっと語り継がれることとなった
　　もちろん、この惨状をDVDで　　　　　
　　発売されることもなかったという・・・
　　──　完　──
教頭先生「・・・って、このまま終わってたまるかー」
教頭先生「これ、全てお前のせいだからなー！」
結女先生「えー、どうしてですかー・・・」
　　次年度以降、この学校で　　　　　　
　　２人の姿を見ることは無かったという
　　卒業生と、この２人の先生の未来に
　　幸あらんことを
　　今後こそ、本当に
　　──　終劇　──