恐怖の同居生活 ⅱ(脚本)
〇一戸建て
〇一人部屋
北極氷河「はぁ・・・」
北極氷河「生瀬さんとの両想いが確定したと 思っていたのに・・・」
〇体育館裏
北極氷河「お、俺・・・生瀬さんのことが・・・」
北極氷河「前から・・・ずっと・・・」
北極氷河「す、好・・・」
生瀬涼子「あの・・・!」
生瀬涼子「私、用事があるから・・・!」
北極氷河「・・・え?」
〇一人部屋
北極氷河「好かれているのにフラれるとは・・・ 完全に想定外だった・・・」
北極氷河「俺はこの先・・・どうすればいいんだ・・・」
生瀬涼子「ほんと、どうすればいいんでしょうね~」
北極氷河「まったくです・・・」
北極氷河「・・・って」
生瀬涼子「あらあら、大丈夫ですか・・・?」
北極氷河「な、生瀬さんの生き霊さん!?」
北極氷河「なんでまた、俺の家に 入って来てるんですか・・・!?」
生瀬涼子「なんでって・・・前に言ったじゃないですか」
生瀬涼子「生瀬涼子はあなたのことが好きすぎて、 生き霊を飛ばすようになってしまったって」
生瀬涼子「彼女があなたのことを想い続ける限り、 私はいつでも、どこにでも現れますよ♡」
北極氷河(な・・・)
北極氷河(なん、だと・・・?)
生瀬涼子「氷河くん、このゲーム機 持ってるんですね〜・・・!」
生瀬涼子「私、これ持ってないんですよ〜 いいな〜♪ いいな〜♪」
北極氷河「あの・・・良かったら、遊びますか・・・?」
生瀬涼子「良いんですか・・・? 氷河くん、ありがとうございます!」
北極氷河(な、なんだこの状況は・・・?)
北極氷河(生瀬さんの生き霊さんは、霊体なのに 普通にコントローラー握ってるし・・・)
北極氷河「な、生瀬さん・・・!? どうしたんですか・・・!?」
生瀬涼子「い、今、蜘蛛の姿の敵が出て来て・・・ 私、虫がちょっと苦手なんです〜・・・」
北極氷河(ぐっ・・・! 俺も虫は大の苦手で、 蜘蛛の敵に恐れて、俺はこのゲームを 先に進めることが出来なくなったんだ・・・)
生瀬涼子「あっ! 強くてたくましい氷河くんなら、 こんな敵、あっさり倒せるんですよね!?」
北極氷河「えっ・・・!?」
生瀬涼子「あれ・・・? もしかして、 氷河くんも苦手なんですか・・・?」
北極氷河「や、やだなぁ・・・! そんな訳ないじゃないですか・・・!」
北極氷河(コントローラーを受け取ってしまったが、 ど、どうする、俺・・・!?)
〇岩の洞窟
北極氷河(や、やっぱり怖い・・・!)
北極氷河(だが、生瀬さんが見てるんだ・・・! 情けない姿を見せる訳には・・・)
〇一人部屋
北極氷河「ヒィッ!? か、噛み付いてきたぁ!!」
生瀬涼子「氷河くん、大丈夫ですか・・・!?」
北極氷河「だ、大丈夫大丈夫! こんな奴、 すぐにやっつけてやりますよ・・・!」
北極氷河(マ、マズイ・・・もう、 恐怖のあまり失禁しそうだ・・・)
北極氷河(耐えるんだ・・・! 俺の膀胱・・・!)
〇岩の洞窟
北極氷河(ん・・・? なんだこの音・・・)
北極氷河(な、なにィ!? ふ、増えただとォ!?)
〇一人部屋
北極氷河(1体でも無理なのに、何体も 出て来るとか反則だろうが・・・!)
生瀬涼子「あっ! 氷河くん! やられちゃいますよ!」
北極氷河(そ、そうだ・・・! こうなったら、 難しくて倒せなかったことにすれば・・・)
生瀬涼子「うぅ・・・私、氷河くんが 負けるところなんて見たくありません・・・」
生瀬涼子「そんなの・・・悲しいです〜・・・!」
北極氷河(な、生瀬さんが目を潤ませながら、 俺のことを見つめている・・・!)
北極氷河(絶対に倒さなきゃいけないのに、 これ以上画面を見ていたら・・・ 意識が飛んで・・・にょ、尿が・・・!)
北極氷河(くっそおおおおおおお!! 負けてたまるかああああッ!!)
北極氷河(追い詰められて・・・つい・・・ テレビをぶっ壊してしまった・・・)
生瀬涼子「さ・・・」
生瀬涼子「さすが、氷河くん! 物理的に ゲームの敵を殲滅してしまうなんて!」
生瀬涼子「常識外れで規格外のワイルドさ! それでこそ氷河くんです・・・!」
北極氷河「そ、それほどでも・・・!」
北極氷河(お・・・)
北極氷河(お、俺の・・・テレビが・・・)
〇黒背景
その後も、生瀬さんの生き霊さんは、
唐突に俺の前に姿を現し続けた・・・
〇清潔なトイレ
北極氷河「ふぅ・・・」
北極氷河「恐怖が襲ってきても失禁しないように、 しっかりと出し切っておかなければ・・・」
生瀬涼子「氷河くん〜遊びに来ました〜」
生瀬涼子「あっ! す、すみません〜!」
生瀬涼子「私ったら、ついうっかり、 間違えてトイレに突入してしまいました〜!」
北極氷河(何をどう間違えたらそうなるんだ!?)
