第四夜:忘れられた誰か(脚本)
・・・痛いっ!!
・・・痛いよっ!?
やめて・・・!!
やめてよカエデ・・・!!
嘘だろ・・・!?
俺らの声が聴こえないのかよ・・・!!?
何でだよ・・・!!
ナナセ・・・!!!!
カエデ・・・!!
お願い・・・!!
目を覚ましてっっ!!
〇女の子の一人部屋
七瀬楓「また夢・・・!?」
七瀬楓「うぅ・・・」
七瀬楓(何かずっと)
七瀬楓(あんな夢を見てる気がする・・・)
七瀬楓(一体誰の声なの──)
七瀬楓「お、お父さん?」
楓の父親「おはよう楓」
七瀬楓「おはよう・・・」
楓の父親「父さん、これから仕事だから」
楓の父親「戸締まり頼むぞ?」
七瀬楓「うん・・・」
楓の父親「ん? どうした・・・?」
七瀬楓「う、ううん・・・何でもないの・・・」
楓の父親「そうか・・・」
楓の父親「何かあったらすぐ連絡しなさい」
七瀬楓「う、うん。ありがとうお父さん・・・」
楓の父親「それじゃ。行ってきます」
七瀬楓「行ってらっしゃい」
七瀬楓(ため息も多くなった気がする・・・)
七瀬楓(心配かけないようにしなきゃ・・・)
〇線路沿いの道
〇中規模マンション
〇学生の一人部屋
山田健太郎「だぁあああっ!!?」
松井優斗「はい。これで俺の勝ちー」
山田健太郎「くそがっ!!」
山田健太郎「もっがいだっ!!」
松井優斗「えー」
松井優斗「流石にもう飽きたんだけど・・・」
山田健太郎「うるせぇよ!!」
山田健太郎「一度も勝ててねぇんだぞこの野郎!!」
松井優斗「いや知らんがな・・・」
松井優斗「あのさ」
山田健太郎「何だよ」
松井優斗「この前さ」
松井優斗「なるべく外出するなって言ってたじゃん?」
山田健太郎「おう」
松井優斗「そう言ってる割にお前」
松井優斗「家まで来るのな」
山田健太郎「い、家の中は安全だろうが」
松井優斗「だとしてもだろ」
松井優斗「このゲームだってさ」
松井優斗「オンライン対応してるじゃん」
松井優斗「わざわざここでやる必要あるか?」
山田健太郎「だ、だってそれは・・・」
山田健太郎「寂しいじゃんか・・・」
松井優斗「う、うわぁ・・・」
山田健太郎「な、何だよその反応は!?」
松井優斗「やっぱお前、そっちなのか?」
山田健太郎「だからねぇって!!!」
松井優斗「俺には見えたぞ・・・」
山田健太郎「何がだよっ!?」
松井優斗「隙あり」
山田健太郎「ちょっまっ──」
山田健太郎「ぎゃああぁああっ!?」
松井優斗「毎回ワンパターンなんだよ・・・」
山田健太郎「もっがいっっっ!!!」
松井優斗「そんな調子じゃ」
松井優斗「俺には一生勝てねぇよ」
山田健太郎「うるせぇっ!!!」
山田健太郎「絶対次は勝つからなっ!!」
松井優斗「へいへい・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
七瀬楓「いただきます・・・」
七瀬楓(・・・)
七瀬楓(し、静かだなぁ・・・)
七瀬楓(家ってこんなんだったかな──)
〇黒
カエデ・・・・・・
〇おしゃれなリビングダイニング
七瀬楓「だ、誰っ!?」
七瀬楓「・・・っ」
七瀬楓(落ち着け私・・・)
〇飾りの多い玄関
〇飾りの多い玄関
相田愛子「かーえでっ!」
相田愛子「おはよっ!」
相田愛子「遊びにきたよ──」
七瀬楓「”あ”い”ぢゃんっ!!」
相田愛子「わっわっわっ!?」
相田愛子「なになになにっ!?」
相田愛子「急に抱きついて──」
相田愛子「か、楓。苦しいっ!!」
七瀬楓「”あ””い”ぢゃあん!!」
相田愛子「分かったって!!」
相田愛子「離れな、さいっ!!」
七瀬楓「あだっ!?」
七瀬楓「ひ、酷いよあいちゃん・・・」
相田愛子「こっちのセリフよ・・・」
七瀬楓「だ、だってぇ・・・」
七瀬楓「心細かったんだもん・・・」
相田愛子「心細いって・・・」
七瀬楓「怖いんだもん・・・」
相田愛子(駄々っ子か)
七瀬楓「愛ちゃん」
七瀬楓「何か落ちたけど・・・?」
相田愛子「あっそうそうこれね」
相田愛子「楓と一緒に行きたいなって」
相田愛子「テーマパークのチケットだよ」
七瀬楓「テーマパーク?」
相田愛子「そうっ!」
相田愛子「一緒に行かない?」
七瀬楓「行きたい行きたい!」
相田愛子「良かった」
相田愛子「これなら計画通りにいけそうね」
七瀬楓「へ?」
七瀬楓「どういうこと?」
相田愛子「うふふ」
相田愛子「それは後のお楽しみ」
七瀬楓「???」
〇学生の一人部屋
松井優斗「ここはこうして──」
山田健太郎「その手には乗らんっ!!」
松井優斗「それじゃカウンターで」
