コーティ 5番目の次元① ※一部 愛理栖 視点 (脚本)
〇空
「あ~今日も疲れた~。
明日も早いし、も~うんざりしちゃう」
私は阿頼耶識あらやしき 愛理栖ありす。竹馬ちくまの中学に通っています。
訳あって親元を離れ、おばさんの家に居候いそうろうしています。
〇一軒家
私には小さい頃からずっと片思いの好きな人がいるんです。
それは、ご近所のひかるお兄さんです。
〇女性の部屋
愛理栖「明日早いし、ちょっと早いけどお風呂入って寝よっかな」
愛理栖「あっ着信?」
愛理栖「もしもし・・・・・・」
「愛理栖ちゃん、聞きたい事あるんだけど!」
愛理栖「お兄さん・・・・・・ですか?」
「そうだよ」
愛理栖「市内の清掃活動の時に教えた番号、 覚えててくれたんですね」
愛理栖「お兄さんからかけてくるなんて初めてじゃないですか」
愛理栖「それにしても、すごく慌ててみえますが、 どうしたんですか?」
「僕の母さんが入院してる事、君はおばさんに聞いて知っているよね?」
愛理栖「入院?誰のことです?親戚のおばさんのことですか?」
「・・・・・・」
愛理栖「ちょっと~。お兄さん?聞いてます?」
愛理栖(お兄・・・さん)
〇クリニックのロビー
一方その頃、竹馬市内某アパート
僕はこの日仕事を早退し、
帰宅途中に母の病院に寄ったのだが・・・・・・。
病院の受付で食い下がる僕の姿が周りの人達には不審者としてみえたらしく
病室に入れないどころか、危うく通報されそうな事態となった。
〇本棚のある部屋
その後僕はしぶしぶ家路につき、ずっと考え事をしていた。
ひかる(やっぱりどう考えても変だ。母さんが消えて存在しない事になってる)
ひかる(冗談じゃない)
”消える?”
ふっと脳裏のうりにあの不思議な少女の姿がよぎった。
愛理栖(アリス)(『信じて!あなたが消えちゃうその前に・・・』)
ひかる「「そうだ! 確かあの時もらった名刺があったっけ」
ひかる(さっき電話した時に本人に聞けばよかったな)
名刺の裏には場所と時間が書かれていた。
宇宙の秘密を探す会
次回日程 4月24日(日) 18時より
ひかる「これって、今日じゃないか。しかも後1時間も無い」
ひかる(場所はなになに?長野駅近くの廃ビルか。 よし、すぐに行ってみよう)
僕は、獲物を狙う鷹たかのように真っ直ぐに廃ビルを目指した。
後になって思えば、
それが運命の分かれ道だったんだと思う。