【百話目からスタート】百物語やるよ!【恐怖度=0】【読了約11分】(脚本)
〇モヤモヤ
パイセン「するとその幽霊が⋯⋯」
パイセン「嫌だな~怖いな~!!」
パイセン「⋯⋯つって」
〇可愛い部屋
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「⋯⋯怖くない」
怖くない
怖くない
怖くない
パイセン「何だお前ら口裏合わせやがって」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「タダの正直な感想だよっ」
つーか幽霊が言うのかよwww
『嫌だな~怖いな~』の使い方間違えてる奴
初めて見たwww
パイセン「ドコが間違ってんだよっ!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「ハイハイ合ってる合ってるww パイセンはいっつも正しいww」
パイセン「だろ! 99話目は会心の出来だったな!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「イヤミが全く通用しない⋯⋯」
パイセン「じゃ消すぞ」
パイセン「今ので俺の番は終わりだな」
パイセン「さすがに50話も怪談話すのは疲れたぜ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「50話中、ついに怖い話が一つも無かったのが恐怖だよ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「この時間は何だったの⋯⋯!」
パイセン「お前が考えた企画だろ!?」
パイセン「だいたい一晩で50話怪談話せるだけでも 超人的だっつーの」
ゆーちゃんのはちゃんと全部怖かったぞ
パイセンのは怪談どころか
日常会話としてもキツいレベルじゃん⋯⋯
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「さすがにここまで怖くないとは 予想外だったよ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「序盤の『野良犬は見た!』シリーズで 20話稼いだのとか、ヒドすぎたよ⋯⋯!」
パイセン「ほ~ん? そんだけ言うからには」
パイセン「100話目は過去最高レヴェルで 怖いんだろうな!?」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「もっちろん!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「──と思ってたんだけど、みんな怖い話も お腹いっぱいみたいだからさ」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「最後は怖さはそこそこだけど実話だよ! って感じにしようかな」
さすが気遣いの鬼♪
パイセン(ほ~ん まあいいけどな)
パイセン「コイツの話、全部怖すぎて もうキツかったから助かるぜ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「たぶん思ってる事と口に出してる事が 逆になってるけど、まぁいいや⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「じゃあ、100話目スタートだよ!」
〇ゆるやかな坂道
つい最近、夜にこの辺りを歩いてた時の事
〇通学路
このすぐ近くに、何となく苦手な場所が
あるんだよね
何か気味が悪いというか、
磁場とか風水とか?
とにかく何か嫌~な感じがするの
それがその日は特にひどい感じがして
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「⋯⋯早く帰ろ」
足早に通り過ぎようとしたら
〇古いアパート
あるアパートの一室から
「おけすちな!のへむゆるがご! ぜずびあおけすし!」
意味不明の言葉をまくし立てる声が聞こえて
「おけすちな?のへむゆるがご? ぜずびあお⋯けすじ?」
それを繰り返してるっぽいんだけど
「おけすちな!のへむゆるがご! ぜずびあおけすせ?」
最初は淡々としてたのがだんだん早く激しくなって
「おけすちな⋯⋯のへむゆるがご⋯⋯! ぜずびあおけすぞ⋯⋯っ!」
ついには悲鳴に変わって
ある部屋の戸や窓から、黒い塊みたいなのが
にじみ出てくる感じで溢れてきたの⋯⋯
怖くなって走って逃げたけど
〇可愛い部屋
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「あれが何だったのか、未だに謎なんだよね⋯」
パイセン「ただの機嫌が悪い外国人じゃねーの?」
それじゃ黒い塊が何だかわかんないだろ
パイセン「料理でも焦がして煙が出たんだろ」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「でもボワンと出てすぐ消えちゃったんだよね」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「煙ならもうちょっと残ったり もっと後引いたりすると思うな」
