王国再建サークル〜サークル仲間たちと目指す王国再建記〜

フカダタクヤ

第1話:異世界交換留学(脚本)

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〇海辺
レイク・ビア王国民「ありがとよ、ギルバート王子」
レイク・ビア王国民「王子のおかげで、ゴミだらけの海がすっかり綺麗になったよ」
ギルバート「ハハハッ! 礼を言うのは、こちらの方だ」
ギルバート「キミたちが美味しい魚を釣ってくれるからこそ、我が「レイク・ビア王国」が豊かになる」
ギルバート「これからも、よろしく頼むぞ」
アリス「ギルバート様、そろそろお城に戻らないと」
ギルバート「わかった、すぐに行く」
ギルバート「それでは、さらばだ」
ギルバート「おっと、すまない」
帝国軍人「危ねぇだろ!どこ見てやがんだ」
レイク・ビア王国民「てめぇ、この方を誰だと思ってんだぁ?」
ギルバート「よせ、今のは周りをよく見ていなかった私の不注意だ」
ギルバート「改めてお詫びしよう」
帝国軍人「ったく、邪魔なんだよ!」
帝国軍人「どけ!」
アリス「ギルバート様、大丈夫ですか?」
ギルバート「あぁ、大丈夫だ」
ギルバート「それより、先ほどの国民が心配だ」
ギルバート「かなり気が立っていたようだが」
レイク・ビア王国民「あれは隣国「ヨクト帝国」の軍人さ」
レイク・ビア王国民「近くの海で軍事演習をしてるみてぇだけど、ガラの悪いヤツらばかりだ」
アリス「ギルバート王子に乱暴するなんて許せません!」
レイク・ビア王国民「ヨクト帝国のヤツらは育ちが悪いのさ」
レイク・ビア王国民「軍国主義の頭の硬いヤツらばかりで、分かり合える気がしねぇよ」
ギルバート「そ、そうだったのか」
ギルバート「ドバーッ」
レイク・ビア王国民「王子、どうしたんだ?」
ギルバート「すまない」
ギルバート「国民たちが、いがみ合うのも、すべて王子である私の責任だ」
アリス「そんなことありませんよ」
ギルバート「決めたぞ!」
ギルバート「私自身が更に異文化への理解を深め、帝国の人々とも分かり合える国にしてみせる」
ギルバート「私に任せておけ」

〇貴族の部屋
  次の日
ギルバート「アリス、それでは行ってくる」
アリス「どこかへお出かけですか?」
ギルバート「あぁ、4年間ほど「異世界交換留学」にな」
アリス「えっ?」
ギルバート「私が留守の間、王国のことは頼んだぞ」
アリス「ちょっと、ギルバート様!?」

〇仮想空間
  異世界交換留学
  異世界間での文化と人材の交流を目的とした留学プログラムである
  留学生たちは「次元の魔女」の力を借りて、異世界に渡り
  任意の能力値を選択し、魔女から授けられた「魔法」を使うことで
  異世界でも安全に、その世界の文化や人と交流することができる

〇大学の広場
  4年後
「ギル、留学プログラム終了おめでとう!」
ギルバート「ありがとう」
ギルバート「キミたちのおかげで、無事に「異世界交換留学」を終えることができた」
タクト「結局全然単位取れてなくて、最後まで一年生のままだったけどな」
ギルバート「ハハハッ! 言ってくれるな、タクト」
ギルバート「しかし、私には単位よりも、この世界の民たちの出会いが何よりの宝物だ」
タクト「くぅ〜、泣かせるぜ」
タクト「故郷に帰っても、またすぐに遊びに来いよな」
ギルバート「もちろんだ」
ギルバート「それに、今度は私が、キミたちを我が王国に招こう」
タクト「いつでも呼んでくれよ」
タクト「俺たちは、ギルのためならどこにでも駆けつけるぜ」
タクト「その代わり、異世界で可愛い女の子紹介しろよ〜」
ギルバート「あぁ、自慢の国民たちを紹介しよう」
ギルバート「それでは、さらばだ」