山田健太郎「うそだぁああっっ!!?」
松井優斗「これで俺の20勝0敗──」
松井優斗「いやお前・・・20連敗って・・・」
山田健太郎「うるせぇっ!!」
山田健太郎「優越感に浸りやがってっ!!」
松井優斗「いやある意味すげぇよ」
松井優斗「その執念には完敗だよ」
山田健太郎「全く褒められてる気がしねぇっ!!」
松井優斗「いやいや褒めてるって」
山田健太郎「その満面の笑みが余計に腹立つぅっ!」
山田健太郎「もっがいだぁっ!!」
松井優斗「へーいへい──」
松井優斗「ん?」
山田健太郎「何だよ怖気ついたかぁっ?」
松井優斗「いや相田から連絡が届いてさ・・・」
山田健太郎「相田?」
松井優斗「えーっと・・・?」
山田健太郎「どした?」
松井優斗「テーマパークに来いってさ・・・」
山田健太郎「テーマパーク??」
山田健太郎「最近できたやつか?」
松井優斗「あっ。あぁ・・・」
山田健太郎「呑気なもんだなぁ」
山田健太郎「外は危ないってのに」
山田健太郎「相田には申し訳ないけど」
山田健太郎「今回は断って──」
松井優斗「そ、それは駄目だっ!!」
山田健太郎「な、何でさ」
山田健太郎「さっきから歯切れも悪いし・・・」
松井優斗「・・・っ」
松井優斗「と、とにかく・・・」
松井優斗「行くぞっ!!」
山田健太郎「はぁっ!?」
山田健太郎「今からぁっ!?」
〇遊園地の広場
相田愛子「流石に人多いわねー」
???「──ちゃん」
相田愛子「やっぱ皆、気になってたのかしら」
???「愛ちゃんっ!!」
相田愛子「何よ?」
七瀬楓「”何よ”じゃないよっ!!」
相田愛子「何で小声?」
七瀬楓「だ、だって・・・」
七瀬楓「松井君たちがいるし・・・」
相田愛子「そんな恥ずかしいの?」
山田健太郎「おい松井」
松井優斗「んー?」
山田健太郎「何で誘いに乗ったんだよ?」
松井優斗「あー・・・」
松井優斗「まぁあれだよ・・・」
松井優斗「気分転換だよ・・・」
山田健太郎「お前・・・」
山田健太郎「言ってることと表情が合ってないぞ・・・?」
相田愛子「まーつい!」
松井優斗「お、おう相田・・・」
相田愛子「二人ともごめんねー?」
相田愛子「急に誘って」
相田愛子「来てくれて嬉しいわぁ」
松井優斗「よく言うよ・・・」
相田愛子「何か言った?」
松井優斗「な、何もないです。はい・・・」
山田健太郎「?」
相田愛子「あ。そうそう松井」
相田愛子「楓から話があるみたいよ?」
松井優斗「七瀬?」
七瀬楓「あ、愛ちゃん!?」
松井優斗「何だ? 話って・・・?」
七瀬楓「いや、えっと、それは」
七瀬楓「そのぉ・・・」
相田愛子(うふふ)
相田愛子(頑張れ楓っ!)
山田健太郎「何だよ話って?」
相田愛子「山田には関係ないわよ?」
山田健太郎「な、何だよそれぇ?」
相田愛子「ほら行きましょ」
山田健太郎「?」
相田愛子「デートよデート!」
山田健太郎「はぁっ!?」
相田愛子「あら? 喜びなさいよ」
相田愛子「こんな美人とデートできるんだから」
山田健太郎「いやどこがだよ──」
山田健太郎「あだだだだだだっ!?」
相田愛子「それじゃ二人とも」
相田愛子「ごゆっくりー」
山田健太郎「ほ、頬を引っ張るなぁっ!?」
山田健太郎「な、ななへぇっ!」
山田健太郎「まふいいぃっ!?」
山田健太郎「助けへぇっ!?」
七瀬楓「え、えっと・・・」
松井優斗「すまん山田・・・」
山田健太郎「お前、相田と何があったんだよぉっ!?」
相田愛子「ほら行くわよだーまえ」
山田健太郎「何だそのあだ名はぁっ!?」
山田健太郎「何だってんだよおおおっ!!?」
松井優斗「それで・・・」
松井優斗「話って?」
七瀬楓「え、えっとぉ・・・」
松井優斗「まぁとりあえず」
松井優斗「見て回ってみるか?」
松井優斗「せっかく来たし」
七瀬楓「う、うん・・・!」
〇レトロ喫茶
??(おやおや)
??(もう来たみたいですねぇ・・・)
??(楽しませてほしいものですねぇ)
??(七瀬さん・・・)
テーマパークのデート回、見ていてニマニマしてしまう可愛らしい展開なのですが、要所要所で挿し込まれる要素により、ストーリーの根底にある不穏さや恐ろしさも思い出してしまいます😢
この感情の揺さぶり方、恐れ入りました🙇♀️
喫茶店の男の子。黒い何かが落ちてきたとニュースに出てきた子と同じですね。あれも何かのきっかけなのかな。
そしてスチルが…声をかけていたのは彼女なのか
後半のわちゃわちゃにはなごみましたが……
や、やっぱりお母さん……お母さーん!😱😱😱
次回の変身が楽しみでもありつつ、怖いです😭