残されたもの(脚本)
〇田舎の病院の病室
リム「・・・」
リム「お兄ちゃん・・・」
リム「なぜ、こんなことに」
リム「あの時・・・」
〇草原
教会から戻る途中、急に家の方が明るくなって・・・
初めて見る光景、どうしようもないくらい嫌な胸騒ぎがした
大急ぎで来た道を戻ってみると
〇古い洋館
私たちの家が燃えていた・・・
ドアのそばには血だらけのお兄ちゃんが倒れていた
そして・・・
そばには、もうひとつ人影が・・・
倒れたお兄ちゃんを暗がりで見下ろす黒い人影、あれは・・・
あれは、確かに
ミサキお姉ちゃんだった!
〇田舎の病院の病室
リム(駆け付けた時には、もうお姉ちゃんの姿はなかった)
リム(どうして?)
リム(家が燃えているのに)
リム(お兄ちゃんが倒れているのに、なぜ助けようともしなかったの?)
リム「わからないよ・・・」
「リム、入るぞい」
リム「神父様・・・」
神父「どうだね、トーマの容態は?」
リム「兄は一命をとりとめました」
リム「神父様がすばやく処置してくださったおかげです」
神父「そうか、ならばひとまず安心じゃな」
リム「その後、何かわかりましたか?」
神父「ぬう」
神父「村の者と夜を徹してマックスの家を調べておるところよ」
リム「・・・感謝します」
神父「もし夜盗の仕業であれば、村全員の危機じゃからの」
リム「夜盗・・・」
神父「まぁ、皆の知らせを待て」
神父「お前も少し寝た方がいい」
リム「いいえ、私は平気です」
神父「トーマなら大丈夫じゃ」
神父「やつが気が付けば、事の真相も明らかになろうて」
神父「今は休め」
リム「・・・そうですね」
村の男「神父様!マックスの家族殺しの件ですが」
神父「こら、まてまて!」
村の男「あっ」
神父「外で聞こう」
リム「かまいません、私にも聞かせてください」
村の男「し、しかしな・・・」
リム「家族のためにも真実を知りたいんです!」
神父「ぬう」
神父「仕方ない、言い出したら聞かん子じゃて」
神父「話してあげなさい」
村の男「へ、へえ」
村の男「今しがた、焼け跡から4人の焼死体が見つかったとこでさ」
村の男「大人が2体、子が2体」
村の男「服装と体系からマックスとその妻クレア」
村の男「子供はラクサとヤエに間違いねえです」
神父「そうか・・・」
リム「見つかったのは本当に4人だけですか?」
村の男「ああ、間違いねえよ」
リム(やっぱり、ミサキお姉ちゃんは生きている)
村の男「神父様、一つ奇妙なことが」
神父「なんじゃ?」
村の男「4人のご遺体なんですが」
村の男「全員、首と胴がバラバラだったんです」
リム「どういうことですか?」
神父「つまり、火にまかれる前に、皆は首を斬られていたと?」
村の男「そういうことになります」
神父「なんと、むごいことを」
神父「やはり、リムに聞かせる話ではなかったな」
リム「・・・平気です」
村の男「ああ、それとこんな物が出てきたんだが」
リム「それは!」
村の男「家族の誰かの物か?」
リム「お姉ちゃんの指輪です」
村の男「ならば、ほれ」
村の男「大切に持っときな」
リム「ありがとう」
リム(ミサキお姉ちゃん)
リム(お姉ちゃんはきっと何か知っている)
リム(探さなくては!)
神父「リム、お前はしばらく教会の離れで暮らしなさい」
神父「今後のことはトーマが回復してから二人で決めていけばよい」
神父「まずは、しっかり体を休めることだ」
神父「よいな?」
リム「神父様・・・」
リム「感謝します」