麻木ブレイド物語

甘土礼朝

1-4(脚本)

麻木ブレイド物語

甘土礼朝

今すぐ読む

麻木ブレイド物語
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇山道
???「それが私です──」
麻木 得瑠「ちょっと待ってどういうこと?」
嵐?「驚くのも仕方ないですね、私もそうですし」
麻木 得瑠「ホントの本当に嵐ちゃんなの?」
嵐?「今日駅向こうで占った内容とか、今日の朝食でも言いましょうか?」
麻木 得瑠「うーん・・・」
嵐?「なんなら小さい頃母さんの実家でやらかしたアレでも詳しく──」
麻木 得瑠「それはいい!」
麻木 得瑠「わかりました、あなたは妹の嵐です」
嵐「わかってもらえましたか」
麻木 得瑠「はいはい」
嵐「急いで帰りましょう まだ追って来るかもしれません」
麻木 得瑠「そうだね」
嵐「では、姉さん私を持って帰ってください」
麻木 得瑠「やっぱりそうなりますか」
麻木 得瑠「でも、これ重いんじゃないの」
  姉は剣を手にする。
麻木 得瑠「なにこれ、すっごく軽い 金属じゃないみたい」
麻木 得瑠「これなら全然苦にならない 帰ろう」
嵐「それと私のカバンも忘れないで」
麻木 得瑠「はいはい」

〇森の中
麻木 得瑠(もうすぐウチの近所に出る)
麻木 得瑠(まだ薄暗いで済んでるから、早く抜けないと)
???「おお、見つけたぞ」
麻木 得瑠「!!」
知らん男「あれの解除なかなか大変だったぜ 全くたいしたお嬢ちゃんだ」
知らん男「あれ? 『魔能使い』の方はいないのか」
知らん男「『魔素』を感じて追いかけて来たんだがな」
知らん男「もしや近くに隠れてるのか?」
知らん男「まあいいや! 先にこっちだ!!」
嵐「姉さん剣をヤツに向けて!」
麻木 得瑠「こう!?」
知らん男「剣!? そんなの持ってたか!?」
  襲いかかってきた男に鎖がまとわりつく。
  男はまたもや動けなくなる。
麻木 得瑠「出た!?」
知らん男「お前も──」
知らん男「お前も『魔能使い』だったのかァァ!」
嵐「姉さん今のうちに!」
麻木 得瑠「ええ・・・」
知らん男「逃がすかあァァァ!」

〇山中の坂道
麻木 得瑠(ここを下ればもうウチは近い)
麻木 得瑠(早く、早く、早く帰りたい・・・)
  家が近いと意識した得瑠の足取りは自然と速くなっている。
  来た道の方から大きめの音がした。
  空気の塊が後方に抜けるのを姉は感じ取った。
  何か来る。
麻木 得瑠「なに?」
陰人「ナンド モ ジャマ シヤガッテ」
麻木 得瑠「何この人?」
嵐「姉さんこれが『魔』の者──」
麻木 得瑠「何なのこれ」
嵐「姉さん?」
陰人「ナニ ヲ オドロイテ イル?」
陰人「アア コノ スガタ ニ ナッテタカ」
麻木 得瑠「逃げないと・・・」
  姉は剣を襲撃者に向ける。
麻木 得瑠「なんでさっきみたいにならないの?」
嵐「姉さん──」
麻木 得瑠「逃げないと、早く逃げないと」
  得瑠は混乱したまま来た道を走って引き返す。
陰人「アノ マノウツカイ アレナラ ユックリト イタダケルナ」

〇森の中
  夜の里山を少女が走っていた。
嵐「姉さん!」
嵐「姉さん落ち着いて!」
嵐(ダメだ──全く聞こえてない)
麻木 得瑠「はぁ・・・さっきの何なの」
麻木 得瑠「今日は何かおかしいよ・・・」
  得瑠は手に持った剣を見る。
麻木 得瑠「早く家に帰らないと・・・」
嵐(姉さんの手を煩わせないようにアイツに手は下さなかった)
嵐(だから足止めしてウチに帰ればどうにかなると思ってた)
嵐(もうこんな状況じゃそんなこと言ってられない)
嵐(覚悟を決めないと──姉さん)
嵐「ゴメンね────」
???「ミツケタゾ ミツケタゾ!」
麻木 得瑠「!?」
嵐(ここで決める──)
嵐(ただ確実に決めるにはもっと近くに・・・ この剣が届く範囲に)
陰人「ココハ ワガ カリバ トラエタ エモノ ハ ニガサン」
陰人「オトナシク クワレロ!」
麻木 得瑠「どうすれば・・・」
麻木 得瑠「どうすりゃいいのよ!!」
嵐(ここだ!!)
陰人「アガアアアアアアッ!!」
嵐「今よ!! 私が怯ませた!」
嵐「この剣(わたし)で倒して!」
麻木 得瑠「でも・・・」
嵐「早く!! 振るだけでもいい!」
陰人「ナンダ ソレハ」
陰人「ナンダ ナンダ ナンダァ」
陰人「アアアアアァァァァ」
  襲撃者は二つになって落ちる。
麻木 得瑠「やっちゃった──」
  姉は二つになったそれを見る。
麻木 得瑠「これって、やっぱり・・・」
麻木 得瑠「殺人になるのかな? でも──」
麻木 得瑠「こうするしかなかったんだよね」
麻木 得瑠「嵐ちゃん────」
嵐「こうするしかなかったんです、姉さん──」
  里山の近くから誰かしらが動いている音が聞こえる。
嵐「帰りましょう、姉さん」
麻木 得瑠「そうだね・・・・・・」
  つづく

次のエピソード:2-1

ページTOPへ