第7話 全ての答え(脚本)
〇可愛らしいホテルの一室
ホープ「・・・」
ホープ「朝か・・・」
ホープ「変な・・・夢」
ホープ「あれ?ルーフェンさんがいない こんな朝早くからどこ行ったんだろ」
ルーフェン「なんだ、もう起きたのか」
ホープ「おはようございます」
ホープ「どこかに出掛けていたのですか?」
ルーフェン「あぁ。明日の精霊祭まで時間があるし、 今日は仕事をしようと思ってな」
ルーフェン「仕事の話をつけてきてたんだ」
ホープ「ルーフェンさんって旅人ではないのですか?」
ルーフェン「そうだなぁ、旅人と言えば旅人だが、 旅をするにも金が必要だろ?」
ルーフェン「仕事というか・・・、 俺の唯一できる、金を稼ぐ手段、 というのが正しいかな」
ホープ「それってもしかして用心棒ですか?」
ルーフェン「なんでそうなる・・・」
ホープ(違うんだ・・・ あの身のこなし方は、てっきり用心棒か何かだと・・・)
ルーフェン「俺はいわゆる奏者だよ」
ホープ「奏者?つまり楽器を弾くのですか? 何の楽器ですか?」
ホープ「聴きに行ってもいいですか!?」
ルーフェン「ふっ。あぁ、分かったよ 何の楽器かは・・・ 本番までのお楽しみだな」
ホープ(やった!)
ルーフェン「演奏するのは酒場だ。 夕方に行くことになっている」
ルーフェン「それまでは荷物の整理でもするか・・・ そうだ、ホープ、 今日は新しい服を着ていくといい」
ホープ「はい!」
ホープ(楽器の演奏を聴くなんて初めて! 楽しみだなぁ・・・)
〇怪しげな酒場
ホープ「こ、ここが酒場!」
ホープ(お酒の匂いで鼻がおかしくなりそう・・・)
酒場の店主「やあ、来てくれたんだね」
酒場の店主「さっそくだが、娯楽に飢えた客人達を 君の音楽で虜にしてほしいよ」
ホープ(かわいいしゃべり方の人だな)
酒場の店主「子供を連れてきたのかい? 君、お酒を飲んではダメだからね」
ホープ「は、はい」
ルーフェン「ホープ、酒場は厄介な客が多いからな 演奏中は俺の目の届くところに居ろ いいな?」
ホープ「分かりました」
酒場の店主「ピアノがあるけど、使うかい?」
ルーフェン「いや、自分の楽器を使うよ」
そう言うと、ルーフェンは
カバンの中から楽器の入っているであろうケースを取り出した
ホープ(ずいぶん小さいケースだなぁ、 どんな楽器だろう!わくわく!)
ホープ「うーん? 何て言う楽器ですか?」
ルーフェン「オーボエだよ、知らないか?」
ホープ「初めて見ました」
酒場の店主「じゃあさっそく頼むよ~」
ホープ「ふふっ、楽しみにしてますね」
ルーフェン「あぁ」
「おっ!誰かが楽器を持ってるぞ!」
「久しぶりの演奏ですなぁ」
「よっ!待ってました!」
酒場の店主「演奏者のルーフェンさんです! それでは皆様お楽しみください!」
ルーフェン「すぅ・・・」
ホープ「綺麗・・・」
ホープ(・・・? 今何か・・・)
ホープ(えっ、なにこれ・・・ 頭の中で何かのイメージが・・・)
ホープ(──これは私の記憶?)
ホープ(な、何だろう・・・)
ホープ(いつかの記憶・・・?)
〇怪しげな酒場
ルーフェン「・・・」
ルーフェン「・・・」
ルーフェン「・・・」
ルーフェン「どうも」
酒場の店主「皆様!どうでしたか? ではもう一度拍手を!」
酒場の店主「では引き続き、 当店自慢の料理とお酒をお楽しみください」
「アンコール!アンコール!」
「良かったよー! また明日も聴かせてよー?」
ホープ「・・・」
ホープ(せっかくの演奏だったのに、 あんまり集中できなかった・・・)
ホープ(さっきのイメージはなんだったんだろ 妙に鮮明だった・・・)
ルーフェン「どうだった?」
ホープ「えっ? と、とても綺麗でした」
ルーフェン「そうか」
ホープ「また聴かせてくださいね」
ルーフェン「あぁ」
ホープ(こんどはちゃんと聴きたいな)
ホープ(それにしても、 さっきのイメージはなんだったんだろう)
ルーフェン「・・・?」
酒場の店主「やぁやぁ、今日はありがとう」
酒場の店主「これは観客から集まったお金だよ~」
酒場の店主「約束通り半分は店がいただくからね」
ルーフェン「あぁ、場所を貸してくれて助かったよ」
酒場の店主「こちらこそ。 良かったら、ご飯食べてきなよ 店からのおごりさ」
ルーフェン「感謝する」
ホープ「お金半分とられちゃいましたけど、 良かったんですか?」
ルーフェン「バケツの中を見てみろ」
ホープ「こ、こんなにたくさん!」
ルーフェン「アルコールの入った観客は、 財布の紐が緩くなるのさ」
ルーフェン「路上でやるよりも、よっぽど稼げる だから半分持っていかれても問題ない」
ホープ「すごーい!」
ホープ「お酒の力って面白いですね!」
〇可愛らしいホテルの一室
ホープ「明日は戦祭りですね」
ルーフェン「そうだな」
ホープ(楽しみだなぁ)
ルーフェン「明日は早いから、 そろそろ寝るか」
ホープ「おやすみなさい!」
〇水中
・・・?
ここ・・・は?
あぁ・・・
そう、そうね
私はずっと、この青い底で──
・・・
私はどこへも行けないの・・・
だからそう、
あなたに迎えに来てほしいの・・・
もう夢を見たくないの・・・
もう目を閉じたくないの・・・
もう眠りにつきたくないの・・・
私はこの目を見開いて、
あなたを見ていたいの・・・
・・・
もうあなたの声も顔も
思い出せない・・・
だけど、約束だけはまだ覚えてる
全て忘れてしまう前に来て・・・
約束を忘れてしまう前に・・・
〇可愛らしいホテルの一室
ホープ「・・・」
ホープ「・・・うーん」
ルーフェン「ホープ、おはよう」
ホープ「おはようございます」
ホープ「よいしょっと・・・」
ホープ「今日は戦祭りですね!」
ホープ「頑張ってくださいね!」
ルーフェン「ふっ。 あぁ」
スチルは謎が深まる上にどこか神秘的なのがいいですね。ホープの新しい洋服も世界観損なわなくて良かった。実はドキドキしてました。
戦祭り、楽しみです。