恐怖の北極氷河 ⅸ(脚本)
〇学校の廊下
生瀬涼子(北極くん・・・ 今日一日、授業に出てなかったな・・・)
生瀬涼子(どうしたんだろう・・・)
涼子・・・
生瀬涼子「・・・・・・!」
矢田玲奈「ごめん・・・私、 ちょっと具合悪くてさ・・・」
矢田玲奈「保健室寄ってから帰るから・・・ 先に帰ってて良いよ・・・」
生瀬涼子「え・・・?」
生瀬涼子「大丈夫・・・? 私も行こうか・・・?」
矢田玲奈「大丈夫だから・・・!」
矢田玲奈「・・・・・・」
生瀬涼子「う、うん・・・分かった・・・」
矢田玲奈「・・・・・・」
〇教室
矢田玲奈「許さない・・・北極氷河・・・」
矢田玲奈「涼子を取られるくらいなら・・・」
矢田玲奈「はぁ・・・はぁ・・・!!」
矢田玲奈「わ、私があいつを・・・」
矢田玲奈「う、うぅ・・・!!」
矢田玲奈「私があいつを・・・殺してやる・・・!!」
〇学校の廊下
生瀬涼子(玲奈・・・様子がおかしかったし・・・)
生瀬涼子(やっぱり、放っておけないよ・・・!!)
〇教室
矢田玲奈「え・・・?」
生瀬涼子「・・・・・・」
生瀬涼子「れ、玲奈・・・?」
生瀬涼子「その、ナイフ・・・何・・・?」
矢田玲奈(み、見られた・・・!?)
矢田玲奈(涼子に、見られた・・・!? な、なんで・・・!? 戻って来るなんて・・・)
矢田玲奈(ど、どうしよう・・・!! どうすればいいの・・・!?)
生瀬涼子「れ、玲奈・・・?」
矢田玲奈「りょ、涼子・・・」
矢田玲奈「私のこと、好き・・・?」
生瀬涼子「え・・・?」
矢田玲奈「ねぇ・・・好きって言ってよ・・・」
矢田玲奈「ねぇ・・・!?」
生瀬涼子「ひっ・・・!?」
矢田玲奈「言ってくれないと、私・・・」
矢田玲奈「もう、どうしたら良いのか、 分からないよ・・・!」
〇大きな木のある校舎
〇広い屋上
北極氷河「な・・・」
北極氷河「なんだ・・・あれは・・・!?」
矢田玲奈「北極・・・氷河ァ・・・!!」
矢田玲奈「お前を・・・殺す・・・!!」
北極氷河(あれが・・・矢田玲奈なのか・・・!?)
北極氷河(まるで、憎悪そのものみたいだ・・・!!)
矢田玲奈「・・・・・・」
北極氷河「な・・・!?」
北極氷河「くっ・・・!!」
北極氷河(なんとか、ギリギリ躱せたが・・・!!)
北極氷河(あいつ・・・!! 本気で俺を・・・)
北極氷河(殺そうとしている・・・!!)
矢田玲奈「伝わって来る・・・」
北極氷河「・・・・・・!!」
矢田玲奈「矢田玲奈の、悲しみが・・・ 憎悪が・・・愛が・・・苦しみが・・・」
矢田玲奈「なんて、苦しい・・・なんて、辛い・・・」
矢田玲奈「北極氷河・・・お前に分かるか・・・?」
矢田玲奈「好きな相手に、振り向いてもらえない・・・ その苦痛が・・・お前に分かるか・・・?」
矢田玲奈「なんの苦労もせず・・・ 初めから涼子に好かれているお前には・・・」
矢田玲奈「分からないだろうなァ・・・!!」
北極氷河「うわぁッ・・・!?」
北極氷河「くぅッ・・・!!」
北極氷河(こんな攻撃・・・ 全部避けるのは無理だ・・・!!)
北極氷河(このままじゃ、本当に・・・)
北極氷河(こ・・・殺される・・・!!)
