警部 神爪強の事件ファイル

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【新】CASE1 (エピソード1①) 千錯万綜(せんさくばんそう)(脚本)

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〇警察署のロビー
佐原純「捜査一課・・・・・・捜査一課・・・・・・」
大木真菜「どうしたの?」
佐原純「あっいや・・・・・・捜査一課を探してて」
大木真菜「捜査一課なら2階の突き当りよ」
佐原純「ありがとうございます!」

〇オフィスのフロア
佐原純「本日付で捜査一課に配属になった佐原です!」
神爪強「神爪だ」
伊藤恵里「伊藤よ」
佐原純「よろしくお願いします!」
伊藤恵里「はい、わかりました」
神爪強「さっそくだが、いくぞ」
佐原純「はい!!」

〇オフィスビル前の道
  金塚フーズ──
伊藤恵里「被害者は葉花芳枝さん 36歳。金塚フーズ社員です。死因は屋上から転落したことによる出血死」
伊藤恵里「死亡推定時刻は昨日の10時頃です」
伊藤恵里「第一発見者は勝又紗英さんです」
勝又紗英「ここの道を歩いていたら女性が倒れていたんです。それで私・・・・・・」
神爪強「ちなみに昨日の夜は?」
勝又紗英「家にいましたよ」
神爪強「そうですか」

〇おしゃれな受付
神爪強「警視庁の神爪です」
伊藤恵里「同じく伊藤です」
神爪強「あなたは?」
日暮茜「日暮茜と言います」
神爪強「ここの社員・葉花さんが亡くなったことはご存知ですよね?」
日暮茜「はい」
伊藤恵里「事件のことで社長にお話をお伺いできますか?」
日暮茜「わ、わかりました!!」
  茜は電話をかけた。
神爪強「あなたは?」
浦井晴恵「浦井晴恵です」
日暮茜「浦井先輩は社長の秘書なんです」
神爪強「そうなんですね」
浦井晴恵「あっ社長室にご案内します。社長室にいると思うので」

〇個別オフィス
浦井晴恵「社長、警察の方が」
金塚昭一「お入りください」
神爪強「ここの社員の葉花芳枝さんが亡くなった件でお話を伺いたいのですが」
金塚昭一「えぇ。構いませんが」
神爪強「葉花さんが誰かと揉めたり、恨まれたり なにか心当たりは?」
金塚昭一「ありませんねぇ」
神爪強「そうですか」
伊藤恵里「ちなみに昨日の夜10時頃はどこに?」
金塚昭一「その時間なら家に帰って残ってる仕事をしてました」
神爪強「それを証明できる方は?」
金塚昭一「いませんが? 刑事さん、私を疑っているんですか? 仕事があるのでこれで失礼します」
神爪強「ありがとうございました」
神爪強「ちなみに日暮さんと浦井さん、昨日の10時頃はどこに?」
日暮茜「私は家に」
浦井晴恵「私もその時間は自宅に」
神爪強「そうですか・・・・・・」

〇大会議室
伊藤恵里「葉花さんの衣服から浦井晴恵の指紋が検出されました」
伊藤恵里「さらに犯行時刻の昨夜10時頃の防犯カメラに浦井晴恵の姿が」
神爪強「浦井晴恵を任意で取り調べよう」

〇綺麗な会議室
神爪強「浦井さん、あなた嘘をついていましたね?」
伊藤恵里「昨夜10時頃、金塚フーズ近くの防犯カメラの映像です。ここに映っているのはあなたですよね?」
浦井晴恵「・・・・・・これだけで私を犯人扱いするの?」
神爪強「葉花さんの衣服からあなたの指紋が検出されている」
浦井晴恵「・・・・・・」
  浦井晴恵は取り調べ室から逃走した──
神爪強「おい、ちょっと待て!!」

〇コインパーキング
浦井晴恵「ここまで来れば・・・・・・」
???「・・・・・・」

〇大会議室
佐原純「神爪さん、大変です」
神爪強「どうした!?」
佐原純「駐車場で浦井晴恵がご遺体で発見されました」

〇コインパーキング
神爪強「まさか浦井晴恵が殺されてしまうとは・・・・・・」
伊藤恵里「死因は後頭部をハンマーで殴られたことによる脳挫傷。死亡推定時刻は今日の午後4時頃です」

