魔法少女は眠らない

夜缶

第五夜:テーマパーク(脚本)

魔法少女は眠らない

夜缶

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〇遊園地の広場
従業員「こちら夢が広がるファンタジーゾーン!」
従業員「楽しいアトラクションがいっぱいあるよー!」
従業員「さぁさぁ君もおいでっ!!」
子供「ねこさん! 風船ちょうだい!」
従業員「いいよー! さぁ受け取って!」
子供「ありがとー!」
従業員「どういたしまして!」
従業員「はーいこちらサイエンスゾーン!」
従業員「最新の人工知能を搭載した──」
従業員「ロボットとお喋りしたり触れ合えるよっ!」
従業員「今なら待ち時間5分だよー!!」
ロボット「お待ちしてます」
松井優斗「へー」
松井優斗「あんなのもあるんだなぁ」
松井優斗「七瀬は気になるところあるか?」
七瀬楓(へへへ・・・)
七瀬楓(私、松井君とデートしてるっ!)
七瀬楓(うへへ・・・)
松井優斗「七瀬?」
七瀬楓「は、はひっ!?」
松井優斗「大丈夫か?」
七瀬楓「ご、ごめんね! ぼーっとしてただけ!」
松井優斗「ならいいんだが・・・」
松井優斗(腹減ってんのかな・・・?)
松井優斗(よだれ垂れてたし)
七瀬楓(お、落ち着け私!)
七瀬楓(普段通り普段通り・・・!)
???「ちょいとそこのお二方」
七瀬楓「?」
???「こっちですこっち!!」
七瀬楓「あっ!」
七瀬楓「すみません気付かなくて・・・」
従業員「あはは。いいんですよー」
従業員「昔から影薄いもので・・・」
七瀬楓「あ、あの・・・?」
従業員「あぁいえこちらの話です!」
従業員「それよりもお二方」
従業員「ホラーゾーンはいかがでしょうか?」

〇テラス席
相田愛子「んー!」
相田愛子「甘くておいしっ!」
相田愛子「アンタも食べる?」
山田健太郎「いやいいよ・・・」
相田愛子「あらそう」
相田愛子「美味しいのに」
相田愛子「楽しまなきゃ損よ」
山田健太郎「楽しむって・・・」
山田健太郎「いきなり連れてこられたんだぞ」
山田健太郎「わざわざ分かれた理由もよく分からんし」
相田愛子「気になる?」
山田健太郎「おう」
相田愛子「あの子、松井のこと好きなのよ」
山田健太郎「へ?」
山田健太郎「あの子?」
相田愛子「楓よ」
山田健太郎「あー」
山田健太郎「七瀬かぁ」
山田健太郎「はぁっ!?」
山田健太郎「七瀬がぁっ!?」
相田愛子「お手本のような驚き」
相田愛子「アンタ、芸人になれるわよ」
山田健太郎「余計なお世話だよっ!!」
山田健太郎「いつからだよ?!」
相田愛子「それは知らない」
山田健太郎「アイツのどこに惚れたっ!?」
相田愛子「それも知らない」
山田健太郎「あんな適当で雑なアイツのどこに・・・!?」
相田愛子「そこまで言う?」
相田愛子「友達でしょアンタら」
山田健太郎「友達だからだよっ!」
相田愛子「あらそう」
相田愛子「まぁ確かに」
相田愛子「雑で適当なのは分かるけどね」
相田愛子「あんな馬鹿なことするぐらいだもの」
山田健太郎「ん?」
山田健太郎「何があったんだよ?」
相田愛子「実はね──」

〇教室
松井優斗「あ、あれ・・・?」
松井優斗「確かここに・・・」
???「あらあら」
相田愛子「何か探し物?」
松井優斗「あ、あぁちょっとな」
相田愛子「もしかして」
相田愛子「これのこと?」
松井優斗「そ、それは・・・!?」
相田愛子「今日のテスト用の──」
相田愛子「カンニングペーパーよね?」
松井優斗「うっ・・・」
松井優斗「はい・・・」
相田愛子「まぁそうね」
相田愛子「黙っててあげるわよ」
松井優斗「た、助かる──」
相田愛子「ただし!」
相田愛子「次やったら承知しないわよ」
松井優斗「か、返す言葉もございません・・・」
相田愛子「いいわね?」
松井優斗「はい・・・」

