色とオカルトと出会い3(脚本)
〇女性の部屋
ピピピピピーーーー
スマホのアラームが鳴っている。
ゆずは「うーん、今何時だろう~?」
スマホの時計を確認した。
ゆずは「ん~7時30分~?」
ゆずは「やば、起きなきゃ!」
ゆずは「えーと今日は半日だから...」
ふとスマホを見るとクラスLINEで連絡が来ていた事に気付く。
ゆずは「ん~何々?先生達の緊急会議により、学校は休校。また最近物騒な事件が起きているようなので、」
ゆずは「くれぐれもあまり外にはでないように・・・」
ゆずは「ってことは、今日休みになったんだ...もしかして、さやの失踪と関係してたりするのかな?でもすぐに行ける」
ゆずは「のりくん達にも連絡しよう!」
LINEするため、そのまま友達リストからのりくんを開く。
今日の救出だけど。学校休みになったからいつでも行けるけど何時頃にする?と打ってみる。
のりゆき「今クラスLINE見た。準備がもうちょいできる。俺たちがそっちの家に行くから待っててくれ」
ゆずは「わかったと待ってるよ。と、よし!私も準備しよう!荷物はできるだけ軽いほうがいいよね」
ゆずは「後は、一応カメラと双眼鏡に、これいざとなった時の武器に使おう」
と取り出したのは、金属バットである。正直、相手が幽霊だったら当たらないかもしれないけど。
不審者だった場合、念のため持っておいたほうがいいだろう。それぞれなんとか鞄に詰め込む。
そして、10分後ピンポンと家のチャイムがなった。
ゆずは「来た!よし、じゃー行きますか!」
一人で気合いを入れ、すぐに下に降りていき。外へ出る。のりくん達も気を遣ってくれたのだろう
親に見つかると面倒なので、外で待機していてくれている。
〇住宅街の道
外に出て道路近くまで顔を出すとそこに二人がいた。のりくんとのどかだ。
ゆずは「おはよう!」
のりゆき「おはよう」
のどか「おはよう!ゆず先輩」
のりゆき「なあ?その鞄の外から突き出てるもの何?」
ゆずは「ん?あー金属バット!」
のりゆき「ん~なるほど。まあないよりはいいか・・・」
これから行く場所に必要になるのかみたいな反応で苦笑いだった。
ゆずは「のりくん達は、鞄持ってないんだ。それにその手に巻き付けてるの数珠?」
のりゆき「うん。家にあったやつを持ってきた。あまり荷物を増やして逃げる時に邪魔になっても困るし」
ゆずは「なるほど、のどかも似たような感じなのね」
のどか「うん、おにいに言われてできるだけ軽くって最低限の物しか持ってきてないよ!」
ゆずは「そうなんだ」
なんか私だけまさかの重装備は・・・まあいいや
すでに家からは離れて、駅に向かうまでの道中、こんな会話をしていた。
〇広い改札
駅についた。平日の昼間でもかなりの人だかりだ。地下鉄に乗り、東新宿まで向かう。そこから徒歩10分で目的の家だ。
みんな,パスモを使い、ホームに入る。電車が来たので、乗りながら、例のやどあらにうずでの情報をみんなに伝える事にした。
のりゆき「もしかして、そのうさぎのストラップに何かあるのか?」
ゆずは「私もそう思った、でも調べたけど普通の会社っぽいんだよね・・・」
そうなのか・・・とのりくんが頭にもやがかかっているような表情を見せた。
のどか「私が、今度現地調査してこようか?」
のりゆき「いや、会社内は入れないから無理だし。部活の規模を超えている」
のどか「そっか・・・」
のりゆき「まあ~現地調査で、なくても調べられそうなところから見ていけばいいじゃないか?」
のどか「うん、そうだね!今度みんなで調べよう!」
ゆずは「うん、また今度ね。今は、まず、さやちゃんを助け出すのが先だよ」
そんな話しているうち駅に着いたので、降りて、目的地まで、ここから徒歩で向かう。
