四季は悪戯に過ぎていく

Akiyu

エピソード1(脚本)

四季は悪戯に過ぎていく

Akiyu

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〇おしゃれなリビングダイニング
実川浩紀「・・・何やってんだ?」
実川四季「こたつを出してるの」
実川浩紀「なんで!?今夏だよ!?」
実川浩紀「ほら、外の音を聞いてみなよ!!」
実川浩紀「蝉鳴いてるよ!!」
実川四季「風情があって良いわね。夏って感じ」
実川浩紀「いやいや、だからさ!! そのこたつは、何なの!?」
実川四季「早くこたつ出すの手伝って」
実川浩紀「えええ・・・」
  僕は訳も分からず、猛暑であるこの季節に、こたつを出すのを手伝わされた。
実川浩紀「・・・で? なんでこたつ出してるの?」
実川四季「昨日買ってきたのよね。美味しそうなの見つけたわ」
実川浩紀「お、おい。どこ行くんだよ」
  彼女は冷蔵庫の方へと向かった。
実川浩紀「・・・蜜柑?」
実川四季「そう。夏蜜柑」
実川浩紀「・・・それで?」
実川四季「こたつに入って夏蜜柑を食べるの。夏って感じでしょ?」
実川浩紀「えええ・・・」
実川四季「うん。甘くておいしい」
実川四季「あなたもどう?食べない?」
実川浩紀「いや、いいよ」
実川浩紀(ああ、ついに彼女は夏の暑さで頭がおかしくなってしまったのだろうか・・・)
実川四季「あはははは。はははは」
実川浩紀(って、まあこういう子だもんな。 これが四季の平常運転だよな)
  僕は彼女に。
  四季にからかわれている。
実川四季「ねえ」
実川浩紀「ん?」
実川四季「夏蜜柑の花言葉って知ってる?」
実川浩紀「花言葉? そんなの知らないよ」
実川四季「あら。勉強不足ね」
実川浩紀「何?教えてよ」
実川四季「知識っていうのは、自分で調べた方が身につくのよ」
実川浩紀「んー、面倒くさいなあ」
実川浩紀「えーと・・・夏蜜柑・・・夏蜜柑・・・」
  花嫁の歓び
実川浩紀(なるほどね・・・)
実川浩紀「俺をからかって遊ぶのが君の歓びって事?」
実川四季「あはははは。そう!!」
  これが僕の愛する人。四季。
  クールビューティーな見た目と違い、いつもわざと奇妙な言動で僕を戸惑わせて笑っているのである。
  これが四季と結婚して、初めて迎えたある夏の日の出来事だ。

次のエピソード:エピソード2

コメント

  • 落ち着いた生活感と、イベントを起こそうとする心境、いかにも新婚夫婦という感じですねー! 新妻の悪戯に真剣に向き合う新夫、見ていてニヤニヤしてしまいますw

  • 日常の男女の何気ないやり取りって見ててニヤニヤします。
    自分も四季さんみたいな不思議な雰囲気のクールビューティにからかわれたい🥰

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