NO RYO!

ざとういち

恐怖の恋愛感情 ⅷ(脚本)

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〇大きな木のある校舎

〇黒背景

〇公衆トイレ
矢田玲奈「北極氷河・・・」
矢田玲奈「許さない・・・」
矢田玲奈「私から・・・」
矢田玲奈「涼子を奪うお前が・・・!!」
矢田玲奈「あいつさえ・・・いなければ・・・」
矢田玲奈「ふぅ・・・」
矢田玲奈「ようやく、思念が回復したか・・・」
矢田玲奈「涼子の生き霊は、 活動を再開しているのか・・・?」
矢田玲奈「奴を殺るなら・・・ 涼子が眠っている間に・・・」

〇体育館裏
矢田玲奈(北極・・・氷河・・・!!)
矢田玲奈(奴は1人か・・・!? それなら、今を逃す手はない・・・!!)
矢田玲奈(だが、落ち着け・・・)
矢田玲奈(涼子の生き霊はどこにいる・・・?)
矢田玲奈(涼子には、私の存在は 絶対に悟られてはならない・・・)
矢田玲奈(・・・・・・)
矢田玲奈(いない・・・!! 涼子は、まだ眠っている・・・!!)

〇階段の踊り場
矢田玲奈(あいつ・・・どこに行く気だ・・・?)
矢田玲奈(ふん・・・不良の行動に、 深い意味などありはしないか・・・)

〇広い屋上
北極氷河「ふぅ・・・」
矢田玲奈(ふん、屋上でサボりか・・・ 北極氷河、本当にくだらないな・・・)
矢田玲奈(だが、わざわざひと気のない場所に 来てくれたことには、感謝しないとな・・・)
矢田玲奈(フフフ・・・ようやく殺せる・・・!!)
矢田玲奈「死ねッ!! 北極氷河ァッ!!」
木ノ瀬和良「そこまでです・・・矢田玲奈・・・」
矢田玲奈「・・・・・・!?」
矢田玲奈「お・・・お前は・・・!!」
木ノ瀬和良「私の思念を、可能な限り お前に・・・流し込む・・・!!」
矢田玲奈「ぐ、ぐあああああああッ!!」
木ノ瀬和良「今です!! 北極氷河・・・!!」
北極氷河「はい・・・!!」
矢田玲奈「お前ら・・・!! 私を、嵌めやがったのか!?」
木ノ瀬和良「はぁ・・・はぁ・・・!」
木ノ瀬和良「生瀬涼子の生き霊が眠っている隙を、 逃すはずはないと思っていましたよ・・・!」
矢田玲奈「ぐッ・・・ふざけやがって・・・!!」
北極氷河「矢田玲奈・・・!!」
北極氷河「お前は、ここで終わりだッ!!」
北極氷河「うおおおおおおッ!!」
矢田玲奈「ぐ、ぐぅぅッ・・・!!」
矢田玲奈「北極、氷河ァ・・・!!」

