色とオカルトと出会い4(脚本)
〇一戸建ての庭先
上がっていく道中、階段はそこまで古くないのか変な音はしなかったが、やっぱり新聞紙が張り巡らされている。
それに所々、マトリョシカらしきものがおいてある。まだ、昼間だというのに暗く、不気味な雰囲気を漂わせている。
そして、二階についた。
二階には、そこそこ細くそんなに長くない廊下が横に広がっていてその左右に部屋が二つある。
のりゆき「ちょっと狭いな、俺が前に出る、ゆずはは、後ろを確認しながらついてきて」
ゆずは「わかった。早く見つかるといいんだけど」
二人は、まず左の部屋に入ってみることにした。
またキイーと音がして、扉が開く。そこには、
のりゆき「のどか!」
ゆずは「のどか!」
その声にびっくりしたのかのどかがこちらをみる。
のどか「あれ、ゆず先輩におにい。どうしたの?」
二人とも安堵の息をした。
のりゆき「はあ~良かった~てか二階いるならなんで返事してくれなかったんだ? さっき結構呼びかけてたんだけど」
のりゆき「それに勝手に動いちゃだめじゃないか危ないだから」
のどか「え、そうなの?何も聞こえなかったけど。それになんで私ここにいるんだろう?」
のりくんが、軽く𠮟る口調で言った後、変な答えが返ってきた。
ゆずは「え?聞こえなかった。それになんでって自分でここまで来たんじゃないの?」
のどか「ううん違うよ。おにい達が例のうさぎのストラップについて話してたところまでは覚えてるでも、気づいた時にはここにいたよ」
二人は、同時に息をのんだ。嫌な予感がしたのだ。もしかしたらのどかは、何かに取りつかれていたのではないかと。
のどか「そういえば、さっきまでそこに白い女の人が立ってたような?」
二人は、視線をのどかの指を指す方向に向けるそこには、大きな鏡があった。だが人はいないし。ましてや写ってなどいない。
ゆずは「今は、何も写ってないみたいね・・・」
のどか「そうだね・・・」
3人はすでに確信していた。もうすでに何か起きているのだと。
ゆずはとのりゆきは、お互い、バットと数珠を
取り出す。
みんな警戒してもしかしたら、まだ潜んでいるかも。
暗い部屋の中じっとあたりを見まわす。あるのは、大きな鏡そして、タンスに物置。
何もおきずに約2分が経過したところだ。急に物置からガタンと音がした。
3人は、(え、)とともに音がした方向を見て、身構える。とすると。
物置の扉が左にすーと空いた。
3人は驚愕する。そこには、救出にしようしていた女の子がいた。
ゆずは「さ、さやちゃん?」
さや「あなた達は、誰?そこには他に誰もいない?」
ゆずは「うん、私たち以外いないよ。私たちは、同じ学校の生徒だよ。あなたの友達のまりかに依頼されて助けにきたの」
さや「まりかの?良かった。助けに来てくれたありがとう」
ゆずは「うん、詳しい話は後でね、ここを出よう?」
さや「うん、そうね」
ついに目的のさやちゃんを見つけ、物置から出してあげる事に。
4人は、さっそく外に出ようをした瞬間。
思わず背中の下からゾワゾワとする感覚に襲われる。
後ろを振り向かなくてもわかる、この寒気はあの鏡の方からきていた。
のりゆき「みんな、振り向くな。走るぞ!」
そう言って、4人は一気に外へ出る。その瞬間また有り得ない光景が広がっていた。
そんなに長くないはずだった廊下が急激に伸びていたしかも途中にあるはずの階段も見当たらない。
ゆずは「そんな~」
のりゆき「く、こんな長くなかったはずなのに」
さや「今は、とにかく逃げましょう!」
最後のさやの声に後押しされるようにひたすらに走る。
後ろからくる気配が止まらない。
ひたすらに走っていると途中で、さやとゆずはの気配がない。そう気付いた。二人は、走るのをやめ、振り向いた。
のりゆき「おい、大丈夫か?ついてきてるか?」
そこには、白い女がさやの足をつかんでいた。
ゆずは「連れて行かせるものかーー!」
ゆずはは必死に彼女の手を握り踏ん張っていた。
のりゆきは、再び前を確認する。もう少し行った先に階段があった。
のりゆき「のどかは先に外まで走れ。俺は、あいつらを助けに行く」
のどか「見捨ててなんていけないよ。私も」
のりゆき「だめだ!先に行って外で待っててくれ!必ず追いつく!」
のどかは状況を見た、確かに今は、力は上の兄に託したほうがいいし。
ここで揉めている時間はない。苦しくもうなづき、のどかは先に走りだす。
それを見た、のりゆきは、すぐにゆずはの元に駆け寄った。
ゆずは「のりくん!こいつ、力強い。鞄にある、バットでそいつを叩いて!」
のりゆき「わかった!」
のりゆきは、すぐに持ってた鞄からバットを取り出し。白い女の左肩をおもいっきり叩く。
謎の女性「きゃーーー」
泣き叫ぶような声がして、手が緩む
のりゆき「今だ!」
ゆずは「さやちゃん!」
ゆずはは思い切り引っ張る。
勢いよく引っ張ると、さやの体が軽く宙に浮く。
そのままゆずはの体に抱きつく形で倒れた。
ゆずは「大丈夫?」
さや「うん大丈夫、ありがとう」
お互い顔が近い距離にあるのような状態で倒れた。
少し照れた表情で安否を確認しを終えると慌てたように体を起こす。
のりゆき「二人とも大丈夫なら、早く走ろう!あいつがまだ追っかけてくるかもしれない!」
そこから一気に走ると階段が見えてきた。
のりゆき「階段だ!先に降りて!俺は最後に行く」
のりゆきはバットを握りしめ、二人に指示する。二人は頷き。一気に階段を駆け下りる。
その後にのりゆきも階段を駆け下りてきた!
