NO RYO!

ざとういち

恐怖の心霊現象!(脚本)

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〇空
「オ ラ ァ ッ !」

〇体育館裏
  うわああああああ〜ッ!?
北極氷河「どうした? もう終わりか?」
不良C「ひぃいいい〜!?」
不良B「北極氷河、怖すぎる〜!」
不良A「クソ〜! 覚えてろよ〜!」
北極氷河「フン・・・」
北極氷河(こ・・・)
北極氷河(怖かったぁ〜!)
北極氷河(俺の名前は北極氷河・・・ 誰もが恐れる学校一の不良、 表向きはそういうことになっている・・・)
北極氷河(だが、本当は、誰よりも小心者で ヘタレなビビりなのだ・・・)
北極氷河(不良、幽霊、高い所・・・世間一般的に 怖いとカテゴライズされる物全てに、 俺はもれなく恐怖を感じる・・・)
北極氷河(そんな恐怖に抗うために、無我夢中で 拳を振り回していたら、いつの間にか 強くなってしまっていたのだ・・・)
北極氷河「・・・ん?」
生瀬涼子「・・・・・・」
女子生徒「あ・・・また北極氷河が 喧嘩してるの・・・?」
女子生徒「ほんと、野蛮で低俗な人ね・・・ 涼子、あんなのに関わらないようにね」
生瀬涼子「う、うん・・・」
北極氷河「あ、あれは・・・生瀬涼子さん・・・!」
北極氷河「よりにもよって、彼女に喧嘩を 目撃されてしまうとは・・・!」
北極氷河(生瀬涼子さん・・・あの人は、 俺が恋い焦がれる高嶺の花・・・)
北極氷河(俺は彼女に告白したい・・・だが・・・)
北極氷河(いつも喧嘩に明け暮れているような 野蛮な俺を、彼女は嫌っているだろう・・・)
北極氷河(本当は、一方的に絡んでくる不良を 無我夢中で追い払っているだけだが・・・)
北極氷河「俺の恋は・・・始まる前に、 もうすでに終わっているんだ・・・」

〇空

〇住宅街
北極氷河「はぁ・・・」
北極氷河「なんだ・・・? 足音・・・?」
  ・・・・・・
北極氷河「・・・気のせいか」
北極氷河「いや、やっぱり本当に聞こえる・・・!」
北極氷河「誰だ!? また不良の連中か!? 仕返しなら・・・間に合ってるぞ・・・!」
  ・・・・・・
北極氷河「な、なんで誰もいないのに足音が!?」
北極氷河「いや・・・何か・・・いる・・・!?」
北極氷河「う・・・う・・・」

〇ビルの裏通り
北極氷河「はぁ・・・はぁ・・・!」
北極氷河「やめてくれ・・・! ついて来るな・・・! もう勘弁してくれぇ〜!」

〇一戸建て

〇一戸建て

〇一人部屋
北極氷河「なんとか無事帰れたが・・・ さっきの影は一体・・・」
北極氷河「ん・・・?」
北極氷河「なんだ今の妙な音は・・・?」
北極氷河「今度こそ、気のせいか・・・?」
北極氷河「クソ・・・! また何度も聞こえる・・・!」
北極氷河「いや、落ち着け・・・よく考えろ・・・ こんな些細な音、木材が軋んでるだけ・・・」

〇一人部屋
北極氷河「な・・・!? て、停電・・・!?」
北極氷河「ありとあらゆる音がする!!」
北極氷河「やっぱりさっきの黒い影が・・・ 家の中まで入って来てたんだ・・・!」
北極氷河「すんません・・・! 勘弁してください・・・!」
北極氷河「俺は、そんな怒らせるつもりは なかったんです・・・!」
北極氷河「お願いします・・・! どうか、許してください・・・!」
???「・・・・・・」
???「無い・・・無い・・・」
???「どこにも・・・無い・・・」
北極氷河「もう駄目だぁ! 俺は呪い殺されるんだぁ!」
???「あっ」
???「あった! ありました!」
北極氷河「え・・・?」