〇大きな木のある校舎
  数時間前──

〇体育館の裏
北極氷河「ぐぅ・・・!!」
木ノ瀬和良「・・・・・・」
木ノ瀬和良「・・・ほう」
北極氷河(な、なんで俺は無傷なんだ・・・!?)
北極氷河(自分でも分からないが・・・ 今は木ノ瀬和良を・・・!!)
北極氷河「オ ラ ァ ッ !!」
木ノ瀬和良「うッ・・・!?」
木ノ瀬和良「生き霊に、攻撃を当てた・・・!?」
北極氷河「まだ動けるのか・・・!? それなら、もう一発・・・!!」
木ノ瀬和良「・・・・・・!!」
  もう十分です・・・
木ノ瀬和良「ありがとう・・・私の生き霊・・・」
北極氷河「え・・・?」
木ノ瀬和良「ふむ、やはり生き霊が見えるだけあって」
木ノ瀬和良「あなたには、なかなか 見込みがありそうですね・・・」
北極氷河「な、なんの話だ・・・!?」
北極氷河「散々、人のことを狙っておいて・・・!! 遊園地でも、生き霊さんを苦しめて・・・」
木ノ瀬和良「それ、私じゃないですよ」
北極氷河「・・・・・・」
北極氷河「・・・ん?」
木ノ瀬和良「あなたを襲っているのは、 私じゃないって言ってるんです」
木ノ瀬和良「だって、私には なんの動機もありませんから」
北極氷河「そ、そんな馬鹿な・・・!?」
北極氷河「だ、だって! こんなに怪しいのに!」
木ノ瀬和良「すみませんね・・・怪しくて・・・」
北極氷河「あ・・・い、いえ・・・ こちらこそ、すみません・・・」
北極氷河「じゃ、じゃあ、誰が俺達を 狙っているっていうんですか・・・!?」
木ノ瀬和良「あなたからは、ずっと生瀬涼子以外の 生き霊の気配を、微かに感じていました」
木ノ瀬和良「私は、その正体を追い続け、 ようやく、元凶へと辿り着いたのです」
北極氷河「げ・・・元凶・・・?」
木ノ瀬和良「・・・・・・」
木ノ瀬和良「矢田玲奈ですよ・・・ あなたと、同じクラスの・・・」
北極氷河「えっ・・・!?」
北極氷河「矢田さんって、 生瀬さんと仲の良い、あの・・・!?」
北極氷河「な、何故、矢田さんが・・・!?」
木ノ瀬和良「さぁ・・・? 何故かまでは知りませんよ・・・」
木ノ瀬和良「しかし、彼女の生き霊を、 あなたの周辺で目撃したのは事実です・・・」
木ノ瀬和良「まぁ・・・怪しい私を信用しないなら、 この話はここでおしまいにしますけど・・・」
北極氷河(ね、根に持たれている・・・!!)
北極氷河「本当にすみません・・・!! 信じます!! 信じますから・・・!!」
北極氷河「俺は、どうすればいいんですか・・・!?」
木ノ瀬和良「・・・・・・」
木ノ瀬和良「矢田玲奈は、生瀬涼子の生き霊には 姿を見せないように行動しているようです」
木ノ瀬和良「ですが、生瀬涼子が不在の今・・・ あなたを守る物は何もない・・・」
北極氷河「くっ・・・!」
木ノ瀬和良「・・・・・・」
木ノ瀬和良「逆に、そこを利用しましょう・・・」
木ノ瀬和良「幸い、矢田玲奈も、 今は休息に入っているようなので・・・」
木ノ瀬和良「殺されたくなければ、 こちらから、先に仕掛けるしかないですよ」
木ノ瀬和良「どうしますか・・・?」
北極氷河(俺は、こんなところで 死ぬ訳にはいかない・・・!)
北極氷河(生き霊さんのためにも・・・ 生瀬さんとの、未来のためにも・・・!)
北極氷河「分かりました・・・ こちらから、仕掛けましょう・・・!」
木ノ瀬和良「決まりですね・・・」
木ノ瀬和良「では、私の作戦をよく聞いてください・・・」
木ノ瀬和良「まず、あなたには 囮になってもらいます・・・」
北極氷河「お、囮ですか・・・!?」
木ノ瀬和良「矢田玲奈の生き霊にわざと隙を見せ、 ひと気のない場所へ逆に誘い込みます・・・」
木ノ瀬和良「そして、私の生き霊の思念を使い、 矢田玲奈の生き霊を弱らせます・・・」
木ノ瀬和良「それで倒せれば良いのですが・・・ 相手はかなり強い思念の持ち主です・・・ そう簡単には、倒せないでしょうね・・・」
木ノ瀬和良「そこで、あなたには 最後の一押しをしていただきます・・・」
北極氷河「俺が・・・?」
木ノ瀬和良「先程、見せてもらいましたが・・・ あなたには、霊体に触れられるほどの 霊感体質が宿っています・・・」
木ノ瀬和良「あそこまでの威力を出せるなら、 矢田玲奈を仕留められるはずです・・・」
北極氷河「・・・・・・」
木ノ瀬和良「もしかして、怖気付きましたか・・・?」
北極氷河「・・・・・・」
北極氷河「いえ・・・」
北極氷河「俺はもう、そういうのは 卒業しましたから・・・」
北極氷河「“特訓”してもらいましたので・・・」