〇おしゃれなリビングダイニング
生瀬涼子「氷河くん〜!」
〇コンビニの雑誌コーナー
生瀬涼子「氷河くん〜!」
〇空
〇住宅街
北極氷河「うぅ・・・」
北極氷河「24時間、生瀬さんの生き霊さんが いつでも、どこにでも現れる生活・・・」
北極氷河「こんな生活・・・俺の精神が持たんぞ・・・」
おい! 北極氷河!
北極氷河「・・・ん?」
不良A「今日こそテメェをぶっ潰してやる!」
不良A「早朝でまだ体も温まっていないうちなら、 テメェも本調子じゃねぇだろうが!」
北極氷河「あぁん・・・?」
北極氷河(こんな時に不良が・・・ 生瀬さんの疲労で、こっちには 相手にしてる余裕なんてないぞ・・・!)
不良A「な、なんだこいつ・・・? いつもより顔がやつれて・・・ は、迫力が増している・・・?」
北極氷河「おい・・・俺は今、余裕がないんだ・・・ 用があるなら、手短に頼むぞ・・・」
不良C「ヒィッ!? すんません! 俺はただ、 アニキに無理やり付き合わされただけで!」
不良B「そそそ、そうですそうです! 悪いのは全部アニキなんですぅ〜!」
不良A「おい! テメェら何言ってんだコラァ!?」
不良C「じゃあ、アニキ! あとは頼みました!」
不良B「遅刻しないように学校に行かなきゃ〜!」
不良A「あいつらァ〜・・・ ふざけやがってェ〜・・・」
北極氷河「おい、どうするんだ・・・? や、やるのか・・・?」
不良A「うるせェ! テメェなんか、 俺一人で十分なんだよォ!」
〇空
不良A「いぎゃあああああああッ!?」
〇体育館裏
生瀬涼子「氷河くん〜♡ 待ってくださいよ〜♡」
北極氷河(朝に不良を追い払ったと思ったら、 午後は生瀬さんの生き霊さんと エンカウントしてしまった・・・)
北極氷河(生瀬さんの本体さんは 全然素直になってくれないし・・・ 生き霊さんには悩まされる日々・・・)
北極氷河(正直、もう限界だ・・・ 生き霊さんに本当のことを話して、 もうこの恋は終わりにしてしまおうか・・・)
北極氷河「うわっ!? ビックリしたぁ!!」
北極氷河「ちょっと、生き霊さん! いきなり叫ばないでくださいよ!?」
生瀬涼子「ち、違います! 私、何も言ってないですよ!?」
北極氷河「・・・ということは、今の声は!?」
〇体育館の裏
生瀬涼子「や・・・」
生瀬涼子「やめて・・・来ないで・・・!」
北極氷河「生瀬さん! 大丈夫ですか!?」
生瀬涼子「ほ、北極くん・・・!」
北極氷河「そんなに弱々しく震えて・・・ 一体何があったんですか・・・!?」
女子生徒「北極氷河、別にあんたの 出る幕じゃないから・・・」
北極氷河「え・・・?」
北極氷河「な・・・!? こ、こいつは・・・」
女子生徒「ただの蜘蛛よ・・・ 涼子、虫が苦手だからさ・・・」
生瀬涼子「だ、だって! 脚がいっぱいあるし! 歩き方だって怖いんだもの・・・」
北極氷河「分かります! 目もいっぱいあるし、 この姿を見るだけで思わず失禁・・・」
生瀬涼子「え・・・シッキン・・・?」
北極氷河「し、至近距離からどつきたくなりますよね!?」
北極氷河(危ない・・・生瀬さんと同じ恐怖を 分かち合いたくて、つい本音が・・・)
女子生徒「まったく、そんなに怖がらなくても・・・ 蜘蛛なんてほっとけばいいじゃん・・・」
生瀬涼子「だ、だって! ここの掃除当番だし、 ちゃんと綺麗にしないと・・・!」
女子生徒「じゃあ、早く蜘蛛ごと掃除しようよ・・・」
生瀬涼子「でも、それじゃ蜘蛛さんが可哀想だし・・・」
北極氷河(な、生瀬さん・・・! なんて真面目で優しい人なんだ・・・)
北極氷河(やっぱり俺は・・・ 生瀬さんのことが好きだ・・・)
え〜オホン、生徒の呼び出しをします〜
矢田玲奈〜、至急職員室まで来るように〜
矢田玲奈「あ、なんか職員室から呼び出しが・・・」
矢田玲奈「ごめん涼子、私ちょっと行って来るから」
生瀬涼子「えぇ〜!? 玲奈、ちょっと待って〜!」
生瀬涼子「うぅ〜、ど、どうしよう・・・」
北極氷河(生瀬さんが困っている・・・!)
北極氷河(こんな状況、俺が助けないで 誰が助けてあげるっていうんだ!!)
ざとういちさんこんばんは!
お邪魔致します🤗
涼子さんも好きなんですけど、生霊も好きなんですよね
なんとあれ程強い北極くんも蜘蛛は苦手でしたか!
奔放な生瀬さん(生霊)と、真面目で照れ屋な生瀬さん(リアル)、あれ、氷河くん、二度おいしい展開に入っているかもと思ってしまいましたww ホラー嫌いでなければ……
生き霊がいつでもどこでも現れるのは大変ですね!!😂
いくら好きな人だろうと、しかもあんな場所にまで現れるとは!!!!!!😂
うーん…めっちゃ好かれてるのに、実は虫が嫌いとかそういう部分もあることを分かち合えないのがもどかしいですね…そういう弱い部分も受け止めてくれたら良いのになーって思いますよね✨
面白かったです!!✨☺️