NO RYO!

ざとういち

恐怖の恐怖克服 ⅴ(脚本)

NO RYO!

ざとういち

今すぐ読む

NO RYO!
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇遊園地の広場
生瀬涼子「わぁ・・・!」
生瀬涼子「ほら、氷河くん・・・! 遊園地ですよ! ほらほらっ!」
北極氷河「遊園地に来たんですから、 そりゃそうですよ・・・」
生瀬涼子「もーっ! ノリが悪いですね! もっと楽しそうにしてくれても 良いじゃないですか・・・!?」
北極氷河「だ、だって・・・」
北極氷河「ここに来た・・・理由が・・・」

〇一人部屋
  遡ること3日前──
生瀬涼子「氷河くん! 遊園地デートしましょう!」
北極氷河「デ、デート・・・!?」
北極氷河「で、でも、俺は・・・ そういうのは本体さんと・・・」
生瀬涼子「私だって、弱虫の氷河くんと デートするのは不本意なんですよ?」
北極氷河「ぐはッ・・・!!」
生瀬涼子「でも、その弱虫さえ克服してしまえば・・・」
生瀬涼子「晴れて私の本体と結ばれて、 私も心の底からあなたを愛することが 出来るようになるのです・・・♡」
北極氷河「で、ですが、生き霊さん・・・」
北極氷河「そんなに簡単に変われるなら、 俺は今までこんなに苦労して 来なかったんですよ・・・?」
生瀬涼子「だからこその遊園地デートなんです♡」
生瀬涼子「よく考えてみてください・・・ 遊園地といえば何がありますか?」
北極氷河「え・・・? えっと・・・」
北極氷河「ジェットコースター、お化け屋敷、 フリーフォール、観覧車・・・」
北極氷河「ま、まさか・・・」
生瀬涼子「ほらほら♡ 全部氷河くんの苦手な “怖い物”じゃないですか〜?」
生瀬涼子「さらに、デートの相手は生き霊の私・・・」
生瀬涼子「これは否が応でも、 デートを終える頃には・・・」
生瀬涼子「氷河くんも少しは成長してるんじゃ ないでしょうかねぇ〜♡」
北極氷河(た・・・)
北極氷河(大変なことになってしまった・・・)

〇遊園地の広場
北極氷河「そんな理由で連れて来られたんですから、 そりゃテンションも下がりますよ・・・」
生瀬涼子「まったく! そんなだからあなたは ヘタレで弱虫なんですよ!?」
北極氷河「う、うぅ・・・」
北極氷河(ぐうの音も出ない・・・)
生瀬涼子「生瀬涼子が好きなんでしょ!? 付き合ってイチャイチャしたいんでしょ!?」
北極氷河「う・・・は、はい・・・」
生瀬涼子「あの子はもうあなたに惚れてるんですから! もうちょっと頑張りましょう? ね?」
北極氷河「わ、分かりました・・・!」
生瀬涼子「よし! じゃあ行きましょう♪」

〇ジェットコースター
生瀬涼子「凄い凄い♪ なかなか迫力ありますね!」
北極氷河(駄目だ・・・怖すぎる・・・!)
北極氷河(意識を保って・・・いられない・・・)
生瀬涼子「えぇっ!? ちょ、ちょっと氷河くん!? しっかりしてください・・・!!」
生瀬涼子「氷河くーん!!」

〇遊園地の広場
北極氷河「はぁ・・・はぁ・・・」
生瀬涼子「氷河くん、大丈夫ですか・・・?」
生瀬涼子「いきなりジェットコースターは ちょっとハードすぎましたかね・・・?」
北極氷河「い、いえ・・・俺は今、喜びに 打ち震えています・・・!」
生瀬涼子「え・・・?」
北極氷河「初めてジェットコースターに 乗れたんですから・・・!」
生瀬涼子(は、初めてだったんですか・・・!?)
生瀬涼子(しかも、ほとんど気を失っていたし・・・ 乗れたと言って良いのでしょうか・・・)
北極氷河「生き霊さんのおかげです・・・! まずはジェットコースター、クリアですね!」
生瀬涼子「じゃ、じゃあ少し休憩して、 次のアトラクションに向かいましょうか♡」
生瀬涼子(氷河くんに少し自信がついたなら・・・ まぁ、良しとしましょうか・・・)