〇大会議室
伊藤恵里「浦井晴恵の父、橋上晴彦さんは金塚フーズで働いていたことが分かりました。さらに橋上さんは社長からパワハラを受けていたことが」
伊藤恵里「分かりました」
神爪強「橋上?」
伊藤恵里「浦井という苗字は偽名でした」
伊藤恵里「パワハラを受けていた橋上さんは20年前自殺しています」
佐原純「神爪さん、浦井晴恵の自宅のパソコンから金塚社長の殺害計画書が発見されました」
神爪強「浦井晴恵は父親がパワハラを受け自殺に追い込んだ金塚フーズに社長を殺害するため偽名で入社」
神爪強「その計画を知った葉花さんが殺害されたということなのか・・・・・・?」
伊藤恵里「その線で調べてみます。 あと、浦井晴恵には兄がいました」
伊藤恵里「橋上源一 45歳」
伊藤恵里「橋上源一には居酒屋で酒によって傷害事件を起こしたという前歴がありました」
伊藤恵里「橋上さんの指紋と浦井さん殺害に使われた凶器から検出された指紋が一致しました」
神爪強「まさか実の兄が妹を・・・・・・?」
佐原純「僕、シェアハウスに住んでるんですけど、 向かいが橋上ってお宅でそこから出てくる ところを見たことがあるんです」
佐原純「ほんの数回ですけど」
神爪強「橋上の自宅に向かおう──」

〇ボロい家の玄関
  ピーンポーン
神爪強「橋上さん、警視庁の神爪です」
伊藤恵里「応答がありませんね」
佐原純「鍵は開いています」

〇古いアパートの部屋
  部屋の中には男性が倒れていた──
神爪強「ダメだ。亡くなっている・・・・・・」
佐原純「橋上さんじゃないですね・・・・・・」
伊藤恵里「身元を示すようなものは無さそうね」

〇大会議室
伊藤恵里「ご遺体の身元がわかりました」
伊藤恵里「勝又悟さん 59歳 死因は首を絞められたことによる窒息死。 死亡推定時刻は昨日の11時頃と思われます」
神爪強「勝又・・・・・・」
伊藤恵里「金塚フーズの事件の、第一発見者 勝又紗英さんの父親です」
伊藤恵里「司法解剖の結果、勝又さんの胃の内容物は 大根、こんにゃくなどおでんと思われる食材でした」
神爪強「そうか・・・・・・」

〇マンションの共用廊下
  ピーンポーン
勝又紗英「刑事さん、どうかされましたか?」
神爪強「今日、とある家で男性が亡くなっているのが発見されたのですが・・・・・・」
伊藤恵里「その身元が、勝又悟さん あなたのお父さんと判明しました・・・・・・」
勝又紗英「えっ・・・・・・そんな父が・・・・・・」
神爪強「辛いところすみません。 お父さんに最後に会ったのは?」
勝又紗英「父とは1年前、喧嘩してしまって 会っていなかったんです」
神爪強「そうでしたか・・・・・・」
勝又紗英「刑事さん・・・・・・!! 父は殺されたんですか? 早く犯人捕まえてください・・・・・・!!」

〇大会議室
伊藤恵里「神爪さん、勝又さんが食べたおでんの出汁は市販で売っているものと成分が一致しました」
伊藤恵里「あと橋上さんがよく通っていたという、居酒屋近くの防犯カメラに居酒屋に入る勝又さんの姿が映っていました」
伊藤恵里「私はその居酒屋で話を聞いてきます」
神爪強「分かった」

〇大衆居酒屋
伊藤恵里「警視庁の伊藤です」
板崎創「刑事さんがなんの御用ですか?」
伊藤恵里「実は昨日、ここに来た勝又悟さんという方が今日、殺害されて発見されたんです」
伊藤恵里「ご存知ですか?」
板崎創「おでんを食べた方はたくさんいたので分かりませんね」
伊藤恵里「ここのおでんの出汁を少し分けてもらえますか?」
板崎創「まぁいいですけど」
伊藤恵里「ところで今日、大将は?」
板崎創「今買い出しに行っていて」
伊藤恵里「ちなみに昨日の11時頃、あなたはどこに?」
板崎創「ここで片付けを」
伊藤恵里「そうですか」

〇化学研究室
伊藤恵里「成分解析お願いします」
家相健「被害者の食べたおでんの出汁と 同じ成分です」
神爪強「じゃああの居酒屋は市販のものを売っているのか・・・・・・!?」

〇黒
???「ハァハァハァ・・・・・・」
  続く──

次のエピソード:CASE2(エピソード1後編) 急転直下(きゅうてんちょっか)

コメント

  • 自殺したとされる女性の背後に沢山の人のつながりがあぶり出されて、読みながらワクワクしてきます。神爪さんは転勤そうそう、すごい事件の担当になりましたね。続きが本当に楽しみです!

  • 次から次へと発生する事件、同一犯による一連のものの気配がしていますが、犯人はアノ人かも!って感じで読み進めています。今後の展開が楽しみです。

  • なかなかシリアスなストーリーでした。警察官の洞察力と長年の経験がものをいう展開が好きです。犯人の特定に様々な聞き込みは必要ですね。

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