ぼくらの未来は待っている

鷹志

第2話 ボクらはみんな友だちなのだ【前編】(脚本)

ぼくらの未来は待っている

鷹志

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〇村に続くトンネル
ミライ「母上につながる線を探すのだ」
ミライ「?」
ピエール「ミライ様、どうしました?」
ミライ「・・・ないのだ」
ユウキ「ないって?」
ミライ「母上につながる線が見えないのだ」
ミライ「まずいのだ。母上に会えないのだ」
ミライ「母上に何かあったのかもしれないのだ」
ミライ「どうしようなのだ・・・」
ユウキ「ミライ、落ち着け」
ピエール「線が見えないことはあります」
ユウキ「そうなのか?」
ピエール「はい。相手があまりにも遠くにいるときなどに、一時的に線が見えなくなることはあります」
ミライ「本当か?」
ピエール「はい」
ユウキ「そうだよ。今はたまたま遠くにいるだけなんだよ」
ユウキ「だから、落ち込むことなんてない」
ミライ「でも、心配なのだ・・・」
ユウキ「大冒険をして、お母さんに会うんだろ?」
ユウキ「ひかりにもお母さんにも、その話を聞かせるんだろ?」
ミライ「そうなのだ・・・」
ユウキ「お母さんにそんな落ち込んだ顔を見せるのか?」
ミライ「そんなのは嫌なのだ」
ユウキ「そうだろう。じゃあ、もっと元気を出していこう」
ミライ「わかったのだ!」

〇林道
ソウタ「ここにもいない」
ソウタ「カッちゃん、どこへ行ったんだ・・・」
ミライ「何を探しているのだ?」
ソウタ「誰だ、お前は?」
ミライ「ボクはミライなのだ」
ミライ「こっちは部下のユウキなのだ」
ユウキ(部下・・・)
ユウキ「こんにちは。えーと・・・」
ソウタ「俺はソウタ」
ソウタ「何の用だ?」
ミライ「ソウタは何を探しているのだ?」
ソウタ「お前には関係ないだろ」
ユウキ「カッちゃんって言ってた子は、お友だちかい?」
ソウタ「うるさい! お前らに話す必要はない」
ミライ「待つのだ!」

〇枯れ井戸
ソウタ「ここにもいない」
ソウタ「カッちゃん、どこにいるんだよ・・・」
ソウタ「俺たち、友だちだろ」
ミライ「カッちゃんはここにもいないのか?」
ソウタ「わっ!」
ソウタ「またお前らか」
ソウタ「何でついてくるんだよ」
ミライ「ボクたちがいっしょに探してあげるのだ」
ソウタ「うるさい、向こうへ行け」
ソウタ「俺一人で探すんだ」
ミライ「でも、さっきから見つかっていないのだ」
ソウタ「・・・」
ユウキ「ソウタくん、よかったら僕たちも手伝うよ」
ユウキ「だから、カッちゃんのことを教えてくれないかな」
ソウタ「・・・」
ソウタ「カッちゃんは俺の一番の友だちだ」
ミライ「じゃあ、カッちゃんの家に行けば会えるのだ」
ソウタ「それは・・・」
ユウキ「ミライ」
ミライ「わかったのだ」
ミライ「!!」
ミライ「見えたのだ!」
ミライ「ソウタの探している人につながる線が見えたのだ」
ソウタ「?」
ミライ「これでカッちゃんのいる場所がわかるのだ」
ソウタ「何だって!」
ミライ「ソウタ、いっしょに行くのだ」
ソウタ「・・・」
ソウタ「そんなの嘘だ。お前なんかにわかるはずがない」
ミライ「ボクにはわかるのだ」
ソウタ「うるさい。お前らの助けなんているもんか!」
ユウキ「ソウタくん!」
ミライ「せっかく連れて行ってあげようとしたのに、変な奴なのだ」
ユウキ「きっと何か事情があるんだよ」
ミライ「それは何なのだ?」
ユウキ「それはわからないけど・・・」
ミライ「ピエール!」
ピエール「はい」
ミライ「どうなのだ?」
ピエール「あの子の探している相手の場所がわかりました」
ミライ「今からソウタを連れてそこに行くのだ!」
ユウキ「待て、ミライ」
ミライ「ユウキ、どうしたのだ?」
ユウキ「ソウタくんには、僕たちとはいっしょに行けない理由があるみたいだ」
ユウキ「無理に誘っても行かないはずだ」
ユウキ「まずは僕たちだけで行ってみよう」
ユウキ「それで、その相手の人に話を聞いてみよう」
ミライ「わかったのだ」
ユウキ「ピエールはここに残ってくれ」
ユウキ「あの子が危険な場所に行ったりしないか、見張っていてくれ」
ピエール「わかりました」
ピエール「では、場所をお教えします」
ユウキ「ありがとう」
ユウキ「ミライ、行こう」
ミライ「行くのだ」