〇小さい滝
次元の魔女「お帰り、ギルバート王子」
ギルバート「久しいな、次元の魔女よ」
ギルバート「ありがとう、キミのおかげで良い留学生活を送ることができた」
次元の魔女「礼には及ばないよ」
次元の魔女「私も、王子の異世界留学の様子を楽しませてもらった」
次元の魔女「それに、私が授けた「魔法」は全く使わなかったようだしね」
ギルバート「ハハハッ! そう怒るな、次元の魔女よ」
ギルバート「この魔法は、レイク・ビア王国に戻ってきてからこそ使いたかったのだ」
ギルバート「もう少し、貸しておいてくれるか?」
次元の魔女「貸すも何も、その魔法はすでに貴方のもの」
次元の魔女「返してもらう必要はないよ」
ギルバート「ありがとう」
ギルバート「今日は城でも、4年ぶりの帰還を祝う宴が開かれるだろう」
ギルバート「キミも寄っていくか?」
次元の魔女「私は次元を巡る旅人だ」
次元の魔女「もう行かなくてはならない」
ギルバート「それは残念だな」
次元の魔女「ただ、私もすっかり王子のファンになってしまってね」
次元の魔女「困った時には、私を呼ぶと良い」
次元の魔女「この魔法が、私たちを呼び寄せてくれるだろう」
ギルバート「礼を言うぞ、次元の魔女よ」
ギルバート「次にキミが来る頃には、更に素晴らしいレイク・ビア王国にしてみせる」
次元の魔女「ふふふ、楽しみにしているよ」
次元の魔女「ただし、気をつけてくれ」
次元の魔女「4年で変わったのは、貴方だけではないのだから」
ギルバート「どういうことだ?」
ギルバート「行ってしまったか」
ギルバート「たしかに、この4年で王国も変わっているかもしれないな」
ギルバート「私も城へ急ごう」
ギルバート「この声は・・・!」

〇霧の立ち込める森
魔物「待てよ、かわい子ちゃん!」
魔物「こんな森を一人で歩いてたら危ないだろ?」
アリス「はぁ、はぁ」
魔物「オイラと一緒に行こうぜぇ」
アリス「誰か、助けて!」
ギルバート「まったく、キミの言う通りだ」
ギルバート「こんな森の中を可憐な女性一人で歩くのは感心しないな」
魔物「お前、誰だ!」
ギルバート「レイク・ビア王国王子 ギルバート・レイク・ビアだ!」
アリス「ギルバート様!」
ギルバート「アリス、キミ一人か?」
アリス「はい、ギルバート様をお迎えに参りました」
ギルバート「迎えはありがたいが、他のみんなはどうした?」
アリス「・・・それは」
魔物「オイラを無視して、イチャイチャしてんじゃねぇ!」
魔物「その子には、オイラが先に声をかけたんだ!」
魔物「邪魔するなら、お前も痛い目にあわせるぞ」
ギルバート「美女に声をかけているところを邪魔をしたことは、お詫びしよう」
ギルバート「しかし、怖がっている女性を追いかけ回すのは、いただけないな」
魔物「王子にオイラの何がわかる!」
魔物「ただでさえ、最近この辺は魔物も人も減ってんだ」
魔物「オイラみたいなのは、ガツガツやらねぇと一生結婚できねぇんだよ!」
ギルバート「そんな悩みを抱えていたなんて・・・」
ギルバート「ドバーッ」
アリス「ギルバート様!?」
魔物「なんで、泣いてんだよ」
ギルバート「我が国民が苦しんでいるのは、王子である私の不甲斐なさが原因だ」
ギルバート「私が、キミに必ずや最高の出会いをプレゼントしよう」
魔物「最高の出会い?」
ギルバート「Summon《召喚》」
魔物「なんだぁ?」
魔物「なんだかんだ言って、結局魔法でやっつけようってのか?」
アリス「違う」
アリス「これは攻撃魔法ではありません」
アリス「ギルバート様が、次元の魔女様から授かった「召喚術」」
アリス「次元の境界を超えて、異世界から人を呼び寄せる魔法です」
ギルバート「出でよ、タクト!」
タクト「うぉ、どこだここ!?」
ギルバート「ようこそ我がレイク・ビア王国へ」
タクト「ギル?」
タクト「ってことは、ここは異世界!?」
ギルバート「その通り!」
ギルバート「キミの力を借りたくて、早速召喚させてもらった」
ギルバート「頼れるのはキミしかいない」
タクト「ったく、しょうがねぇな」
タクト「ギルの頼みなら、いっちょ力を貸してやるよ」
ギルバート「紹介しよう、こちら魔物の・・・」
シャドウ「シャドウです」
ギルバート「よろしく、シャドウ」
ギルバート「こちら私の友人のタクトだ」
ギルバート「大学内で多くのカップルを生み出してきた恋愛マスター」
ギルバート「彼に任せれば、キミにも必ず最高の出会いがあるだろう」
タクト「なになに? 出会いがなくて困ってんの?」
シャドウ「そうだよ」
シャドウ「この辺は魔物も人もいないし・・・」
シャドウ「オイラにどこで出会えっていうんだよ!」
タクト「ここがダメなら、クラブ行けばいいじゃん」
シャドウ「ク、クラブ?」
タクト「出会いなんて、待ってても来ないぜ?」
タクト「俺が付き合うからさ、素敵な出会いを今夜一緒にハントしちゃおうぜ」
シャドウ「は、はぁ」
タクト「よっしゃ! そうと決まれば、早速行こう」
タクト「明日、何限から?」
シャドウ「何限?」
タクト「授業だよ、授業」
シャドウ「いや、授業とかは特にないです」
タクト「まじで?」
タクト「んじゃ、朝までパーリナイといきますか」
タクト「ギル、この辺にクラブあんの?」
ギルバート「クラブはないが、今夜は城で宴が開かれるだろう」
ギルバート「君たちも、参加してくれ」
タクト「城での宴とか、テンション上がってきた〜!」
アリス「ギルバート様、それが・・・」
ギルバート「どうした、アリス?」
アリス「ありません」
ギルバート「何?」
ギルバート「今夜は宴がないのか?」
アリス「いいえ」
アリス「レイク・ビア王国はもうありません」
ギルバート「どういうことだ!?」
アリス「王国は滅亡しました!」
ギルバート「城は? みんなは?」
アリス「・・・」
ギルバート「ひとまず、城に向かおう!」
ギルバート「我が王国が滅亡したなんて信じられん」