パイセン「ま!何にせよ、どうって事ない話だったな!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「確かに、怪談としては微妙なんだけどさ~」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「でも体験した時はけっこう怖かったよ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「とにかく!これで百物語達成だよ!」
パイセン「そんな派手に祝う感じでもねーだろ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「そうなんだよ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「百物語の本番は、ある意味ここからなんだよ」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「1話終えるたびに蝋燭を1本消していき」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「百本目を消した時、霊が現れるという──」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「簡単には達成できないからこそ、怪奇現象が起きる可能性はすごく高いんだって⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「さて、何が起きるか⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「消してみよう!」
パイセン「ま、待て! 心の準備が⋯⋯」
パイセン「な、何も起きねーじゃねーか」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「う~ん、ちょっと期待してたんだけど さすがに⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「え?え?誰?」
パイセン「いま夜中の3時だぞ!?」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「パイセン見てきてお願い⋯⋯っ!」
パイセン「よし⋯⋯」
パイセン「お前が行け!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「ヒドーッ」
???「あー、こうやって入ればいいのか⋯⋯」
「で⋯⋯」
「出た~~~~!」
???「⋯⋯」
???「え~と⋯⋯」
???「脅し方⋯⋯」
???「何見とんじゃワレェ」
???「いてまうぞゴラァ」
「⋯⋯」
「怖さのベクトルが違うー!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「何?何なの!?」
パイセン「コスプレの人!?」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「でも何かちょっと透けてるし⋯⋯!」
パイセン「足も無い⋯⋯?」
「霊だー!」
???「霊と思われるのは微妙に心外なんだよなぁ⋯」
???「幽体離脱中のステキなお姉さん⋯⋯」
???「う~ん語呂がなぁ」
???「あれ? これ配信してるの?」
???「うっそやだ照れる~」
???「実は、何を隠そう私こそ──」
???「巷で話題の『幽チューバー』!でっす!」
「いま思い付いた顔してたー!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「全くもって話題じゃないよ!」
パイセン「明らかにカメラ慣れしてなかっただろ!」
パイセン「霊じゃないんだな!? 霊とは違うんだな!?」
パイセン「そこだけハッキリしてくれ⋯⋯ッ」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「でも何か露骨に死んだ人の格好してるし⋯⋯」
幽チューバー?「これは⋯⋯こうした方が魂が身体から 抜けにくくなくなるって言うから」
パイセン「誰が言うんだよそんな謎な事⋯⋯」
幽チューバー?「霊が」
「やっぱ霊もいるの~!?」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「てかそれ絶対ダマされてるよ」
パイセン「んな格好してるから抜けやすいんじゃねーの」
幽チューバー?「まさか! あの霊たちが私をダマすなんて そんな事⋯⋯」
幽チューバー?「⋯⋯あり得るゥ~~!!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「お友達は選んでください⋯⋯ッ!」
パイセン「とりあえず、何しに来たのか教えてくれよ⋯」
パイセン「百物語が終わったら出てきたんだから 本当は霊なのでは⋯⋯ッ!?」
幽チューバー?「そうだッ! 元はと言えばアンタたちのせいなんだからねッ!」
〇古いアパートの部屋
私、部屋でよく幽体離脱しちゃうんだけど
そうすると霊が見えるようになるんだよね
私の部屋、磁場だか何だかが良いらしくて
溜まり場になってるんだけど
さっきは何だか皆ザワザワしてて
霊「こんなパターン初めて⋯⋯」
霊「どうすんだこれ? 一応行くか⋯⋯?」
幽チューバー?「何の話~?」
霊「いやぁ、近くで百物語やってて⋯⋯ 達成したら行く決まりなんだけど」
霊「100話中50話が全っっ然!怖くない話で⋯⋯」
