第2話 城の秘密(脚本)
〇草原の一軒家
チュロス「う・・・う~ん」
チュロス「あれ ここは?」
パンナコッタ姫「弱すぎるのう ガッカリじゃ」
パンナコッタ姫「伸びてるお主を ここまで運ぶの 難儀じゃった」
チュロス「バ バカヤロウ!」
チュロス「お前のせいで せっかくの飯が・・・」
チュロス「何も食ってないんだ 勝てっこないよ」
パンナコッタ姫「てめえのキャンタマ切り取って 喉元に押し込むぞ」
そういって姫は
深々と頭を下げる
パンナコッタ姫「弟子にしておじゃれ」
チュロス「意味がわからない・・・」
パンナコッタ姫「エッグ・シーフ殿であろう?」
チュロス「エッグ・シーフ なんだそれ?」
パンナコッタ姫「ドラゴンの卵を盗むという やはり本当にいたのじゃな」
チュロス(それって おとぎ話の?)
パンナコッタ姫「これで わらわはお前の弟子なるぞ」
チュロス(妙な話し方だな それに・・・)
チュロス(言ってることと やってることがバラバラだし)
パンナコッタ姫「ドラゴンはどこにおる? どうやって卵を盗むなり?」
チュロス「え!? そんなこと言われても」
パンナコッタ姫「教えぬのかや?」
チュロス「そんなもん 知るか!」
パンナコッタ姫「あっぱれ」
パンナコッタ姫「秘密じゃな!? 卵の場所は 簡単には教えられん 泥棒としての流儀であろう?」
チュロス「え?・・・ まあ そういうことだ」
パンナコッタ姫「さすがエッグ・シーフ殿 一流は違うのう!!」
チュロス(こいつ頭おかしいのか それとも?)
パンナコッタ姫「弟子 弟子 泥棒の弟子!!」
パンナコッタ姫「🎵踊り明かそう 踊り明かそう 夢の向こ~う 眠れぬ夜 魅惑の夜🎵」
チュロス(この優雅な身のこなし 妙な話し方・・・ 分かった!! こいつの正体は)
チュロス「お前 いや あなたは!!」
チュロス「お城に住む お姫さま──」
パンナコッタ姫「うううう」
チュロス「の 侍女だろう!?」
チュロス「姫の身の回りの世話をして そんな おかしな言葉遣いになったのだろ?」
パンナコッタ姫「ぶ 無礼な わらわは・・・」
〇要塞の廊下
シスター「ひい様 決して 身分を知られてはなりませんよ」
シスター「相手が盗賊となれば なおさらです 誘拐されるやも知れませんから」
シスター「決して 姫だと悟られぬように!!」
〇草原の一軒家
パンナコッタ姫「じじ 侍女じゃ! 断じて 断じて姫ではない!!」
チュロス「だろう? 姫はアンポンタンと聞いている」
パンナコッタ姫「アンポ・・・何かの呪文かや?」
チュロス「ガキでアンポンタン ポンコツで ドブスと聞いている」
パンナコッタ姫「な なんと それは・・・」
パンナコッタ姫(下々の言葉はよくわからんが きっと褒め言葉じゃろうな?)
