夢見るうさぎと子守唄

ぐらっぱ

B面-1曲目 うさぎの国の夜想曲(脚本)

夢見るうさぎと子守唄

ぐらっぱ

今すぐ読む

夢見るうさぎと子守唄
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇地球
  ──惑星【α】──
  かつて無人だったその星に
  人類が移住してから数百年後
  2番目の大きさを誇る大陸の東端に
  小さな小国が誕生した
  その国の名は──

〇黒
  ──うさぎの国──

〇山の中
「そっちに行ったぞ!!」
警備兵「任せろぉ! 新人はそっちを」
新人「は、はい」
警備兵「やったぞ! 我々の大勝利だ」
新人「⋯⋯」
警備兵「どうした? もっと喜びたまへ」
新人「いや、これただの虫ですよね? そんな真剣にやる事なんですか?」
警備兵「ただの虫と侮るなかれ! それにこれは勅命である」
新人「はぁ⋯⋯?」
警備兵「まぁよい 戻ったら説明しよう まずは片付けだ」

〇黒

〇謁見の間
  ──うさぎ国 王室の間──
うさぎ国王「我々は他国とも友好関係を築き 貿易も行ってきた だが⋯⋯」
うさぎ国王「我が国は今後他国の交流を禁止する これは国民達を守る為の国策である」
うさぎ国王「それと最近、不審な虫も増えてきた これらは見つけ次第 即座に始末するように」
うさぎ国王「愛国心の高いお前達の活躍を 期待しているぞ」

〇黒

〇兵舎
警備兵「──で、陛下が言うには うさぎ以外は国外追放、と」
警備兵「特に擬態型虫類は注意らしい 他国または他惑星からの兵器の可能性とか」
警備兵「って、聞いてるかぁ? そこの新人!」
新人「は、はい! 聞いてます」
警備兵「まったく近頃の若者は ブツブツ⋯⋯」
新人「気をつけまーす」
警備兵「まぁいい とりあえず兎以外の侵入を止めてくれ それが重要な任務だ」
新人「でも、元々住んでいた人は? 鎖国前に兎以外の人達いましたよね それとペットは?」
警備兵「ペットは除外だ 元からいた連中はなぁ⋯⋯」
警備兵「強制的に立ち退きだー!」
新人「ええぇ⋯⋯」
警備兵「なーんてなぁ そっちは関わってないから どうなっているのかは知らん」
新人「そうなんですか」
警備兵「まぁ大体の人達は自主的に引っ越した と、聞いている。 我々が心配する事ではないさ」
新人「はい」
警備兵「我々の任務は兎以外全ての者どもから 我が国の侵入を阻止する事 それだけだ」
新人「はい」
警備兵「それでは、新人くん 今から庭掃除をしてきてくれ」
新人「はい ⋯⋯え?」

〇黒

〇霊園の駐車場
新人「ふぅ、大体片付いたかな まったく人使いが荒い」
新人「⋯⋯」
新人「周りに誰もいないな」
マリンバ「こちら『マリンバ』 無事に潜入できました」
無線からの声「気を付けろ、マリンバ うさぎ国の連中にバレるなよ」
マリンバ「大丈夫ですよ、先輩 ぼくがそんなヘマをすると思いますか?」
無線からの声「お前の事、信用しているぞ 成功を祈る」
マリンバ「⋯⋯」

〇芸術
マリンバ(2ヶ月前に我が国から盗まれた国宝 『蒼龍の卵』)
マリンバ(犯人が逃げたとしたら 逃走ルートから考えてこの国を通るはず 最短で宇宙空港に着くし)
マリンバ(そう思ったからこそ この国の国境警備隊に潜入したものの)
マリンバ(うさぎ以外の不審者がいれば 犯人の可能性もあるかとも思ったが 毎日毎日虫退治や失せ物探し)
マリンバ(まだ不審者に遭遇した事がない もしかしてヤツはもうこの国にいない? いや、そんな事はない)
マリンバ(ここに来るまで大変だった 変装したり この国で免許を取ったり⋯⋯)
マリンバ(今までの努力を無駄にしたくはない 自分の勘を信じよう 絶対、ヤツはここにいる!)
マリンバ(ヤツを捕まえるのはこのボクさ)
マリンバ(手柄を立てたら先輩だって認めてくれる)
マリンバ(『マリンバ素敵、惚れ直しちゃう』 なーんて言われるかも)
マリンバ(『結婚しましょう』 なんて言われる可能性も? ありえなくは、ない!)
マリンバ「どうしようかなー⋯⋯ えへ、えへへへ」

〇霊園の駐車場
警備兵「新人、何サボってるんだ そこの掃除が終わったら 次はトメさんちのペット探しだぞ」
マリンバ「は、はーい」

〇黒

〇西洋の市街地
マリンバ「ジョセフィーヌちゃんを捕まえましたよ」
トメさん「ありがとうございます よしよし怖かったわねー ジョセフィーヌちゃんもう安心よ」
マリンバ「見つかって良かったです それじゃ」
マリンバ「はぁ⋯⋯ 死ぬかと思った」
マリンバ「何が1人でもできる簡単な仕事だっ ワニなんて1人じゃ無理だろおー!」
マリンバ「まぁ、ぼくだから成し得た事ではあるが」
マリンバ「普通の人間なら喰い殺されてるぞ やれやれ⋯⋯」
マリンバ「そうだ、ぼくは優秀なんだ この調子で犯人も見つけてやる」
マリンバ「そして⋯⋯」
牛っぽい不審者「いってぇな」
マリンバ「わぁー!? す、すいません」
牛っぽい不審者「気を付けろよ まったく⋯⋯」
マリンバ「いけないいけない しっかりしないと」
マリンバ「しっかしなかなか不審者に遭遇しないな ヤツはどこにいるんだ⋯⋯」
紫人参「⋯⋯」
紫人参「アレどう見ても不審者だよなァ」

〇黒

〇簡素な部屋
マリンバ「ふぅ、今日は散々な日だった」

このエピソードを読むには
会員登録/ログインが必要です!
会員登録する(無料)

すでに登録済みの方はログイン

次のエピソード:追加曲1 ドライブ兎のアルペジオ

コメント

  • シーファが卵を盗んだ事。
    そしてGが大量発生した事。
    この2つが同時に起きていたという事は……。

  • うさぎの国の世界観が垣間見えて、為になりました🐰✨
    うさぎが可愛いからといって人身売買だなんて許しまじ🤬
    Gはいつの時代でも脅威なんですね😅
    蒼龍の卵を盗み出した犯人=シーファ(笑)
    マリンバとシーファ、実はすれ違っていましたね🤭
    ほんとシーファの真の目的はなんなんでしょう🤔?
    Gの大群に冷や冷やしながら続きを待ってます💦

成分キーワード

ページTOPへ