転生憑依体質な僕の家族

無月公主

父さんが妊娠してしまいました。(脚本)

転生憑依体質な僕の家族

無月公主

今すぐ読む

転生憑依体質な僕の家族
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇大きいマンション
  数日後

〇おしゃれなキッチン
てちお(最近平和だなぁ)
父「てちお、おはよう」
てちお「おはよう父さん」
父「てちお、今日は・・・.・・・」
てちお「???」
父「うっ・・・・・・」
てちお「えっ!?」
父「おぇぇぇぇ・・・」
  突然、父さんは流し台に向かって嘔吐しだした。
てちお「父さん!?」
父「どうしよう・・・てちお」
てちお「どうしちゃったんだ?父さん」
父「おぇぇぇ・・・」
  僕はしばらくの間、父さんの背中をさすり続けた。

〇おしゃれなリビングダイニング
てちお「父さん、大丈夫?」
父「すまない、てちおに話しておかないといけない事があるんだ」
てちお「え!?何か悪い病気にでもかかってるの!?」
父「病気・・・とかじゃないんだ。 父さんな・・・」
てちお(病気じゃないなら、いったい・・・)
父「実は妊娠してるんだ」

〇教室
  気が付けば夕暮れになっていた。
  父さんからの説明は、異世界と現世では、時間の過ぎ方が違うらしい。異世界で母さんの妊娠が早まってしまい
  赤ちゃんの為に一度、現世に帰還した母さんは魔法で父さんのお腹の中に子供を移したらしい。
てちお(父さんが妊娠って、やっぱり普通じゃないよなぁ)
てちお(僕はどうしてあげたら良いんだろう)
小学校の先生「あら、神堕君。もう下校時間過ぎてるわよ?」
てちお「はい、もう帰ります」
小学校の先生「えぇ、そうしなさい」
てちお(そういえば、この先生。結婚してお子さんもいるんだっけ)
てちお「あの!先生!聞きたい事があるんですけど!」
小学校の先生「どうしたの?」
てちお「僕のお父さんが妊娠しちゃったんですけど・・・」
小学校の先生「お父さんが!?」
てちお「あ、いえ。間違えました。お母さんです」
小学校の先生「そ、そうよね。びっくりしたわ」
てちお「それで、どう接すれば良いか分からなくて・・・。何か、ご飯とかも気を付けないといけない事とか色々あるじゃないですか」
小学校の先生(この子は本当に小学生なのかしら。歴代担任からは神堕君の家は奇妙だって噂が絶えないのよね。噂通り不気味なくらい大人びてるし)
小学校の先生「ま、まぁそうね。ちなみに先生は妊娠中、アンモニア臭がダメだったわね。だから、ほとんどのご飯を戻してしまったわ」
てちお「アンモニア臭!?ほとんどの食品に微量だけど含まれてますよね? 先生、大変だったんですね」
小学校の先生(こいつ、ほんとに小学生かよ)
小学校の先生「え、えぇ。まぁ、相当大変だったわ。つわりって言うんだけどね」
てちお「つわり・・・」
小学校の先生「妊娠中ってね、女性ホルモンが普段よりも大量に分泌されて、匂いの感受性が高くなっちゃうの。それが悪阻に響くのよね」
小学校の先生(こんな難しい説明しても分からないわよね)
てちお「なるほど、先生ありがとうございます。帰って悪阻について色々調べてみます」
小学校の先生(え!?理解したの!? ほんとに??)
小学校の先生「えっ、えぇ。良かったわ。さ、もう帰りなさい」
てちお「はい、ありがとうございます。 さようなら先生」
小学校の先生「さようなら」
小学校の先生(ほんとに不気味ね)

〇大きいマンション

〇おしゃれなリビングダイニング
てちお「ただいまー」
  帰ってみれば、父さんがソファーでぐったりと横になっていた。
父「おかえり、てちお」
てちお「ただいま父さん。体調どう?大丈夫?」
父「うん。今はマシかな。それより、てちおが作ってくれた弁当、父さん食べられなかったんだ」
てちお「無理しなくて良いよ。妊娠中はアンモニア臭がする食べ物を受け付けないらしいからね」
父「どこでそれを知ったんだい?」
てちお「母さんが妊娠したって話をしたら、学校の先生が教えてくれたんだ」
父「そうか、うっ・・・また吐き気が・・・」
てちお「とにかく父さんは悪阻が落ち着くまで休んでて。僕、夕飯作るよ」

〇おしゃれなキッチン
てちお(まだまだ調べ足りないから、とりあえずフルーツを沢山買ってきた。それから今日はレモンで味付けできるようなものにしよう)
てちお(レモンに含まれるクエン酸がアンモニア臭を緩和するはずだ)

〇おしゃれなリビングダイニング
  しばらくして、僕はなるべくレモンで味付けした料理をお父さんに出した。
父「吐き気がこない。それどころか、とても食欲がそそられるよ」
てちお「そう、良かった。お腹が空いたら冷蔵庫の中にフルーツがあるから好きに食べてね」
父「すまないね。何から何まで」
てちお「あ、でも体が冷えるとダメだから、ほどほどにね」
父「分かったよ。てちおは頼りになるなぁ」

〇勉強机のある部屋
  寝る前に、僕は妊娠中に食べられるものを検索していた。
てちお「トマトとジャガイモは使えそうだ。 それにしても妊娠って難しいな。僕がしっかりしないと」
  突然目の前にダル姉が現れた。
てちお「ダル姉!?」
ダルク「てちおが困ってるって神様からお告げを受けたの」
てちお「それで戻ってきたの?」
ダルク「そうね。神はいつだって迷える子羊の元へ私を送るのよ」
てちお「だる姉・・・。丁度良かった」
ダルク「どうしたの?」
てちお「父さんが妊娠したんだ」

次のエピソード:兄嫁ができました。

ページTOPへ