〇一人部屋
生瀬涼子「あっ」
生瀬涼子「良かった〜電気が付きました〜」
生瀬涼子「間違えて電気を消してしまって・・・ 一時はどうなることかと思いました」
北極氷河「・・・・・・」
生瀬涼子「あら、いけない・・・ 私ったら・・・挨拶もしないで・・・」
生瀬涼子「氷河くん、どうもこんばんは〜」
北極氷河「あ、どうも・・・こんばんは・・・」
北極氷河「って、そうじゃなくて!」
北極氷河「生瀬さん・・・! 何故、そんな・・・ あからさまな幽霊の格好を・・・!」
北極氷河「いやいや! なんでそもそも、俺の家に!」
北極氷河「ていうか・・・生瀬さん、もしかして 死んじゃったんですか!?」
生瀬涼子「あらあら、忙しいですね・・・ どれから答えれば良いのでしょうか・・・」
北極氷河「あっ、す、すんません・・・! つい、取り乱して・・・」
生瀬涼子「無理もないですよね・・・」
生瀬涼子「クラスメイトが突然、霊体になって 家の中に現れたんですから・・・」
北極氷河「霊体って・・・そんな・・・やっぱり・・・ 生瀬さんは・・・死んでしまったのか・・・」
生瀬涼子「違います、違います・・・! 私の本体は生きてるんです・・・!」
生瀬涼子「私はいわゆる“生き霊”って奴です」
北極氷河「い、生き霊ですってぇ!?」
北極氷河「・・・・・・」
北極氷河「・・・あの、重ね重ね、すんません 生き霊って、なんですか・・・?」
生瀬涼子「あら、氷河くんは生き霊をご存知ない?」
北極氷河「すんません・・・俺、そういうのあんまり 詳しくなくて・・・(怖いから)」
生瀬涼子「生き霊というのは、生きている人間の 強い思念によって、生きながらにして 霊魂が外に飛び出してしまう現象のことです」
北極氷河「えっと・・・つまり、 どういうことですか・・・?」
生瀬涼子「今も生瀬涼子は普通に自宅で いつも通りに過ごしているのですが」
生瀬涼子「私は、彼女の意思とは別に、 外に飛び出して行動しているという訳です」
北極氷河(分かったような、分からないような・・・)
北極氷河「それで・・・生瀬さんの生き霊さんは、 なんで俺の家に来たんですか・・・?」
北極氷河「もう、何が何だかさっぱり 意味が分からないのですが・・・」
生瀬涼子「先程、生き霊は強い思念によって 外に飛び出すと言いましたよね・・・?」
生瀬涼子「私は、生瀬涼子の強い想いによって、 あなたの元へとやって来たのです・・・!」
北極氷河「強い想い・・・?」
生瀬涼子「私は・・・」
生瀬涼子「北極氷河くんのことが好きなんです」
北極氷河「え・・・?」
北極氷河「ええええええええええっ!?」
生瀬涼子「あ、つい言っちゃった・・・ 私ったら、恥ずかしい・・・」
北極氷河「そ、そそそそ、そんな・・・ 好きって、なんで俺を!?」
生瀬涼子「氷河くんは、いつも強くて カッコ良くて・・・」
生瀬涼子「どんなに怖い相手にも、 恐れずに立ち向かっている・・・!」
生瀬涼子「私、生瀬涼子は、そんなワイルドで たくましい男の子が性癖なんです・・・!」
北極氷河(せ、性癖・・・)
生瀬涼子「生瀬涼子は無意識に 生き霊を飛ばしてしまうほど、」
生瀬涼子「あなたのことが好きで好きで たまらないのです・・・!」
北極氷河(そうか・・・! 良かったぁ〜! 俺と生瀬さんは両想いだったんだ!)
北極氷河(俺は晴れて生瀬さんと結ばれて、 ハッピーエンドに・・・)
生瀬涼子「だからね・・・氷河くん・・・」
北極氷河(あれ・・・なんだか寒気が・・・)
生瀬涼子「私の想い・・・受け取って・・・」