〇広い屋上
北極氷河(矢田玲奈はかなり弱っている・・・!!)
北極氷河(俺の全身全霊の力を出し切れ・・・!! ここで必ず、あいつを倒す・・・!!)
矢田玲奈「北極氷河ァ・・・!!」
矢田玲奈「許さない・・・!! よくも、私を・・・!!」
矢田玲奈「殺してやるッ・・・!!」

〇大きな木のある校舎

〇大きな木のある校舎

〇広い屋上
矢田玲奈「グ、グぁッ・・・!!」
北極氷河「はぁ・・・はぁ・・・ッ!!」
北極氷河「・・・・・・ふぅ」
北極氷河「倒した・・・のか・・・?」
北極氷河(生き霊が相手だと・・・ 手応えもよく分からない・・・)
木ノ瀬和良「よく、やりましたね・・・」
北極氷河「木ノ瀬さん・・・!!」
木ノ瀬和良「矢田玲奈の姿が、徐々に薄れています・・・」
木ノ瀬和良「あれは、生き霊の思念が尽きた証拠・・・」
木ノ瀬和良「生き霊は、思念を使い果たせば、 もう二度と現れることはありません・・・」
木ノ瀬和良「あなたの、勝ちです・・・」
北極氷河「・・・・・・」
北極氷河(やりましたよ・・・ 生瀬さんの生き霊さん・・・!)

〇黒背景
  私は・・・消えるのか・・・?
  嫌だ・・・そんなの嫌だ・・・
  私は、涼子と一緒に・・・
  ずっと一緒に・・・
  いたいだけなのに・・・!!

〇学校の廊下
矢田玲奈「ほんと涼子って、 不良みたいな男好きだよね〜」
生瀬涼子「えぇ・・・そんな・・・ な、なんで分かるの・・・?」
矢田玲奈(分かるよ・・・昔からそういう アニメのキャラとか好きじゃん・・・)
矢田玲奈「で? 北極氷河のどこが好きなの・・・?」
生瀬涼子「え・・・そ、そんなの・・・ 恥ずかしくて・・・言えないよ・・・!」
矢田玲奈(そんな顔・・・ 私には見せてくれないのに・・・)
矢田玲奈(私だって、ずっとずっと・・・ 北極氷河と出会うより前から・・・)
矢田玲奈(涼子のことが・・・好きなのに・・・!!)
矢田玲奈「良いじゃん・・・ ちょっとくらい、教えてくれても」
生瀬涼子「え、えっと・・・えっと・・・」
生瀬涼子「つ、強い・・・ところ・・・?」
矢田玲奈(女の私じゃ、駄目なの・・・?)
矢田玲奈(強くないから・・・? 私が・・・弱いから・・・?)
矢田玲奈(何それ・・・?)
  憎い・・・北極氷河が・・・
  強いあいつが、好きだというなら・・・
  私があいつを、殺してやる・・・!!

〇広い屋上
木ノ瀬和良「雨も降ってきましたし・・・ 中に、入りましょうか・・・」
北極氷河「そうですね・・・」
木ノ瀬和良「うあ・・・ッ!?」
北極氷河「・・・・・・!?」
北極氷河「き、木ノ瀬さん・・・!!」
木ノ瀬和良「ま、まさか・・・」
木ノ瀬和良「あれで、倒せていないなんて・・・!?」
木ノ瀬和良「すみません・・・北極、氷河くん・・・」
北極氷河「そ・・・そんな・・・!!」
  北極・・・氷河ァ・・・!!
北極氷河「・・・・・・!!」
  許さない・・・! お前が憎い・・・!
  殺してやる・・・!!
  殺してやる・・・ッ!!
  殺 し て や る ッ !!

次のエピソード:恐怖の北極氷河 ⅸ

コメント

  • 玲奈さんが黒幕って分かりませんでした(笑)😂👍
    色んな恋心が絡み合って更に盛り上がってきましたね!

  • シリアスバトル展開まっしぐらですね!
    それにしても、この学校、生き霊持ちが3名と、それが見える氷河くん……かなりの割合だなーと思ってしまいましたw

  • い、いや…少なくともぼくは彼女が黒幕だと感づいていませんでした。まさか氷河が百合の間に挟まる主人公だったなんて…意外な展開にドキドキしています。
    親友(同性)が好きすぎて生霊を出しちゃうなんて考えてみれば一番強い生霊を出せそうな動機ですね!

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