〇テラス席
相田愛子「──っていうことがあったの」
山田健太郎(アイツの挙動がおかしい原因はそれか?!)
山田健太郎「マジで馬鹿・・・」
相田愛子「ほんとね」
相田愛子「気持ちは分からない訳ではないけど」
山田健太郎「なら見逃してやれよ」
相田愛子「それは嫌よ」
相田愛子「これでもクラス委員長だし」
相田愛子「見逃せないわよ」
山田健太郎「真面目なのな」
相田愛子「どうも」
山田健太郎「・・・」
山田健太郎「余計に謎だよな」
山田健太郎「七瀬がアイツに惚れたの・・・」
相田愛子「ホントにねー」
山田健太郎「お前は心配じゃないのか?」
相田愛子「何が?」
山田健太郎「七瀬に決まってるだろ」
山田健太郎「あんな馬鹿に惚れて・・・」
相田愛子「んー」
相田愛子「心配はしてる」
相田愛子「でも・・・」
相田愛子「多分大丈夫」
山田健太郎「何で?」
相田愛子「親友だから」
山田健太郎「あぁ」
山田健太郎「それもそうか」
相田愛子「それに」
相田愛子「少なからずきっかけがあるもんでしょ」
相田愛子「そういうのって」
山田健太郎「まぁそうか」
山田健太郎「上手くいくといいな」
相田愛子「そうね」
相田愛子「せっかくだし」
相田愛子「私たちも付き合っちゃう?」
山田健太郎「ハハハッ!」
山田健太郎「冗談は顔だけにしろよ」
山田健太郎「いへへへっっ!!?」
相田愛子「そこは嘘でもいいなさいよー」
山田健太郎「俺が悪いのこへぇっ!?」
??「あのーすいません・・・」
相田愛子「・・・?」
山田健太郎「い、いでで・・・」
山田健太郎「ど、どうした──」
??「ちょーっと話を聴いてほしいのですが・・・」


〇遊園地の広場

〇お化け屋敷

〇暗い廊下
松井優斗「な、七瀬?」
七瀬楓「い、今行くよ」
松井優斗「何か寒気するよなー」
七瀬楓「う、うん・・・」
七瀬楓(それもそうだけど・・・)
七瀬楓(何だろ・・・)
七瀬楓(いや・・・)
七瀬楓(気のせいだよね)
松井優斗「おっ?」
松井優斗「見つけたっ!」
松井優斗「これで脱出できるな」
七瀬楓「よ、良かった」
七瀬楓「早く行こう松井君!」
松井優斗「おう──」
松井優斗「に、逃げるぞっ!?」
七瀬楓「う、うん!!」

〇お化け屋敷
松井優斗「き、きっつ・・・」
七瀬楓「そ、そうだね・・・」
松井優斗「楽しそうだな七瀬・・・」
七瀬楓「えっあっ・・・」
七瀬楓「いやぁその・・・」
七瀬楓「松井君があんなに驚くと思わなくてさ・・・」
松井優斗「あっ俺・・・?」
七瀬楓「意外だったから・・・」
松井優斗「俺を何だと思ってるんだよ・・・」
七瀬楓「だ、だって」
七瀬楓「いつも完璧なイメージがあるから・・・」
松井優斗「そうか?」
松井優斗「テキトーだよ」
松井優斗「気楽に生きてるだけだって」