姫は けなされた経験が無かった
チュロス「ガキ ガキ アンポンタン」
パンナコッタ姫「オホホホホホ それほどでも💦」
チュロス「ポンコツ ポンコツ ブスブス アンポンタン」
パンナコッタ姫「良きかな 良きかな ホホホホホ」
チュロス「城の女は ババァばかりと思ったが 若い子もいるんだな」
パンナコッタ姫「ババァ??」
チュロス「エッグ・シーフのことは秘密だぞ もしバラしたら・・・ ぶっ殺すからな」
パンナコッタ姫(あっぱれな 益荒男(男らしい)ぶり)
パンナコッタ姫(秘密 秘密 ステキな響き)
チュロス「泥棒試験をする それに合格したら 弟子にしてやる」
チュロス「侍女なら 城の抜け穴は詳しいのだろ?」
パンナコッタ姫「・・・・・・」
チュロス「まずは 城の財宝を盗む それが試験だ!!」
パンナコッタ姫「ええええええ」
〇洞窟の入口(看板無し)
チュロス「こんな所に抜け穴が」
パンナコッタ姫「わらべの頃 冒険ごっこをなして 見つけたのじゃ」
チュロス「小さい頃から 城で働いてるのか 苦労してるな」
パンナコッタ姫(まさか 城に戻るとは)
〇らせん階段
チュロス「お宝はどこだ?」
パンナコッタ姫「・・・・・・」
〇牢屋の扉
パンナコッタ姫「地下にこんな部屋が」
チュロスが 鍵穴から中を覗く
チュロス「これは・・・」
チュロス「行こう 見ない方が良い」
パンナコッタ姫「気になるでおじゃる 見たい 見たい!!」
チュロス「見るな! 中に居るのは・・・幽霊だ」
チュロス「お化け出るぞ 行こう」
震えて進む姫
〇地下室(血の跡あり)
チュロス「どこに財宝がある? 本当に城勤めしてたのか?」
チュロス「お前本当に侍女か? 怪しいな」
誤魔化して踊る姫
ステップで床石がへこむ
それは恐ろしい トラップだった
チュロス「踊るな! 床の仕掛けを踏んでるぞ」
慌てて動くと
さらに 床石を踏んでしまう
次々 発動するトラップ
チュロス「ワクワクすな!」
床が崩れてくる
チュロス「走れ」
姫が廊下を駆け抜けたところで
壁が塞がり チュロスは閉じ込められる
〇城の客室
家来「ネズミ捕りに ネズミが引っかかりました」
大臣「生きては帰れぬ地下の仕掛け 愚かなネズミだ」
〇地下室(血の跡あり)
閉じ込められたチュロス
何かが足に当たる
松明で足元を照らすと
チュロス「大勢の盗賊が ここで くたばったのか・・・」
〇城のゴミ捨て場
パンナコッタ姫「シーフ殿!!」
チュロス「扉を開ける仕掛けを探せ!! どこかにあるハズだ」
パンナコッタ姫「塵芥ばかりなり むつかしけり」
パンナコッタ姫「臭い~ 汚い さわれな~い!!」
チュロス「お姫様みたいなこと言うなよ」
チュロス「侍女だろ? 世話係だろ? 平気なハズだ!」
パンナコッタ姫「こんなの さわれな~い」
チュロス「お前・・・いや 君ならできる! 俺の命は 君しだい 助けてくれ!!」
パンナコッタ姫「うううう」
チュロス「弟子にしないぞ」
パンナコッタ姫「そんなの もういい〜」
チュロス「竜の卵はどうするんだ」
パンナコッタ姫「そうじゃ 父上の命が」
ゴミを搔き分けると
レバーが並んでいた
パンナコッタ姫「レバーが二つあるでおじゃる」
片方のレバーを引くと
〇地下室(血の跡あり)
ギリギリ壁に刺さっている
チュロス「ここ 殺す気か」
〇城のゴミ捨て場
チュロス「そっちじゃない もうひとつの方を引け!!」
パンナコッタ姫「無理じゃ レバーにうじゃうじゃ おるおるおる〜!!!!」
パンナコッタ姫「ヒィィ 動いておる動いておる」
パンナコッタ姫「もうやめたい」
チュロス「バカヤロウ 俺はどうなるんだ!!」
パンナコッタ姫「知るか バカヤロウ バカヤロウ」
すっかり 口の悪さが伝染している姫
その時
「ひい様」
目を凝らすと
パンナコッタ姫「ばば・・・ババァ」
〇草原の一軒家
パンナコッタ姫「ババァとは なんじゃ?」
チュロス「例えば 城のシスターかな クソババァって感じだろ?」
パンナコッタ姫「クソババァ・・・ 「偉い修道女」という意味かや?」
チュロス「ん・・・まあ そんなトコだな」
〇城のゴミ捨て場
パンナコッタ姫「良き所へ 助けよ クソババァ!!」
シスター「クク クソババァ・・・」
パンナコッタ姫「さっさとしくされ クソババァ」
シスター「ちょっとの間に すっかり口が悪くおなりで」
〇牢獄
チュロスは捕まっていた
大臣「アイツを呼べ 余興だ ネズミ退治じゃ」
笑い声を立て 立ち去る大臣
するとチュロスは 起き上がる
チュロス「かえって好都合だ」
チュロス「兄さん! どこだ兄さん!? 助けに来たぞ!!」
チュロス「閉じ込められてるんだろ?」
チュロス「いないのか? 財宝探しだって言って ここまで忍び込んだのに・・・」
〇黒
処刑人が牢へ
チュロスの命は?
