第3話 過去の出会い(脚本)
〇古いアパートの部屋
須崎香奈「お母さん・・・・・・」
須崎香奈「・・・・・・今日もいない」
あたしの母は、いつも家にいなかった。
いつも男の人と遊びに行って・・・・・・
偶に帰ってきたかと思えば、酒を飲んで暴言を吐いた。
須崎香奈「お財布、こんなところに置いてないのに」
須崎香奈「またあたしの財布からお金抜いたんだ・・・・・・」
須崎香奈「・・・・・・大嫌い」
〇線路沿いの道
須崎香奈「ごめん・・・・・・有理乃に買ってもらった服、もうボロボロになっちゃった」
岡島有理乃「いいのいいの!服はまた買えばいいんだから」
有理乃も貧乏なのに、いつもあたしに優しくしてくれた
有理乃はあたしの唯一の友達だった。
須崎香奈「実は・・・・・・さ」
須崎香奈「・・・・・・あたし、今月ホントにヤバいんだよね」
須崎香奈「頑張って稼いでもお母さんが使っちゃうし・・・・・・」
須崎香奈「少しでいいから・・・・・・」
須崎香奈「貸してくれないかな?」
岡島有理乃「・・・・・・ごめん、それは無理」
岡島有理乃「私、昔恋人にお金貸して後悔したことあるから」
岡島有理乃「それに、妹の学費もまだまだ足りないの」
須崎香奈「・・・・・・・・・・・・」
須崎香奈「じゃあ、あたしはどうしたらいいの・・・・・・?」
岡島有理乃「・・・・・・仕事なら、紹介するよ」
岡島有理乃「頑張れば1日で10万くらい稼げる仕事」
須崎香奈「えっ、なにそれ!?」
岡島有理乃「・・・・・・やる?」
須崎香奈「うん!」
須崎香奈「有理乃に相談してよかった!」
岡島有理乃「・・・・・・・・・・・・」
岡島有理乃「・・・・・・ごめん、騙すみたいな真似して」
岡島有理乃「私も稼がないとだから・・・・・・」
友達の話を信じて、私はその仕事を初めてみることにした。
〇ラブホテルの部屋
だけど・・・・・・そんな美味しい稼ぎ話なんて、あるわけなかった。
須崎香奈「っ・・・・・・うぅ・・・・・・」
須崎香奈「ううっ・・・・・・有理乃・・・・・・」
須崎香奈「こんな仕事だなんて・・・・・・聞いてないよ・・・・・・」
須崎香奈「あたしを騙したの・・・・・・?」
〇黒背景
すぐに辞めようとしたけど・・・・・・
お金が無かったあたしは、続けざるを得なかった・・・・・・。
結局・・・・・・何だかんだで半年以上続けてしまった。
でも、半年で済んでまだ良かった・・・・・・そう思ってた。
だけど・・・・・・悲劇はまだ終わらなかった
〇線路沿いの道
須崎香奈(遅くなっちゃった・・・・・・早く帰らないと)
須崎香奈「誰かいる・・・・・・?」
私が振り返ってみると、そこにいたのは──
おじさん「やあ、香奈ちゃん」
おじさん「久しぶりだね」
須崎香奈「え・・・・・・あっ・・・・・・」
おじさん「もしかして、おじさんのこと忘れちゃったかな?」
おじさん「最近会えなくてずっと寂しかったんだよ?」
おじさん「またおじさんの相手してくれないかな?」
須崎香奈「っ・・・・・・い、いや!!」
おじさん「あーあ、折角見つけたのに」
おじさん「逃さないよ?」
〇線路沿いの道
須崎香奈「っ・・・・・・はぁっ・・・・・・」
おじさん「おーい、待ちなよ」
須崎香奈「ひっ・・・・・・!」
それから、毎日つけられるようになって・・・・・・
家も覗き込まれたりして・・・・・・あたしの心は限界だった。
〇交番の中
警察官「それで、そのおじさんとは知り合い?」
須崎香奈「知り合いというか・・・・・・昔、仕事で・・・・・・」
警察官「仕事?」
須崎香奈「はい・・・・・・」
須崎香奈「相手をして・・・・・・それでお金を貰っていました・・・・・・」
警察官「あー、パパ活みたいなやつね」
須崎香奈「で、でもっ・・・・・・もうやめたんです・・・・・・」
須崎香奈「助けて下さい・・・・・・怖いんです・・・・・・」
警察官「悪いけど、特に何かされたわけでもないんじゃ無理だよー」
須崎香奈「うぅ・・・・・・っ・・・・・・」
山本武郎「僕が代わりますよ」
警察官「え?山本?」
警察官「ああ、頼んだ」
山本武郎「そんなに泣かないで」
山本武郎「僕が君を助けてあげるから」
須崎香奈「ほ、本当ですか・・・・・・?」
山本武郎「うん、任せて」
〇アパートの玄関前
山本武郎「ここまでで大丈夫?」
須崎香奈「はい、ありがとうございました」
須崎香奈「そうだ、ご飯食べていきませんか?」
須崎香奈「母もいないですし・・・・・・」
山本武郎「いいの?じゃあ頂いちゃおうかな」
須崎香奈「山本さんなら大歓迎です!」
〇古いアパートの部屋
それからしばらくは、ストーカーも来なくなって、平穏な生活を送れていた
須崎香奈(武郎さん、優しいな・・・・・・)
須崎香奈(あたしがやらかしたことなのに、こんなに親身になってくれて・・・・・・)
須崎香奈(・・・・・・愛してくれて)
???(やめなよ、こんな奴と関わるの)
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なんだろう
この、黒い渦巻に飲まれるような感覚は…
友達も「そっち」じゃなくてタイミーとか教えてやれよー!
今回もガシガシにきました
うわっ、想像よりもさらにヘビーな展開!?
ただ、このエピソードで、これまでの2話分の”友花”さんに繋がりますね……
そして、有理乃さん……
うおおおんっ( ノД`)…
これはかわいそう……