〇湖畔
ミライ「誰もいないのだ」
ユウキ「ピエールの話だとこの辺にいるはずだけど・・・」
ユウキ「こんなところに住んでる人なんているのかな?」
ミライ「向こうに何かいるのだ!」
ミライ「行ってみるのだ!」

〇睡蓮の花園
ミライ「いたのだ!」
ユウキ「えっ!?」
河童「!?」
ユウキ(えっ・・・これって、まさか河童!?)
ミライ「ソウタから出てた線は、お前につながっているのだ」
河童「ソウタ?」
河童「お前ら、ソウタの知り合いなのか?」
ミライ「そうなのだ」
ユウキ(河童がしゃべってる!?)
ミライ「お前がカッちゃんか?」
河童「・・・」
河童「そうだ」
ユウキ「君とソウタ君はどういう関係なんだい?」
河童「前にソウタが1人で川で遊んでいて溺れたことがあったんだ」
河童「偶然それを見つけた俺はソウタを助けた」
河童「そしたら、なぜかそれ以降ソウタになつかれてしまったんだ」
ユウキ「そんなことが・・・」
河童「俺は山や川でひっそりと暮らしているだけなのに、村人は俺を怪物呼ばわりしている」
河童「畑を荒らし人を襲う怪物だと」
河童「俺はそんなことはしていないのに」
ミライ「それはひどいのだ」
河童「でも、ソウタだけは違った」
河童「俺を怪物扱いせず、友だちとして接してくれた」
河童「俺はうれしかった」
ミライ「じゃあ、なぜ姿を消したのだ?」
河童「・・・」
ユウキ「ソウタくんのためだろ」
河童「村人は俺を人を襲う怪物だと思っている」
河童「そんな俺といっしょにいたらソウタに迷惑がかかる」
河童「だから俺は、もうソウタとは会わないことにしたんだ」
ミライ「でも、ソウタはお前に会いたがっているのだ」
河童「その気持ちはうれしいが・・・俺はもう会うつもりはない」
ユウキ「それでいいのかい?」
河童「ああ」
河童「だから、この場所はソウタに教えないでくれ」
河童「頼む」

〇湖畔
ミライ「カッちゃんも本当はソウタに会いたいのだ」
ユウキ「そうだね」
ミライ「それなのに会えないのは変なのだ」
ミライ「ソウタにカッちゃんの居場所を教えてあげるのだ」
ミライ「会いたいのに会えないなんて悲しいのだ」
ミライ「すぐにソウタを連れてくるのだ!」
ユウキ「ミライ、落ち着け」
ミライ「どうしたのだ?」
ユウキ「カッちゃんは僕らに「自分の居場所を教えるな」と頼んでいったんだ」
ユウキ「それなのに勝手に教えたりしちゃダメだ」
ミライ「じゃあ、どうするのだ?」
ユウキ「それは・・・」
ユウキ「とりあえずいったん戻って、どうしたらいいか考えよう」

