エピソード(脚本)
〇入り組んだ路地裏
・・・・・?
ここはどこだ?
思い出せない
何の目的で、どうやってここまで来たのか・・・・?
まったく思い出せない
なんとなくだけど、ここ最近の記憶も無い気がする
スマホは・・・
あった!
けど財布は・・・ない
時間は・・・
今は2022年7月10日 12:15か
時間の感覚もないからどれだけ記憶がないのかも分からない・・・
こんな時どうすればいいんだろ・・・
ここがどこかも分からないし、
とりあえず、周辺を歩いてみるか
〇公園通り
・・・どこだ?
何処となく見覚えはあるけど・・・
〇SHIBUYA109
あっ!渋谷かぁ!
でもなんで渋谷にいるんだろ
財布ないのにどうやって来たんだ?
電車で帰るにもお金ないから帰れないし、どうしようかな・・・・
とりあえず、交番にでも行って相談してみるか
〇街中の交番
あった、
ここでとりあえず相談してみるか
〇街中の交番
・・・ん?
なんかメール来たな
【謎のメール】
『そこにいても解決しませんよ?』
だれ?なんかこわ・・・・
宛先も分からないし無視しとくか
【謎のメール】
『このニュースを見れば分かります』
は?ニュース?
ニュースらしきサイトのリンクがあるな
見るだけ見てみるか
7月9日午前12時35分、恵比寿駅構内で
通行人ら24人が死傷した無差別殺傷事件で、
警察庁は橋下 充容疑者(26)
を殺人、殺人未遂、銃刀法違反(所持)の容疑で捜索を続けている。
え?オレのこと?
同姓同名の誰かか?
いや、そんなことするわけないし
タチの悪いいたずらか?
【謎のメール】
『スクランブル交差点の大型モニタでニュースを見てみれば確信できますよ』
スクランブル交差点・・・
さっきの所か
なにが何やら分かんないけど、行って見てみるか
〇渋谷駅前
昨日正午ごろ、恵比寿駅構内で通行していた24人が次々と刃物で切られ、うち21人が病院で死亡が確認されました。
県警によりますと、現場から男が逃走し、犯人の行方を追っています。
〇渋谷駅前
ちょっとおいおい、シャレになってないし、
さっきのニュースに映ってた犯人の写真、まんま自分だし・・・
とにかく人気のないところに隠れないと
【謎のメール】
『ようやく分かっていただけましたか』
さすがに返信してみるか
あなたは誰ですか?
【謎のメール】
『私はあなたがこのゲームに勝つことに賭けてる者です』
ゲームって何のこと?
ていうか答えになってないし
【謎のメール】
『とにかく逃げ切ってください、もう始まっています』
通行人「あれ?あの人さっきの容疑者に似てない?」
通行人B「ホントだー!」
ここにいたらやばい、人気のない場所を探すか
〇宮益坂
さっきの路地裏どこだっけ・・・
警察官「ちょっといいですか?」
やばい!
〇東急ハンズ渋谷店
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ
〇ビルの裏
はぁ、はぁ、はぁ・・・
こんなに・・・走ったのは・・・
いつぶりだろう・・・
【謎のメール】
『今回もダメでしたね、残念です』
こ・・今回もってなに?
警察官C「橋下だな?!」
グサッ、グサッ
警察官C「うっうぅ・・・」
えっ?
謎の男「いい逃げっぷりだねぇ」
謎の男「もう時間の問題だねー」
謎の男「あんたが逃げ切れるまで、何回もやってもらうから」
謎の男「こっちは大金賭けてるしー」
謎の男「何度でも時間戻せるしー」
謎の男「そーこれこれ、もう携帯いらないだろうから回収するねー」
いやっ、ちょっ・・・
ぁ・・・あなた誰ですか?
謎の男「あー俺?メールしたよねー そう、それ俺!」
謎の男「不満あるなら主催者に言ってくれるー?」
謎の男「今回も残念ながら完全に詰んだねー じゃーそろそろリセットしようかー」
えっ・・・なに?意味わかんないんだけど・・・なんか・・力がぁ・・・
〇黒背景
・・・・・・・・
〇研究開発室
・・・・うぅっ・・頭が痛いぃ・・・
・・・どこだろ?
・・でもなんとなく見覚えがあるような気も・・・
研究員「お目覚めのようですね、お疲れさまでした」
研究員「その様子だと何が起きたか認識できてない感じですよね」
そうですね、なぜ自分がここにいるのか・・・
研究員「あなたは弊社が開発したVRブレイン試作機のモニタリングにご参加いただいたのですが」
研究員「脳内の刺激がちょっと強すぎたようで・・・」
研究員「一度、過去数年分の記憶を消して、ストーリーのデータを脳内に転送してその世界に数年間存在しているように錯覚させー」
研究員「最後に記憶データを復元するのですが、稀にデータの転送に失敗する事象も確認されています」
研究員「一応、このリスクがある事は承諾書の書面にはサインいただいておりますので」
でもなぜ・・参加しようと思ったんですかね・・・
研究員「あなたがご参加に至った動機は確かー」
研究員「1年間という余命宣告をされて、生きた心地がしないという中でー」
研究員「ご希望の渋谷街と、生きてると実感できるシーンをご希望されておりましたので」
研究員「このスリリングなプランにさせていただきました」
研究員「あと最後になりますが、ご注意くださいね」
研究員「このシステムを使用した後、脳内の潜在的な誘導により、 現実化してしまう事件も多発していますので・・・」
研究員「財布をお持ちでないとの事でしたので車でお送りしますが、どちらがよろしいですか?」
じゃあ渋谷でお願いします
研究員「分かりました、それでは参りましょうか」
〇渋谷の雑踏
なんか変だな、現実と夢の世界のループをずっと繰り返してるような・・・
まっ気のせいか。
コワイなぁと思いました。SFだと思えなくなっている今日この頃です。構成、設定、など本格的だなぁと思いました。追伸、やっぱり猫が好き。
最後の終わり方も今後を想像でき余韻が残って面白かったです😌
良い方に利用したらとても画期的なのでしょうが、今回のような例があると素直に「利用したい!」と思えないのがリアリティがあって良いですね😂
リアルな中にも不思議さがしっかり残るお話で今までに読んだ事のない感じの作品で非常に面白くすらすら飲めました。そして読み終わった後色々と考えさせられるお話で楽しかったです。