Xヒーロー

語り部

第17話 觜宿星(とろきぼし)(脚本)

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〇広い更衣室(仕切り無し)
  2021年 北海道 札幌市 とあるギルド跡地
エンチャント魔導法士「おーい、ワシが帰ってきたぞー!キングー、ワシが逆ナンされまくった話してやろうかー?」
キング「鸞、てめェ!どこのイケメン引っ掛けてきやがった!」
鸞「俺がそんな節操無しに見えるのか?キング。何ならその目玉交換してやろうか?」
キング「あ、いや···悪ぃ···すいませんでした···」
鸞「こいつエンチャントだぞ、若返りの魔術なんて使えるらしい」
キング「マジかよ!とんでもねぇなアンタ!!」
エンチャント魔導法士「そういえば1番食いついて来そうな凪園がおらんな、何処に行った?」
フェード「斎王と一緒に屋上に行ってる。2人きりで話がしたいから待ってて欲しいと言ってたぞ」
キング「おい、それより俺は聞き逃さなかったぞ?じいさん逆ナンされまくったってマジか?鸞、嘘ついてんじゃねえだろうな?」
鸞「一部始終しか見てないがマジだぞ」
鸞「『お兄さん今暇ですか~?良かったら私達と遊びませんか~?(聞いた事のない高い声)』って感じで」
キング「クソがーッ!あれか、やっぱツラか?ツラが良い奴に寄ってくるのか!!?」
エンチャント魔導法士「後は仕草と目線を合わせる事だな。そうすりゃイチコロよ」
フェード「というか鸞、そんな声出せたんだな···いつも女の姿でも声が低いから違和感しかないな···」

〇高い屋上
  同時刻 北海道 札幌市 ギルド跡地 屋上
斎王幽羅「···星綺麗だね。神奈川じゃ星なんて見れないもん」
凪園無頼「どーでもいいし。つーか話あるんじゃねーのかよ、話って何?」
斎王幽羅「うん、その···さっきは言いすぎたかもしれないと思って···ごめんなさい、凪園」
斎王幽羅「でも俺、凪園に変わって欲しい。おじいちゃんに憧れるのはいいし、技をアレンジするのもいいけどさ」
斎王幽羅「『凪園無頼』という可能性を捨てないで欲しい。きっと···きっと凪園はそれを乗り越えたら強くなれると思うんだ」
  凪園は斎王の隣で寝転び空を見上げた。空には多くの星々が輝いていた中、凪園は斎王に話しかけた
凪園無頼「斎王、俺って···何なんだろ。斎王に技のこと言われてからわかんなくなっちゃったんだよね」
  凪園はいつもの様にふわふわした喋り方ではなくなっていた。彼の心の荒れ具合が口調に現れたのだろう
斎王幽羅「凪園は凪園だよ、その個性を俺らで見つけていこうよ。もちろんキングや鸞達にも協力してもらってさ」
凪園無頼「···俺の個性か··· ··· ···じいちゃんもこんな風に悩んだりしたのかな」
斎王幽羅「え、なんで···?」
凪園無頼「多分エンチャントも知らないけど、俺のひいじいちゃん2代目Xヒーローの幹部メンバーなんだよね」
斎王幽羅「す、すごいビッグネームじゃん···でもそっか、それで悩んだりしたのかもね」
凪園無頼「じいちゃんも当時ひいじいちゃんに比べられて悩んだんだと思う。俺も無意識にじいちゃんと自分を比べてたのかも」
凪園無頼「··· ··· ···斎王、ひいじいちゃんは龍、じいちゃんは星を技の名前にしてたけど」
凪園無頼「俺って何から技の名前取ればいい?」
  凪園の突拍子もない質問に斎王は焦りながらも咄嗟に答えたのは
斎王幽羅「せ···『星座』?あ、でも星と同じか。ごめん、今のなし!うーん···」
凪園無頼「星座··· ··· ···いいんじゃね?昔母ちゃんから教えてもらったけどさ」
凪園無頼「『星座は人々の想いが天に昇って形になった物だ』って」
凪園無頼「星自身は自らで輝くけど、星座は人々の想いを載せて輝く。まぁ俺は他人とかどーでもいいけどさ」
凪園無頼「『斎王達の想い載せて輝く』くらいはしてやるよ」
斎王幽羅「ふふっ···ありがとう凪園。そういえば凪園って何で俺達の旅に加わってくれたの?」
凪園無頼「俺がじいちゃんより強くなるため。斎王達と居れば簡単にできそーって思ってさ」
斎王幽羅「強くなった後とか···考えてる?」
凪園無頼「Xヒーローなんだから『ヒーロー』以外やる事なくね?」
斎王幽羅「だね。変なこと聞いてごめん、じゃあ···下降りよっか」
  斎王が体を起こし立ち上がろうとした時、凪園も体を起こし斎王に顔を向ける
凪園無頼「斎王、ありがとうな。俺じいちゃんの影を追いながら『自分らしさ』見つけるよ」
凪園無頼「だから···手伝ってくんね?」
  凪園が手を差し出すと斎王は『いいよ』と返し、その手を取り凪園を立ち上がらせる
  そして2人は屋上から降り、キング達の所へ向かった

〇広い更衣室(仕切り無し)
斎王幽羅「皆待たせてごめん、情報はどうだったの?」
エンチャント魔導法士「本来の目標の情報は得られた、行くなら明日にでも行けるぞ斎王」
斎王幽羅「あ、はい··· ··· ···え?誰···?」
鸞「そいつエンチャントだぞ斎王、と言うかいつまでそうしてるつもりだエンチャント。さっさと若返りを解け」
斎王幽羅「えぇぇぇぇー!!?若返りなんてできるのエンチャントさん!?」
エンチャント魔導法士「まぁな。いやー逆ナンされまくって辛かったわー!あっはっはっは!!」
斎王幽羅「自慢にしか聞こえない···まぁ俺もされたこと何回かあるけどさ···」
キング「俺はされたことすらねーよ斎王、この裏切りものぉ···」
斎王幽羅「あ···いや、キング!されたことない方が普通だから!凪園もされた事ないでしょ!!?」
凪園無頼「あるけど?」
斎王幽羅「そこは嘘でもないって言ってあげて!!」
エンチャント魔導法士「おっと戻ってしまったな、あぁ~···短い夢だったなぁ···」
エンチャント魔導法士「ところで凪園と斎王は話していたのだろ?解決はしたのか?」
斎王幽羅「うん、大丈夫。そうだよね?凪園」
凪園無頼「もうへーき。じゃあ明日は海上自衛隊の駐屯地行くんでしょ?今日は休まねー?」
斎王幽羅「そうだね、ひとまず休もっか。···キング、あまり気を落とさないで?俺らが異常なだけだから」
キング「うるせぇ裏切りものぉ···どうせ俺は汚ねえおっさんだよ···」
凪園無頼「エンチャントー、寝るまでじいちゃんの話聞かせてー!」
エンチャント魔導法士「なんでお前の寝る時間に合わせてワシも寝なきゃならん、ワシはさっさと寝るからな?」
凪園無頼「は?ざけんなよ、じいちゃんのこと詳しく知ってんのお前しかねーんだから教えろや」
鸞「俺達は俺達で寝るか、よければ武器術について教えて欲しい所もあるしな」
フェード「竖起大拇指(いいぞ)、日本のアサシンの暗器を見てみたいと思っていたところだしな」
  そして各々が眠りにつき、そして夜が明けた
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第18話 偽りの光

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