〇荒廃した教会
ギルバート「ここが、我がレイク・ビアの城か?」
アリス「帝国の侵略によって、土地は荒れ、国民たちも住む場所を奪われてしまいました」
アリス「ギルバート様、すみません」
アリス「国をお守りできず、家臣失格です!」
ギルバート「泣くな、アリス」
ギルバート「キミたちがいてくれれば、またやり直せる」
アリス「しかし、土地も国民もなくてどうやって?」
ギルバート「ハハハッ!心配ない!」
ギルバート「私が旅した異世界「日本」には、領土を待たずとも「サークル」という同じ志を持った集団が多数存在した」
ギルバート「4年間の異世界留学で得た「サークル仲間」の力を借りれば、再びレイク・ビア王国を再建できる」
ギルバート「作るぞ! 我が「王国再建サークル」を!」

〇西洋の円卓会議
  同日
  ヨクト帝国会議室
次元の魔女「やぁ」
次元の魔女「ギルバート王子が帰ってきたよ」
次元の魔女「同じ異世界留学生として、どんな気分だい?」

次のエピソード:第2話:魔族の谷

コメント

  • 王子、涙もろすぎww
    日本のサークル仲間を召喚、物凄く興味をそそられる設定ですね!まずは、魔物をクラブに誘うタクトくんw 他にどんな仲間が出てくるのか楽しみです!

  • サークル感覚で国を再建しようとするなんて、良くも悪くもちょっといっちゃてる感じの王子がいい味出してますね。いかなる場面でも相手を敵対視することなく、穏便な方法で解決しようとする姿勢が徹底していて感動すら覚えます。これからどんなサークル仲間たちが揃うのか楽しみです。

  • ギル王子の人柄が良すぎて「おいおい、大丈夫か…?!😅」ってな感じでしたが、ここまで突き抜けていると「まぁ、大丈夫なんだろうな!(笑)」と見ているこちらまで気楽になれて気持ちいいですね(?)。
    召喚されたのが、まさかのタクト君?!……の順応性の高さも気持ちよかったです🤣シャドウ君も頑張れ🤣🤣
    サークル仲間召喚……そう来るか〜、と目から鱗でした。

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