のりゆき「やっぱりあの一撃じゃ止められてない。 こっちに向かって来てる!」
一階の廊下で、3人が合流し急いで
そのまま外に出た。
玄関を勢いよく開けて飛び出し、一気に閉める。
のどか「良かった、みんな無事だ」
のりゆき「早めにここから遠かろう・・・」
息切れしながらも、言った言葉にみんな同意してそこからすぐに遠ざかった。
だいぶ離れ。みんなが止まり息を整える。
〇市街地の交差点
外はもう、夕暮れぐらいの暗さになっていた。4人は、あの家から離れた塀の後ろで息を整える。
のりゆき「う・・・」
ゆずは「のりくん大丈夫?」
のりゆき「う、うん、大丈夫。平気」
のりゆきは、扉を閉める瞬間おぞましい光景を目にしていたことを思い出す。
一瞬見えた光景。それは、白い女の人とその後ろに複数の黒い人影が無数にいたのだ。
しかもその場所は、さっきいた部屋ではなく、薄い暗いでも色んな色が広がっていた空間だった。
一旦落ち着いた4人は、帰るべく駅に向かう。
〇住宅街の道
とりあえずゆずはの家の近くまで、戻ってきた。
その間、疲れ果てたのか、みんなは無言だった。
着いたらまず、まりかにLINEで今日あの場所に行った事とさやを助けだせた事を伝えた。
その1分後
ゆずは「あ、電話がきた」
ゆずは「もしもし」
まりか「もしもし、さやを助け出せたって本当?今そこにいるの?」
ゆずは「うん、本当だよ。近くにいるけど、変わる?」
まりか「うん、変わって!」
まりかの元気でそれでいて泣き出しそうな声が聞こえた後、さやちゃんにスマホを渡す。
さや「まりか?心配かけてごめんね。無事だから。後、助けを呼んでくれてありがとう」
まりか「さやーーー!良かったーーー!」
その後、10分間くらい電話が続き。
さや「ゆずはさん、まりかが変わってって」
ゆずは「わかった」
ゆずは「変わったよ。まりか?」
まりか「ゆずは、ありがとう。やっぱり頼んで良かった。また今度何かお礼させて」
ゆずは「うん、こっちも助け出せてよかったよ。お礼は、いいから」
その後、また5分ぐらい話が続き、電話を切った。
ゆずは「さやさん、もしあれなら家まで送る?」
さや「いえもう一人でも大丈夫です」
のりゆき「一人だと危ないし俺が送ってくよ。ゆずははもう家なんだし、さきに入って休みなよ」
さや「そう・・・かもしれませんね。では、すみませんがお願いします」
ゆずは「ん~わかった」
ゆずは「そうさせてもらうけど、変な事をしちゃだめよ!」
のりゆき「わかってるよ!てかこんな体験した後でそんな気にならない」
さや「それじゃ、すみません、家の近くまでで大丈夫ですから、お願いします」
のりゆき「うん、じゃ行こうか、ほらまどかも行くぞ!」
のどか「はーい!ゆず先輩!じゃあね~♪」
ゆずは「うんじゃあね~」
私は、歩いていく3人を見送り、家に戻る。
〇女性の部屋
ただいまーと家に入っていった後、時刻を確認した。もう7時を過ぎてた。
ゆずは「ふうー疲れたな~」
階段を上がり、部屋に入った後、ついに口から言葉が漏れてしまった。
ゆずは「でも、さやちゃん助けられたのは良かったよね」
助け出せたことに喜んだ後、あの家について考えて見た。
ゆずは「結局どういった物なのか、わからなかったな~それに事件そのものを解決したわけじゃないし」
ゆずは「あの女の人・・・結局幽霊?そういえば、バットで殴った時鈍い音はしたけど、血とかは出てなかったような?」
ゆずは「それに、鏡から感じた、あの寒気、多分女の人は、鏡から出てきたことになるのかな?」
ゆずは「それに、まどかのあの言葉」
え、そうなの?何も聞こえなかったけど。それになんで私ここにいるんだろう?
ゆずは「私ものりくんもそこそこ大きな声を出してた。それに気付かないはずがないし。 それにのどかがおかしくなったのは、」
あのうさぎのストラップも見てからだ。厳密には、私とのりくんだけど。でも多分のどかも見てる。
ゆずは「とはいえな~」
まだわからない事が多すぎる。それに疲れた。今日はもう寝よう。
とりあえず寝る事にした。明日も学校がある。放課後また考えればいいやと思い。
眠りに着く。
色とオカルトと夏休み。 終わり。
様々な謎や不穏を残すこととなった今編、このままモヤモヤ感のまま終了かと思ったら、ゆずはさんがご丁寧にラストでピックアップしてくれましたねww これがどう今後に結びついていくのか、怖いような楽しみのような……