霊「野良犬が猫のトイレするとこ見てたとか、 もうホント何の話?って感じで⋯⋯」
霊「いま100話目で達成目前なんだけど、 これ達成と認めるべきかどうか──」
幽チューバー?「ふ~ん⋯⋯霊も大変なんだねぇ」
幽チューバー?「私は全然関係ないから良かったッ!」
霊「⋯⋯あれ? これお前の話じゃね?」
霊「ホントだ⋯⋯これあんたが行ってくれば?」
霊「それだ! 人間と霊の中間みたいなお前なら このハンパ百物語にちょうどいいじゃん」
幽チューバー?「え? え? どゆこと⋯⋯?」
霊「ちゃんと脅してこいよ!」
〇可愛い部屋
幽チューバー?「それで私が来なきゃいけない雰囲気に なったんだからねッ!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「アナタの話って何⋯⋯?」
パイセン「100話目って機嫌が悪い外国人の話か?」
幽チューバー?「あれは私がさぁ⋯⋯」
〇古いアパートの部屋
幽チューバー?「幽体離脱しちゃうと、物に触れないから ヒマなんだよね~」
幽チューバー?「でもスマートなスピーカー?とかいうので」
幽チューバー?「音声入力でゲームできるようにしてもらったよ!」
幽チューバー?「アクションとかはさすがに厳しいから、 ほぼRPGになっちゃうけど」
で、霊たちと遊んでたんだけど、
霊ってやっぱ情報古い人が多いから
幽チューバー?「え? このシリーズの初代がいいの?」
幽チューバー?「初代って正面向きのドット絵しかなくて カニ歩きするやつじゃん⋯⋯」
幽チューバー?「さすがに今やるには古すぎると思うけどな~」
でも実際やってみたら不便さが逆に面白くて
幽チューバー?「すぐ薬草足りなくなるシビアさが癖になる~」
かなりハマってついにラスボス直前まで行ったんだけど
幽チューバー?「難易度高くて何度も諦めそうになったけど、 今夜はついにラスボス行くよ~!」
幽チューバー?「待ってろラスボス!」
幽チューバー?「初代は再開するにもさいかいのじゅもんを 入力しなきゃいけないのが面倒だね」
幽チューバー?「えーと⋯⋯おけすちな のへむゆるがご ぜずびあおけすさ!」
さいかいのじゅもんがちがいます
幽チューバー?「あれ? おけすちな のへむゆるがご ぜずびあおけすき⋯⋯だった?」
さいかいのじゅもんがちがいます
幽チューバー?「おけすちな!のへむゆるがご! ぜずびあおけすし!?」
幽チューバー?「おけすちな!のへむゆるがご! ぜずびあおけすち!」
幽チューバー?「おけすちな!のへむゆるがご! ぜずびあおけすぞ!」
幽チューバー?「データ消えたァァァーーー!!」
霊「やってらんねー!」
霊「もう帰るわ!」
〇古いアパート
〇可愛い部屋
「⋯⋯」
「ある意味ご愁傷様案件だったー!」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「ていうかフツーに迷惑だから夜中に騒がないでよ⋯⋯!」
幽チューバー?「あのアパート住んでるの私だけだし 隣も空き家だも~ん」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「私はめちゃくちゃメイワクしたよッ」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「百物語のトリに持ってくるくらい怖かったんだからねッ!」
パイセン「俺の明晰な頭脳は見逃さないぞ⋯⋯! お前の話にはおかしな点がある!」
パイセン「本当は霊なのに俺達をダマそうとしている 証拠だッ」
幽チューバー?「ナニがおかしいのさ~ 言ってみなよ!」
パイセン「お前は幽体離脱中は物に触れないから」
パイセン「音声入力でないとゲームできないと言ったが」
パイセン「さっきここでチャイム連打したじゃねーか!」
幽チューバー?「た、確かにしたわ⋯⋯意外とできてたわ⋯⋯」
宙羽 遊(ちゅうば ゆー)「珍しくマトモな指摘だ⋯⋯ッ!」
幽チューバー?「てことはあれか⋯⋯? 磁場のせいか霊達のせいか知らんけど」
幽チューバー?「あの部屋にいる間がより霊に近い性質に なってるのか⋯⋯?」
「もう引っ越せよーー!」
幽チューバー?「この状態で出歩くの初めてだけど、 なんか調子いいと思ったんだよね~」
幽チューバー?「もしかしてこの部屋ならアクションゲームもできるんじゃ!?」
幽チューバー?「たまにやりに来ようかな~」
「二度と来ないで~~!」
ごくまれになら来てもいいという事で
お引き取りいただいた⋯⋯
二人とも、ずっと何を騒いでるんだ⋯⋯?
誰かいる? 二人しか映ってないけど⋯⋯
音声もノイズでほとんど聞き取れない⋯⋯
幽チューバー?「私が幽チューバーじゃない事がバレちゃう!」
「バレてないと思ってたんかーーーい!!」
前回までの話しのようにこの言葉の裏には凄い秘密が隠されているのかーと考えてました😂😂😂
復活の呪文だったなんて😂😂😂
本当に怖い怪談を集めれば幽霊さんたちも気合入れて出てくれるんですね。
でも、鉄板ネタは何度目だよと、幽霊さんは呆れかえってそうなのです(; ・`д・´)
めっちゃ面白かったです!
幽チューバー!その発想からして
すごいです!👻
最初から復活の呪文だなこれ…ってみんなわかってるかと思ったらコメ欄にそういう記載がないッ…!世代が憎い!
復活の呪文暗証は小学生時分の必須科目でした。IIは長かったですよねー。今でも有名なやつと自分のやつは一個ずつ覚えてます。
今回はゆーちゃんのセンパイ押してきて!の表情が抜群に可愛かったです。