魔法少女は眠らない

夜缶

第七夜:壊れゆく日常(脚本)

魔法少女は眠らない

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〇教室
  昨日の一件から
  私は松井君と──
七瀬楓「ま、松井君・・・」
七瀬楓「あっ・・・」
  どうにも気まずくなって
  話すことができていない

〇教室
  同時に
  周りの人間から
  何故か頼られるようになった
  最初は戸惑ったけど
  徐々に慣れてきた
  ・・・
  それでも・・・
  やっぱり──
  違和感はあった

〇学校の廊下
先生「それじゃ七瀬さん」
先生「書類の方よろしくね」
七瀬楓「分かりました」
七瀬楓「よし」

  カエデ・・・・・・!

〇学校の廊下

〇学校の廊下

〇学校のトイレ
???「おえぇ・・・!!」

〇個室のトイレ
松井優斗「う──」
松井優斗「おえぇぇ・・・!!」
松井優斗「・・・ハハ」
松井優斗「やべぇな俺・・・」

〇学校の屋上
七瀬楓(何か疲れちゃったなぁ)
七瀬楓(学校って)
七瀬楓(こんなに疲れるものだっけ)
???「七瀬さん」
七瀬楓「誰っ!?」
メルン「どうも」
七瀬楓「メ、メルンさん!?」
七瀬楓「どうして・・・」
七瀬楓「というかここ学校ですよっ!?」
メルン「えぇそうですね」
七瀬楓「そうですねって・・・」
七瀬楓「どうやってここに・・・!?」
メルン「別にいいじゃないですか」
七瀬楓「別にって」
七瀬楓「よくないんですけど・・・」
メルン「どうしたんですか」
メルン「ため息なんかついて」
七瀬楓「・・・」
七瀬楓「疲れてるんです」
メルン「・・・へぇ」
メルン「それは気の毒ですねぇ」
七瀬楓「メルンさんこそ」
七瀬楓「何しに来たんですか・・・」
メルン「えぇ」
メルン「忘れ物を届けに」
七瀬楓「忘れ物?」
七瀬楓「あっ・・・!」
メルン「拾っておきましたよ」
七瀬楓「ありがとうございます・・・」
メルン「もしかして忘れてました?」
七瀬楓「す、すみません」
メルン「まぁ私はいいんですがね」
メルン「そんなに疲れてたんですか?」
七瀬楓「はい・・・」
メルン「・・・クハッ」
メルン「そうですねぇ」
メルン「せっかくなんで」
メルン「カードについて改めて」
メルン「説明しましょうかね」

メルン「貴方に渡したカードは3枚でしたね」
メルン「最初に貴方が使ったのは──」
メルン「『ガンナー』のカードでしたね」
メルン「総合的な評価でいえば、一番強いカードです」
メルン「何せ遠距離攻撃ができるんですもの」
メルン「そして次のカードは──」
メルン「『フェアリー』でしたかね」
メルン「3枚のカードの中では一番──」
メルン「弱いカードですねぇ」
メルン「まぁ強いて言えば」
メルン「空を飛べるのはメリットですね」
メルン「そして最後のカード──」
メルン「『ヴァンパイア』でしたね」
メルン「近距離での戦闘に秀でていますが」
メルン「自我を失ってしまうのが難点ですねぇ」
メルン「太陽の光が落ちていった時間か」
メルン「あるいは誰かの血を吸うと」
メルン「そうなってしまいますねぇ」
メルン「あぁ実はですねぇ」
メルン「それぞれのカードにはテーマがあるんですよ」
メルン「今紹介したヴァンパイアはずばり」
メルン「【色】ですね」
メルン「人というのは【色】に翻弄されるものです」
メルン「それに溺れれば」
メルン「理性なんて無くなっちゃいますよ」
メルン「フェアリーは【自由】ですね」
メルン「純真無垢でどこにでも飛んでいく」
メルン「ただ、それ故に非力です」
メルン「誰かが下手に触れれば」
メルン「落ちてしまいます」
メルン「転がり続けるのでしょうね」
メルン「無邪気な子どものように」
メルン「そしてガンナーはずばり」
メルン「【破壊】です」
メルン「物体も」
メルン「動物も」
メルン「もちろん人間も」
メルン「破壊しつくすのですよ」
メルン「そしてこれらのカードの共通点」
メルン「実はあるんですよねぇ」
メルン「それはやはり──」
メルン「【欲望】ですよ」
メルン「そして何もかも」
メルン「『消滅』へと導く能力」
メルン「人間というのはどの生き物よりも」
メルン「【強欲】なものなんですよねぇ」
メルン「いやはや何とも」
メルン「業の深いことです」

〇学校の屋上
メルン「以上がカードの説明でした」
メルン「ご清聴ありがとうございます」
七瀬楓「メルンさん」
メルン「何でしょうか」
七瀬楓「その格好・・・」
七瀬楓「暑くないですか」
メルン「話聴いてました?」
メルン「まぁ確かに」
メルン「『貴方』が聴く必要もないですね」
七瀬楓「へ?」
メルン「いえ別に」
七瀬楓「すみません」
七瀬楓「気持ち的に集中できなくて・・・」
メルン「そうですか」
メルン「眠いなら・・・」
メルン「いい眠気覚ましになりますねぇ」
七瀬楓「・・・はい?」
七瀬楓「さっきから言ってる意味が──」
七瀬楓「い、今のって・・・!?」
メルン「気になるなら」
メルン「確かめてみたらどうです?」
メルン「魔法の杖、ありますよね?」
七瀬楓「変身っ!!」
メルン「・・・クフッ」

〇空
フェアリー(まさかあの怪物が)
フェアリー(学校に──)
フェアリー(えっ・・・!?)
フェアリー(嘘でしょっ!?)
フェアリー(何で──)

〇白い校舎

〇空
フェアリー「学校中にっ・・・!?」

〇線路沿いの道

  マツイ・・・・・・!!

〇線路沿いの道
松井優斗(・・・病んでるのかな)
松井優斗(俺・・・・・・)

次のエピソード:第八夜:踊り狂いましょう

コメント

  • これまでの「朗らかな高校生活という日常」に「変身し怪物とバトルする不穏な非日常」が時折挿し込まれるという展開から、「非日常」要素が徐々に膨張していく空気を感じます😢 この滑らかに膨張する不穏さが、以降のストーリーを占めていく予感を抱かずにはいられず、恐怖感を感じてしまいます😨

  • あんなにマイペースだった松井くんが参ってるみたいで心配ですね😥
    怪物出現のトリガーは何なのかな。単純に、メルンさんの仕業?それとも条件があるのか……
    欲。わたしは圧倒的に食欲ですね!

  • ふむふむ。欲ですか。成る程、これがタグにある、鬱展開とか胸糞に繋がっていくのかな? と邪推しております。

    私の場合は食欲ですかね〜😆

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