マッチングビースト~野獣が美女とアプリで出会うまで~

YO-SUKE

第五話「マッチングアプリでは運命の人とマッチすることもあります!(前編)」(脚本)

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〇教室

〇ゆめかわ

〇教室
江守桃香「・・・こんな奴 なんとも思ってないんだから」
小湊亜衣「ていう割には、その写真 よく眺めているけどね」
江守桃香「亜衣・・・!? いつの間に?」
小湊亜衣「はぁ・・・5分前からここにいました」
江守桃香「もう! いるならいるって言ってよ!」
女子生徒「窓の外に誰かいる!」
ダン「桃香! 見つけた!」
江守桃香「こ、こんなところで何してんのよ!?」
小湊亜衣「てかここ四階なんですけど!」
ダン「ガハハハッ。聞いて驚け マッチしたぞ! あの女だ!」
江守桃香「は? あの女って、なんのこと?」
ダン「ずっと俺が探していた・・・ あの写真の女だ!」

〇学校の屋上
江守桃香「呉羽七海、25歳・・・」
江守桃香「三洋大学の研究員って ずいぶん経歴しっかりしてるわね」
ダン「どうだ? この写真の女に似てるだろ?」
江守桃香(確かに・・・瓜二つだけど・・・)
江守桃香「でもこの前みたいに、またろくでもない 奴らだったらどうする気?」
小湊亜衣「いや、それはないかも」
江守桃香「え?」
小湊亜衣「気になって三洋大学ってところの ホームページ調べたら」
小湊亜衣「その人が載ってる」
ダン「今度こそ大丈夫だ」
江守桃香「でも・・・」
ダン「何か問題あるのか?」
江守桃香「別に、そんなことないけど」
ダン「明日、デートするからな」
江守桃香「わ、わかった」
江守桃香「でもすぐに誘いには乗らないで 最初は様子見だからね」

〇映画館の入場口

〇映画館の座席

〇黒

〇荒廃したセンター街
「・・・・・・」

〇映画館の座席
ダン「お、おい! 腐った人間たちがたくさん出て来るぞ!」
呉羽七海「全部ゾンビですよ」
ダン「あっ! あいつ食われちゃうぞ!」
呉羽七海「大丈夫です。映画ですから」
ダン「何が大丈夫なんだ!? なんでみんな平気な顔をしてるんだ!?」
呉羽七海「ふふ。ダンさんったら」
江守桃香「あのバカ・・・」
江守桃香「映画館では私語厳禁って 教えたのに・・・!」
小湊亜衣「でも楽しそう」
江守桃香「楽しくてもダメなものはダメ! 映画館では私語厳禁なの!」
客「ちょっとうるさいんだけど」
江守桃香「あ、すみません・・・」
小湊亜衣「ふう・・・やれやれ」

〇おしゃれなレストラン
ダン「このスープうまいな」
呉羽七海「ふふっ。ダンさんって、面白いスプーンの 持ち方をするんですね」
呉羽七海「まるで子どもか」
呉羽七海「野獣みたい」
ダン「桃香に教わってきたんだけど ここに来たら忘れてしまった」
呉羽七海「桃香?」
ダン「妹だ」
呉羽七海「妹さんか」
ダン「七海は初めて会った気がしない」
呉羽七海「え?」
ダン「俺は鼻がいいんだ」
ダン「どこかで会ったような気がする」
呉羽七海「・・・それって口説いてるんですか?」
ダン「口説く?」
呉羽七海「私のことを気に入ってるってことです」

〇店の入口
小湊亜衣「うーん・・・悪い人には見えないけど」
江守桃香「ついこないだもそうだったでしょ? 人は見かけで判断できない」
小湊亜衣「ていうか・・・ほとんど恋人同士 みたいに見えるね。歳も近そうだし」
江守桃香「そ、そんなことない! とにかくちゃんと監視して!」

〇モールの休憩所
呉羽七海「それじゃあ私はここで」
ダン「ああ。ありがとう」
呉羽七海「今日はとても楽しかったです」
ダン「俺もだ」
呉羽七海「また会えますか?」
ダン「お前の匂いは覚えた どこにいても必ず見つけ出せる」
呉羽七海「ふふ・・・告白の言葉みたいですね」
江守桃香「はい。お疲れ様」
ダン「桃香か」
小湊亜衣「どうだった? あの子とのデートは」
ダン「楽しかったぞ」
小湊亜衣「まあ傍から観察している分にも 充分楽しそうに見えたけどね」
ダン「桃香。合格か?」
江守桃香「へ?」

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