矢田玲奈「・・・・・・」
矢田玲奈「やはり、お前は弱い・・・」
矢田玲奈「涼子に見せてやりたかったよ・・・」
矢田玲奈「だけど、もう遅い・・・何もかも・・・」
矢田玲奈「虚しいなァ・・・ 私には、もう何もないんだ・・・」
矢田玲奈「だから・・・せめて・・・」
矢田玲奈「お前は・・・死ねよ・・・」
〇黒背景
氷河くん、ごめんなさい・・・
〇広い屋上
生瀬涼子「うっ・・・!!」
生瀬涼子「私には、これが精一杯で・・・」
北極氷河「い・・・生き霊さん・・・!!」
生瀬涼子「はぁ・・・はぁ・・・」
北極氷河「そ・・・そんな・・・」
北極氷河「嘘だ・・・こんなの・・・!!」
矢田玲奈「りょ・・・涼子・・・!?」
矢田玲奈「あ・・・あぁ・・・」
矢田玲奈「私は・・・私は・・・!!」
〇教室
生瀬涼子「うぅ・・・ッ!!」
矢田玲奈「はぁ・・・はぁ・・・ッ!!」
生瀬涼子「れ・・・玲奈・・・」
矢田玲奈「私・・・私は・・・!!」
矢田玲奈「ううううう・・・ッ!!」
〇広い屋上
生瀬涼子「ふふ・・・♡ 氷河くん、 そんな顔しないでください・・・」
生瀬涼子「私は、ただの・・・生き霊ですから・・・」
生瀬涼子「はぁ・・・はぁ・・・」
生瀬涼子「あ、あなたには・・・ 生瀬涼子が・・・いるじゃないですか・・・」
北極氷河「・・・・・・」
北極氷河「い、今さら・・・」
北極氷河「今さら・・・遅いかもしれませんが・・・」
北極氷河「俺にとっては・・・生き霊さんも・・・」
北極氷河「生瀬涼子・・・なんですよ・・・!!」
生瀬涼子「ふふ・・・♡ ありがとう・・・」
生瀬涼子「それが聞けて・・・本当に嬉しいです・・・」
生瀬涼子「氷河くんと・・・一緒にいられて・・・」
生瀬涼子「本当に・・・楽しかった・・・」
生瀬涼子「あの子とも・・・遊園地に・・・ 行ってあげてくださいね・・・?」
生瀬涼子「私にとっての、最高の思い出・・・」
生瀬涼子「です・・・から・・・」
北極氷河「・・・・・・!!」
矢田玲奈「はぁ・・・はぁ・・・!!」
矢田玲奈「フフフ・・・!!」
矢田玲奈「フハハハハ・・・!!」
矢田玲奈「北極氷河・・・まだ・・・ 生き霊と本体の区別が付かないのか・・・」
矢田玲奈「私達は・・・しょせん生き霊だ・・・」
矢田玲奈「存在してようが・・・消えようが・・・」
矢田玲奈「そんなの・・・」
矢田玲奈「どうでもいいんだよ・・・!!」
北極氷河「・・・・・・」
矢田玲奈「な・・・」
矢田玲奈「な、なんだ・・・それは・・・?」
北極氷河「わざわざ・・・聞く必要があるのか・・・?」
北極氷河「どうでもいいと言ったのは・・・ お前だろう・・・?」
矢田玲奈「ほ、北極氷河の・・・生き霊・・・!?」
北極氷河「お前の言っていたこと・・・ 俺にだって・・・分かる・・・」
矢田玲奈「・・・・・・!?」
北極氷河「素直になれなければ、 まともに会話することも出来ない・・・」
北極氷河「素直になれなければ、 手を差し伸べられても気付けない・・・」
北極氷河「俺は・・・怖い・・・」
北極氷河「恋をするのが、俺は怖い・・・!!」
矢田玲奈「な・・・何を訳の分からないことを・・・!?」
北極氷河「お前だって、怖いんだろう・・・?」
北極氷河「だからそんなに、苦しんでいる・・・」
矢田玲奈「う・・・うるさい・・・」
北極氷河「怖いから、本当の気持ちを 伝えられないんだろう・・・?」
矢田玲奈「う、うるさい・・・ うるさい・・・!! うるさい・・・!!」
北極氷河「誰だって同じだ・・・ みんな怖いんだよ・・・!!」
矢田玲奈「うるさいッ!! 黙れえええええッ!!」
北極氷河「うおおおおおおおッ!!」
矢田玲奈「ぐあああああああッ!?」
矢田玲奈「北極・・・氷河ァ・・・!!」
矢田玲奈「許さない・・・許さない・・・」
矢田玲奈「殺して・・・や・・・る・・・」
〇教室
矢田玲奈「はぁ・・・はぁ・・・ッ」
矢田玲奈「涼子・・・私は・・・!!」
矢田玲奈(終わった・・・!! 涼子を斬り付けて・・・ 本当のことを言ってしまって・・・!!)
矢田玲奈(もう、引き返せないよ・・・!!)
生瀬涼子「はぁ・・・はぁ・・・」
矢田玲奈(涼子・・・あんなに、血が・・・!!)
生瀬涼子「ふぅ・・・」
生瀬涼子「好きだよ・・・玲奈・・・」
矢田玲奈「えっ・・・!?」
生瀬涼子「私は・・・玲奈が・・・ 大事な友達として、好き・・・」
生瀬涼子「そして・・・」
生瀬涼子「北極氷河くんは、 異性として、好きなんです・・・」
矢田玲奈「うぅ・・・ッ!!」
矢田玲奈「ううううう・・・!!」
矢田玲奈「うわああああああああっ!!」
生瀬涼子「ごめん・・・! ごめんね、玲奈・・・」
矢田玲奈「ううううう・・・!! うああああああッ!!」
〇大きな木のある校舎
修羅場のシリアスシーン、バトルシーン、とっても胸に響きました!これはもう感涙モノです!
ええっ、生瀬さんの生き霊さん……
お互いに感情を吐露した果ての決着…凄く良かったです☺