〇村の広場
ピエール「すごい騒ぎです」
ピエール「どうしたのでしょう?」
ピエール「村の人に話を聞いてみましょう」
ピエール「なるほど、そういうことですか」
ミライ「ピエール、戻ったのだ」
ピエール「ミライ様! ユウキ様!」
ユウキ「何の騒ぎだ?」
ピエール「村でこの地域に住むという河童の対応について、話し合ったそうです」
「河童!?」
ピエール「実は村で、今度「河童狩り」をやることに決定したそうです」
ユウキ「河童狩り?」
ピエール「はい。武器を持った役人や村人で河童を探して捕まえるそうです」
ユウキ「河童を捕まえる!?」
ピエール「捕まえた河童はそのまま都に連れて行き処分するとか・・・」
ユウキ「何だって!」
ミライ「カッちゃんがピンチなのだ!」
ミライ「助けないとまずいのだ!」
ミライ「ユウキ、どうしたらいいのだ?」
ユウキ「・・・」
ユウキ「僕が村の人のところに行って、詳しい話を聞いてくる」
ユウキ「ピエール、案内してくれ」
ピエール「わかりました」
ミライ「ボクも行くのだ」
ユウキ「ミライはここで待ってるんだ」
ユウキ「ソウタくんがここに来るかもしれない」
ユウキ「そのときは、僕らが戻るまでソウタくんとここにいるんだ」
ユウキ「勝手に出歩いたりしちゃダメだぞ」
ミライ「・・・わかったのだ」
ユウキ「ピエール、行こう」
ピエール「はい」
ミライ「ユウキに言われたとおりここで待つのだ」
ミライ「待つのだ」
ミライ「ここから動いちゃダメなのだ」
ミライ「なのだ・・・」
ミライ「・・・」
ミライ「やっぱり、すぐにカッちゃんに教えないとダメなのだ!」

〇枯れ井戸
ソウタ「カッちゃん、どこに行ったんだよ」
ソウタ「どうしよう」
ソウタ「河童狩りのことを早くカッちゃんに教えてやらないと・・・」
ミライ「ソウタ!」
ソウタ「またお前か」
ソウタ「何しに来た?」
ミライ「カッちゃんのところに行くのだ!」
ソウタ「何?」
ミライ「カッちゃんに河童狩りのことを教えてやるのだ」
ソウタ「そんなことはわかってる」
ソウタ「でも、カッちゃんがどこにいるのか・・・」
ミライ「ボクは知っているのだ」
ソウタ「何、どうしてお前が・・・」
ミライ「いいからすぐに行くのだ!」
ソウタ「・・・わかった」

〇村の広場
ユウキ「ソウタくんが家に帰っていないらしい」
ピエール「まだ河童を探しているんでしょうか?」
ユウキ「村では河童に連れ去られたんじゃないかって、大騒ぎになっているぞ」
ピエール「そういえば、ミライ様は?」
ユウキ「ミライ?」
  ミライ様!
  ミライ!
ピエール「いませんね。どこへ行ったのでしょう?」
ユウキ「まさか、あそこへ・・・」

〇霧の立ち込める森
ミライ「こっちなのだ」
ソウタ「わかった」
ソウタ「カッちゃん、今行くぞ!」
ミライ「行くのだ!」

次のエピソード:第3話 ボクらはみんな友だちなのだ【後編】

コメント

  • ミライちゃーん突っ走りすぎぃ😫😫😫😫
    とは言ったものの、あの状況じゃ放っておけないですもんね、仕方ない。
    なんでも河童のせいにされてしまうから、どんどん悪い方に傾いてるけれど、きっと大丈夫だと思いたいです😖😖😖

  • ドラマチックな展開で、この後どっちに転ぶのか…不安ですね。 悲劇になるのかそれとも…
    先が楽しみです😄

  • 自分と違う者の怪物呼ばわりは、やはりどの時代にもどの世界にもある悲しいことですよね🥲
    ミライ、やっぱり動いちゃいますよね〜💦
    いい方向に向かってくれますように!

    うちの子の出演ありがとうございました✨

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