〇一人部屋
北極氷河「な、生瀬さん・・・!? また電気消えましたよ!?」
生瀬涼子「ごめんなさい・・・私、気持ちが昂ると 怪現象を引き起こしてしまうのです・・・」
北極氷河「か、怪現象・・・!?」
生瀬涼子「大丈夫、大丈夫・・・ ちょっと不気味で恐ろしいことが 頻発するだけですから・・・」
北極氷河(全然大丈夫じゃねぇーッ!!)
北極氷河(俺は怖いのが苦手なんだ・・・! そんな恐ろしい目に遭ったら・・・)
北極氷河(泡を吹きながら白目を剥いて、 失禁してしまうかもしれない・・・!)
北極氷河(そんな姿・・・例え生き霊と言えども、 生瀬さんに見せられる訳がない・・・!)
北極氷河「生瀬さん! ちょっと待ってください!」
生瀬涼子「え・・・?」
生瀬涼子「ごめんなさい・・・氷河くんは・・・ 私のこと、好きじゃないんですね・・・」
北極氷河「ち、違います! そうじゃなくて!」
北極氷河「俺、直接生瀬さん本人に 気持ちを伝えたいんです・・・!」
北極氷河「やっぱり、こんな本人の知らない所で 生き霊さんに伝えるなんて・・・」
北極氷河「男らしくないと思ったんです!」
生瀬涼子「氷河くん・・・! な、なんて男らしい人・・・!」
生瀬涼子「そういうことなら、分かりました・・・!」
生瀬涼子「私はとりあえず、今日のところは 大人しく退散するとしますね・・・!」
生瀬涼子「では、また明日・・・! 学校で・・・!」
北極氷河「な、なんとか・・・やり過ごせた・・・」
北極氷河「よし! 生瀬さんの気持ちは 分かったんだ・・・!」
北極氷河「明日、俺は決めるぞ・・・!」

〇大きな木のある校舎

〇体育館裏
  生 瀬 さ ん !!
生瀬涼子「え・・・?」
生瀬涼子「北極くん・・・? 突然どうしたの・・・?」
北極氷河「お、俺・・・生瀬さんのことが・・・」
北極氷河「前から・・・ずっと・・・」
北極氷河「す、好・・・」
生瀬涼子「あの・・・!」
生瀬涼子「私、用事があるから・・・!」
北極氷河「・・・え?」
北極氷河「え?」
北極氷河「えええええっ!?」
北極氷河「なんで!? 生瀬さんは・・・ 俺のことが好きなはずじゃ・・・!」
  あちゃー・・・駄目でしたね〜・・・
北極氷河「生瀬さん・・・の生き霊さん!?」
北極氷河「あの! さっきのは・・・ どういうことですか!?」
生瀬涼子「私の本体はとっても 恥ずかしがり屋さんで・・・」
生瀬涼子「生き霊の私と違って、 全然素直になれないんですよね〜・・・」
生瀬涼子「えっと・・・まぁ・・・」
生瀬涼子「頑張ってください♡」
北極氷河(他人事のように!!)
  こうして、北極氷河の
  苦難の日々は始まった・・・

次のエピソード:恐怖の同居生活 ⅱ

コメント

  • おっこれは涼子ちゃん、すんなりOKか!?😆
    と思っていたら、素直になれない性格だなんて~💦
    氷河くんが、どうやって涼子ちゃんとくっつくのか楽しみですね✨

  • 本体と生霊の性格が違うって、まさかの展開がww
    色々なドキドキ感が合わさったこの作品世界、面白すぎてクセになりそうです!

  • 「NO RYO!」は、学校一の不良の北極氷河が恋心を抱きながらも、絡んでくる不良たちとの喧嘩に明け暮れているというストーリーです。この作品は、勇敢な主人公が苦悩しながらも自分自身を超えようとする姿に感動しました。北極氷河の内面の葛藤や小心者な一面も描かれており、彼の成長が楽しみです。また、生瀬涼子の登場によって物語に新たな展開が生まれており、次回作も期待しています。全体として、緊張感と恋愛要素が絶妙に組み合わさった作品で、一気に引き込まれました。

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