Rs.1 朧気な記憶に(脚本)
〇黒背景
何、これ? 呼吸出来ない
呼吸する度に、肺が焼かれるような痛み
腹部から、空気が漏れ出ていく感覚がする
アカリ「あ、アグァ────────」
視線を落とすと、触手のような何かが、私の腹部を貫いていた
〇寮の部屋
あかり「ウワァァーーー!?」
あかり「イタタァ~、あれ? 学生寮?」
体を起こした、私は安堵する
体は何処も痛くない、傷もなさそうだ
あかり「なーんか、変な夢見た気がするけど」
あかり「所詮、夢だし、気にしなぁぁ~い!」
「うるさい!」
あかり「ぱみゃ!?」
私に向かって前方から、枕が飛んでくる
勿論、それを投げてきたのは、
私の同室であり、親友の空月 優だった
ゆう「奇声を発しない、問題行動を起こさない。 約束した筈だよね?」
あかり「うっ、だって、悪夢がぁぁ~」
ゆう「言い訳は?」
あかり「しません。 普通に、ごめんなさいでした」
ゆう「まぁ、反省するならヨシ」
うぅ、親友で同室とは言ったものの、
上下関係は見ての通りです
ゆう「で、どんな夢を見た訳?」
あかり「・・・・・・ほぇ?」
ゆう「悪夢ってくらいだから怖かったんでしょ?」
ゆう「トラウマとか、ストレスが原因かもしれないし、話だけでも聞くけど?」
あかり「怖かった話を、もう一度させるとか鬼畜か?」
ゆう「ヨシ、私は友達を止めようと思う」
あかり「アハハ、友達止めて恋人にでもなる?」
ゆう「消えろ、金髪」
そして、こう言ったやり取りは日常なので、私は反省しない
あかり「モグモグ」
ゆう「朝から、よくそんなの食べられるよね?」
あかり「ほひぃ~なら、あふぇるよ?」
私が、食べているのは、何か辛いヤツ!
この、美味しさが分からんとは子供舌よの?
ゆう「それ食べるくらいなら子供でいいわよ」
ゆう「もぐもぐ」
対する、優の朝食は、ドーナツ
コンビニで、120円くらいで売ってるヤツ
あかり「私は、お菓子が朝食の方が分かんない」
ゆう「いや、あげないよ?」
あかり「────じゅるり」
ゆう「ちょ、刺激物を近づけるな!」
ゆう「それの、匂い無理なんだって、近づくな!」
ジリジリと、後退していく、優を見ていると
あかり「私って、Sなのかなと思う時がある」
ゆう「────Cね!」
あ~、傷ついたなぁぁ~?
あかり「あ、夢の内容思い出した!」
ゆう「え、ナニ急に?」
あかり「窓ガラス突き破って、 ロケランぶちこまれて、三階から落下する夢だ」
いや、意味が分からない
と、そんな日常を送っている私達である
〇海辺の街
夏だ! 海だ~! 青春だぁぁ~!
私が住んでるのは、神凪町(カンナギ町)と呼ばれる、海が凄い町!
そして、この町は海があるのに、
遊泳禁止だぁぁぁ~ーー!!!
〇生徒会室
部室
あかり「海があるのに、こんなこと許されるのか!?」
ゆう「いや、プールにでもいけば?」
あかり「目の前、海だよ!? 何でプール!?」
ゆう「そもそも、暑いのに外出るとか無理」
あかり「ええぇ~、海行こうよぉぉ~!?」
ゆう「カナヅチの私に頼むな、無理」
あかり「優が冷たい、ヨヨヨよ~」
と、わがまま言ってるが、
そんなに、海は好きじゃない
優と、ケンカするのが好きなのだ
あかり「あれ、罵られるのが好きって、Mか?」
ゆう「なんの、話なの?」
あかり「え、青春しようぜ! って話だけど?」
ゆう「今の会話で、そこまでは汲めない」
まぁ、おふざけは此処までで
あかり「それよりもだよ!」
あかり「私達の部活って、 未知を見つけようって部活じゃん!」
ゆう「初めて、聞いたんだけど?」
あかり「初めて言ったから、大丈夫だぞ!?」
ゆう「何処が、大丈夫なのよ?」
あかり「まぁまぁ、これを見てくださいよ!」
私は、自信たっぷりでソレを机に放る
魔道書っぽいヤツゥ~!!!
あかり「みてみて、凄くない? 部室掃除してたら出てきた!?」
ゆう「え、元々オカルト部か何かだったの?」
あかり「あ~、知らないけど、 これを見つけてから悪夢を見るように」
ゆう「捨てろ、燃やせ!」
ほんっと、反応が面白いな────
あかり「でもでも、中身知りたくない?」
ゆう「見ない、知らない。幽霊はいない」
あかり「ウチに幽霊部員いるのに、なに言ってるの?」
ゆう「幽霊出てきたらどうするの!? 責任とれる? 私が発狂するけど、大丈夫!?」
・・・・・・優って、意外に弱点多いよね
あかり「欠点あるほうが、私は可愛いと思う」
ゆう「よし、帰ろう。帰宅する」
あかり「まぁ、待て待て、お姉さん?」
ゆう「嫌だ、いやぁぁ~!」
あかり「えぇ~、せっかく面白ろそ────」
ゆう「あれ、何か嫌な予感が」
あかり「あ~、優もする? 私もしてる」
「アカリとは、絶交だ。ワァァァー!!!」
目の前が、ピッカーんして私達は部室から消え去った