第二話番外編 プロフェッショナル・古野による飼い主分析(脚本)
〇黒
こちらは本編第2話の
サイドストーリーです。
予め第2話をお読み頂くことを
お勧めいたします。
Are you Ready?
〇ペットショップの店内
8月12日 20:49
渋谷区 ペットホテル『IKU』
私、古野 育美(39)
過去21年間、ペットシッターとして
良きご縁に恵まれてきました。
今年もこの子達のお世話のため
お盆は帰れませんが、
どうかおばあちゃん、
お空で見守っていてください。
「ごめんください」
古野 育美「はーい、いらっしゃいま⋯」
古野 育美「は!?」
古野 育美「裸(ラ)──ッ!?!?!?!?」
古野 育美(あばばばば・・・不審者!!)
古野 育美(早く! 警察に通報を──!!)
古野 育美「え!?」
古野 育美(この人(?)、まさか⋯)
この子の飼い主さん──!?
古野 育美(いやだ、私たら⋯ これしきの珍事で取り乱して⋯)
古野 育美(そうよ、動物好きに悪人なし)
(見た目に惑わされないで)
(冷静に相手の心のうちを探るの)
古野 育美(今までを思い出して──?)
〇学校の廊下
中学の時、いつも私に
噛みついてきたあの子も──
誰彼構わず吠え立てる
チワワちゃんと一緒
ナメられたくなかっただけ
何も言わず、
引っ越してしまった彼も──
死期を悟り、飼い主の前から
姿を消す猫ちゃんと同じで──
彼なりのプライドや
思いやりがあったのかも知れない
〇ペットショップの店内
古野 育美(そう、ペットに置き換えれば 人の気持ちは分かる!)
古野 育美(だから──)
お見せください!
例えさせてください!
お客様の秘めたる思いを──
〇新緑
古野 育美「こ⋯このイメージは ⋯森?」
古野 育美「お客様はどこ?」
古野 育美「そ⋯そんな⋯」
古野 育美「『野生動物』だなんて──!」
古野 育美「美しくも、人を寄せ付けない 孤高のオーラ⋯」
古野 育美「無理よ、こんなの──」
古野 育美「いちペットシッターの手に 負えるワケないじゃないッッ!!!」
ネイキッド・N・ヌーディック「あの──」
〇ペットショップの店内
ネイキッド・N・ヌーディック「夜分に不躾な格好で 申し訳ありません⋯」
古野 育美「え?」
ネイキッド・N・ヌーディック「差し支えなければ、3日間⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「3日間、彼を⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「──ッ」
古野 育美(私は彼の、何を見ていたのか⋯)
古野 育美「⋯」
〇牢獄
深い悲しみに囚われつつも
純粋で優しいこの眼差し──
彼は人を避けているんじゃない
過去に怯え、躊躇しているだけ
そう、
長年にわたる虐待から
保護されたばかりの犬のように──
〇ペットショップの店内
古野 育美「どうぞお使いください」
古野 育美「中でプランをご案内します」
古野 育美「デバ様のことは私どもにお任せださい」
角下 イノ 「さっさと車に戻りますよ!」
古野 育美「⋯あの──」
古野 育美「プラン外ですが、 ご連絡先をいただけたら、」
古野 育美「デバ様のご様子を動画で──」
角下 イノ 「いい加減にしてください! 皆を守るんでしょう!?」
ネイキッド・N・ヌーディック「⋯」
ネイキッド・N・ヌーディック「行きましょう」
古野 育美(あぁ──)
彼は今、檻から一歩
踏み出そうとしているのね
古野 育美(私が手を出すべきではないわ)
古野 育美「どうぞ、お気をつけて」
古野 育美「⋯」
古野 育美「え? 『ワイらの友情パワーは無敵』?」
古野 育美「フフ、そうなの? じゃ、心配ないわね」
古野 育美「遠く離れていても、繋がっている 支えになれる」
古野 育美「それが『縁』だものね──」
通報せずに思い直せる古野さん……
そっとタオルを手渡す古野さん……
いい人😂
デバくんも安心ですね!
不躾な恰好すぎるんですよね……ネイキッド
自分でそれを言うのか😂
ペットショップのお姉さんから見るとネイキッドは孤高の野生動物でもあり、保護犬でもあるんですね。
3日とはいえ、一緒に暮らしてるペットと離れることは心配でしょうがないのでしょうね、きっと。
裸(ラ)という反応に、よかった全裸は普通という世界ではないんだという謎の安堵を感じました😊
彼のナニを見ていたのでしょうか、と若干気になってしまいましたが、
古野さんの動物に対する能力が何気に凄い。
イメージを読み取ったりペットと会話できたり実は能力者……!?