〇市街地の交差点
駅を出て、歩くこと約10分、目的地に近づいてきた。
ゆずは「あ、そろそろ着くよ」
のりゆき「わかった」
のどか「うん」
一旦止まり近くにある塀に隠れ、3人とも息を吞む。
ゆずは「じゃ行くよ」
声を掛けると、二人は力強く頷いた。
この時、やっぱり連れてきて良かったと
心強いなと、思ったのだった。
〇一戸建ての庭先
玄関に着いた瞬間、身が震えるような寒気がした。
でもその寒気を振り払うように心奮い立たせる。
いきなり出てくるかもしれないとのりくんが先頭に立ち、ドアを開ける。
のりゆき「じゃ、開けるぞ!」
ガチャと音がした、鍵はかかっていないようだ。そのまま、ゆっくりとドアを開ける。
キイーと音がした。
中を覗いてみるそこには、噂通り、びっしりと新聞紙に白いペンで六芒星の絵が描かれていた。
あまりの異様な光景に3人ともうぁと小さくうめいた。
のりゆき「先に進むぞ!」
二人はうん。と頷いた。
3人は、ゆっくりと家の中に入っていく。
中を見てみる。まず、1階。玄関からまっすぐな廊下があり、突き当りに部屋が一つある。
そして、その右隣にも一つ部屋があった。一歩づつ警戒しながら、3人は進む。
まず、右隣の部屋からだ。できるだけ、音が立たないように開けようとする。
のりゆきがドアに手をかけてから一度、二人も見て確認する。
ドアのタイプは、ドアノブがついているものだった。キィーと音小さい音が鳴りながら開く。
その部屋にはタンスと、小さいちゃぶ台が一つあったが、相変わらず、びっしりと新聞紙が貼ってある。
のりゆき「ここには、人がいないしそれに隠れるような場所もない次に行こう」
わかった。と二人は頷き、奥にある部屋を目指す。
ゆずは(正直、タンスの中とかみたいけど、今は、さやちゃん探すのが先だよね。
部屋にたどり着く。また扉を開けるとそこはリビングのようだ。
部屋の中央には、大きな机があり、そこには、お椀にご飯が盛ってあった。
ゆずは「炊き立てでは、ないけど干からびてもないね。それにしても箸が3本立ててあるって気味悪いな~」
のどか「そうだね、ねその奥にあるのって写真?」
ゆずは「あ、本当だ。3人かな汚れていてうまく見えないや」
のりゆき「他には、テレビに、棚があるな。広いし奥へ行ってみよう、何か見つかるかも」
うん、と3人は頷き。奥へ行く。すると。
のりゆき「なあ、これって・・・・・・」
のりくんが、しゃがみ落ちている物を拾う。それは、例のうさぎのストラップだった。
ゆずは「これって例のやつだ。確か、さやちゃんも持ってたって」
のりゆき「うん、でも、それ以外の被害者も持ってた物だし。もしかしたら何かに逃げている最中に誰かが落としたのかも」
ゆずは「そうだね。もしそうなら、一回この部屋に来たってことかな?」
のりゆき「多分・・・」
二人はしゃがみ込み、そう会話をしているとふと一人の気配がないことに気付く。
ゆずは「ねえ、の、ど、かは?」
のりゆき「え?」
二人とも振り返るとのどかがいない事に気付く。
二人は、焦り部屋の外に出た。そして!
ゆずは「のどかーーーーー」
のりゆき「のどかーーーーー」
そこそこ大きい声で叫ぶが反響する声だけが響く。
二人は、ますます焦り、残りの行ってないところ行くことにした。
ゆずは「のどかー居たら返事してー」
のりゆき「のどかーどこにいる?」
一階はさっきの部屋以外にキッチンところと小さい部屋が一つあった。
そこをみても誰も居ない。そして廊下に合流した二人は近くにある階段を見た。
二人は、顔を見合わせ、頷き。二階へ上がる。
部活の気の置けない部員同士の寛いだ感じと、現場突入の不穏な空気感、それらが混ざり合った雰囲気に高校生らしさを感じます!
のどかさんの安否は……