〇暗い廊下
北極氷河「・・・・・・」
生瀬涼子「洋風のお化け屋敷なんて なかなか珍しいですねぇ〜♡」
生瀬涼子「ジャパニーズホラーよりも、 パニック映画みたいな雰囲気の方が まだ耐えられるんじゃないですか?」
北極氷河「・・・・・・」
生瀬涼子「あの・・・氷河くん、聞いてます?」
生瀬涼子「また気を失っちゃたんですか!? ちょっと!? まだ入ったばかりですよ!」
生瀬涼子「氷河くん! しっかりしてください! 他のお客さんもいるんですから!」
北極氷河「はっ!? す、すみません・・・!」
北極氷河「あまりの恐怖で、一瞬で意識が 刈り取られてしまいました・・・」
生瀬涼子(ま、まさかここまでとは・・・ 予行演習しておいて正解でしたね・・・)
生瀬涼子(もし、これが本番だったら・・・ 私の本体はさぞ大変だったでしょうね・・・)
生瀬涼子「ほら、氷河くん・・・」
北極氷河「え・・・? な、なんですか? その手は?」
生瀬涼子「もう! 手を繋いであげようとしてるに 決まってるじゃないですか!」
北極氷河「えぇっ!? す、すみません・・・!! き、気が付かなくて・・・!」
北極氷河「でも、そんな・・・良いんですかね・・・?」
生瀬涼子「今回だけは、特別・・・」
生瀬涼子「ということで、まぁ・・・ 良いんじゃないでしょうか?」
北極氷河「わ、分かりました・・・ ありがとう・・・ございます・・・!」
生瀬涼子(氷河くんの手・・・)
北極氷河(生き霊さんの手・・・)
  あったかい──
  
   冷たい──
生瀬涼子「・・・・・・」
生瀬涼子「それにしても・・・」
生瀬涼子「このお化け屋敷、 全然お化け出て来ませんね・・・」
生瀬涼子「どうしたんでしょうか・・・?」
霊感のない男「おい、ここはお前が飛び出すはずだろ? 何をボーっと突っ立てるんだ?」
霊感のある男「あ、あそこに・・・お、お化けが・・・!?」
霊感のない男「いや、お化け役はお前だろ・・・」
霊感のある男「そうじゃなくて、本物の幽霊が・・・!」
霊感のない男「は・・・?」

〇遊園地の全景
  それから、私達は遊園地を満喫しました
  氷河くんはすぐ気絶するし、
  満喫出来たか、少し怪しいですけど・・・
  でも、本来の目的を忘れるくらい、
  私の心は踊ってしまっていて・・・

〇遊園地の全景
  気が付いたら・・・
  あっという間に夕方になってしまいました

〇遊園地の広場
北極氷河「はぁ・・・はぁ・・・」
生瀬涼子「大丈夫ですか・・・氷河くん・・・?」
生瀬涼子「遊園地に遊びに来た人とは思えないくらい、 顔色が悪いですけど・・・」
北極氷河「だ、大丈夫です・・・!」
北極氷河「生き霊さんがたくさん フォローしてくれましたし、」
北極氷河「なんとか数々のアトラクションを 攻略することが出来ました・・・!」
生瀬涼子(こ、攻略・・・)
北極氷河「生き霊さん、今日は本当に ありがとうございました・・・!」
生瀬涼子(ふふ・・・おかしいですね・・・ 霊体なのに・・・胸が高鳴るなんて・・・)
生瀬涼子(ふぅ、落ち着かないと・・・ ゆっくりと感情を冷まして・・・)
生瀬涼子(そうしなければ・・・)
生瀬涼子(力が・・・暴走してしまうから・・・)
北極氷河「それじゃ・・・そろそろ帰りますか?」
生瀬涼子「あらあら、まだ帰るのは早いですよ?」
生瀬涼子「メインは最後まで残しておいたんですから♡」
北極氷河「え・・・?」

〇遊園地
生瀬涼子「ほら♪ あれですよ、あれ!」
北極氷河「か・・・」
北極氷河「観覧車ですか・・・」
生瀬涼子「やっぱり観覧車も苦手なんですね〜 あんなにロマンチックな乗り物なのに・・・」
北極氷河「す、すみません・・・観覧車というよりも、 俺は高い所が苦手なんです・・・」
生瀬涼子「まぁ、氷河くんの怖がりっぷりは 1日中堪能しましたからね・・・」
生瀬涼子「もう今さら何が苦手でも別に 驚きませんけども・・・!」
北極氷河「うぅ・・・」
生瀬涼子「さて、じゃあ最後の乗り物を “攻略”するとしましょうか・・・!」
  ・・・・・・
  彼女は力を抑え込んでいる・・・
  それならば、付け入る隙はある・・・
  フフフ・・・北極氷河・・・
  最高の恐怖を味わわせてやる・・・

次のエピソード:恐怖の感情爆発 ⅵ

コメント

  • まさかのお化け屋敷に本物の霊が現れるとはおばけ役の人も思ってなかったでしょう(笑)それにしても人生初のジェットコースター!愛は人に勇気を与えますね
    気絶してたけど

  • 遊園地デート、見ていて気持ちが高揚します!(氷河くんの心情はさておき)
    お化け屋敷に生き霊さんがいたら、霊感ある人からしたら何よりも恐怖でしょうねww

ページTOPへ