シスターと再会した姫の運命は??
次回────────
まで待てない方のために
今回は特別サービス!
もう少しだけ続けましょう!!
〇牢獄
処刑人「・・・・・・」
牢の中はもぬけの殻だった
〇城壁
チュロス「助かったぜ ババァ」
パンナコッタ姫「恩にきるぞ ババァ」
シスター「オホホホホ・・・」
チュロス「さっさと逃げるぞ バカヤロウ!」
パンナコッタ姫「行くか バカヤロウ!」
シスター「つきあう相手は選んだ方が・・・」
チュロス「じゃあな 達者で クソババァ」
パンナコッタ姫「じゃあな 長生きしろ クソババァ」
シスター「下々の言葉に馴染み過ぎでは?」
シスターを無視して
湖へ飛び込む2人
〇黒
〇城壁
シスター「可愛い ひい様 あなたを地獄へ送るのは 少しお預けね」
シスター「まずは現世で 生き地獄をたっぷり味わいなさい」
シスターの笑いがこだました
シスター「クソババァと言った分も たっぷり生き地獄を! 忘れないからね!!」
〇水中
チュロス「ヤバい 体が動かない」
パンナコッタ姫「どうした!?」
チュロス「実はさっき 矢の1本が足に・・・」
チュロス「すぐに抜いたが どうやら毒が塗ってあったらしい 体がしびれて・・・」
パンナコッタ姫「バカヤロウ しっかりしろ」
チュロス「お前だけでも泳いで・・・」
パンナコッタ姫「わらわは泳げぬ 助けよ バカヤロウ」
チュロス「ハハハ 間抜けな2人・・・だな ゴボゴボゴボ」
〇黒
〇海岸の岩場
2人は人工呼吸で助けられた
パンナコッタ姫「う・・・うーん」
パンナコッタ姫「キス!?」
パンナコッタ姫「唇に感触・・・これがキス??」
側には チュロスが横たわっていた
パンナコッタ姫「シーフ殿が? 口移しで息を吹き込んだ?」
パンナコッタ姫「どどどどうしよう キスしてしまった!?」
王家の掟では
キスは結納
結婚しないといけない定めであった
パンナコッタ姫「ええ!! どどど泥棒と結婚!?」
チュロス「う・・・う〜ん」
チュロス「あれれ 生きてる?」
チュロス(唇にキスの感触 誰が息を吹き込んで・・・)
その時 チュロスは気づいた
岩陰からこちらを見ている視線に
チュロス(まさか あの子が? いや それとも・・・)
パンナコッタ姫「エッグ・シーフ殿・・・」
頬を赤らめて俯く姫
チュロス(彼女が?)
頭の中は 2人の女で一杯
チュロス(え? どっちとキスした!?)
チュロス(侍女か?)
チュロス(それとも こっちの女か?)
チュロス「どどど どっちなんだ」
パンナコッタ姫(シーフ殿と結婚!? どど どうしよう・・・)
エクレア「・・・・・・」
は~い! 本当に今回はここまで
3人目が現れ
益々 誤解と混乱が加速するよ~ん!!
次回 乞うご期待
追い込みますね!
本当に面白いですね。謎の女性で次回が楽しみです
次々と進んでいく展開に、目が離せませんでした!
ストーリーがめちゃくちゃ面白い上に、効果音やスチルの使い方がとても魅力的で、読んでいて面白く尚且つ参考になります!
姫っぽい要素も残りつつ一般人に染まってきたパンナコッタ姫と、新たなキャラクター……次回もとても楽しみです!
追記 面白いを重いと書いてしまっておりました。申し訳ございません。