〇教室
七瀬楓「えぇと次は・・・」
松井優斗「ん?」
松井優斗「七瀬?」
七瀬楓「松井君・・・」
松井優斗「日直か?」
七瀬楓「うん・・・」
松井優斗「めんどくさいよなー」
七瀬楓「あっ!?」
松井優斗「う、うぉ!?」
松井優斗「何だ急に・・・?」
七瀬楓「今月の終わりまでだよね!?」
松井優斗「ん?」
松井優斗「あー」
松井優斗「学級新聞ね」
七瀬楓「どうしよ・・・」
七瀬楓「まだ半分も書けてない・・・」
松井優斗「でもまだだろ?」
松井優斗「今月の終わりまでなら時間はあるし・・・」
七瀬楓「それはそうだけど・・・」
七瀬楓「皆に迷惑かけちゃうし・・・」
松井優斗「皆って?」
七瀬楓「班員の人達」
松井優斗「別によくね?」
七瀬楓「えぇっ!?」
七瀬楓「だ、駄目だよ!」
松井優斗「確かに間に合わせるのが一番だけどよ」
松井優斗「もう少し気楽に考えても良くね?」
松井優斗「先のことだし」
七瀬楓「気楽にって・・・」
松井優斗「そんじゃあれだ」
松井優斗「俺も一緒に怒られるよ」
七瀬楓「お、怒られるって・・・」
七瀬楓「流石に間に合わせるよ・・・」
松井優斗「まぁそれが一番だけど」
松井優斗「何か保険あった方がいいじゃん?」
松井優斗「それに──」
松井優斗「誰か一緒にいたら気が楽じゃね?」
松井優斗「まぁ俺なんて一文字も書けてないし・・・」
七瀬楓「松井君・・・」
松井優斗「まぁとにかくよ」
松井優斗「適当にやろうぜ」
松井優斗「無理のない範囲で」
七瀬楓「うん」
七瀬楓「ありがと」
松井優斗「よいしょっと」
松井優斗「それじゃ」
七瀬楓「また明日」
松井優斗「おう」
七瀬楓(気楽にか・・・)
松井優斗「あっそれとさ」
七瀬楓「えっなに!?」
松井優斗「さっき気楽で適当にとか言ってたけど」
松井優斗「お前のそういう真面目な所」
松井優斗「俺はいいと思うぞー」
松井優斗「そんじゃまたなー」
七瀬楓「び、びっくりしたぁ・・・」
七瀬楓(そっか・・・)
七瀬楓(いいんだ)
七瀬楓(えへへ・・・)

〇お化け屋敷
七瀬楓(気楽で適当に、か)
七瀬楓(変わらないんだな)
七瀬楓(うふふ)
松井優斗「どした?」
七瀬楓「んーん」
七瀬楓「やっぱり松井君は」
七瀬楓「完璧だよ」
七瀬楓(私にとって)
松井優斗「そうか?」
七瀬楓「うん!」

〇遊園地の広場
松井優斗「あー悪い七瀬」
松井優斗「ちょっと便所に・・・」
七瀬楓「あっうん!」
七瀬楓(・・・)
七瀬楓(楽しいなぁ)
七瀬楓(うふふ)
七瀬楓(ま、まさか・・・)
住民「あんなのテーマパークにいたか?」
住民「違うわ!! あれきっとニュースの化け物!!」
住民「子どもが襲われたらしいわ・・・!」
住民「マ、マジかよ・・・!?」
七瀬楓(や、やっぱり・・・!!)
住民「おい、警察はまだなのか?」
七瀬楓(ど、どうしよう・・・!)
住民「ママ・・・」
住民「大丈夫よ・・・必ず助けがくるから」

〇女子トイレ

〇清潔なトイレ
七瀬楓(と、とりあえず)
七瀬楓(杖とカードを──)
七瀬楓(これは駄目だ・・・)
七瀬楓(ガンナーちゃんのカードは──)
七瀬楓(あれ・・・)
七瀬楓「ないっ!?」
七瀬楓(あーもう私のバカッ・・・!)
七瀬楓(こんな時に・・・!)
七瀬楓(なら・・・)
七瀬楓(これしかない)
七瀬楓(やるしかない!)
七瀬楓「変身っ!」

七瀬楓「え・・・」
七瀬楓「う、嘘でしょ・・・」

〇遊園地の広場
従業員「皆さん! まずは冷静に!」
従業員「落ち着いて下さい!!」
子供「お姉さん・・・」
従業員「だ、大丈夫だよ」
従業員「すぐに助けが来るから──」
子供「あっ!」
子供「来たよお姉さん!!」
従業員「た、助かった・・・」
子供「すごい綺麗な人!」
従業員「へ?」
???(うぅ)
???(やっぱ目立つよこれぇ・・・!)

次のエピソード:第六夜:ヒーローショー

コメント

  • 何てステキなデート風景……4人の想いがぎゅっと詰まっていて、これぞ青春恋愛モノ……と終盤まで思っていたのですが😅 やっぱりバトルに巻き込まれてしまうのですね🥲
    影薄い従業員さん、何気にツボです🤣

  • あっ。予想と外れました。赤使ったら残酷な殺人マシーンになると思ってました。松井くん…適当に誉めて想定外に好かれてしまって気まずいだけじゃないといいのですが。
    そして紫の男の暗躍も気になります。

  • 青春パート、良い……😊✨️……だけに、これがホラー鬱作品だという事実がのしかかってきます😨
    でもまだ新しい変身にワクワクして、鬱になる暇がないです。さて、攻撃方法は??

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