アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第44話 不思議な転校生!③(脚本)

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〇広い公園
灰澤悠馬「・・・グオォオォォオオオ!」
高原みこ「すごーい! ユーマくんかっこいい!」
アテナ「御主人(マスター)、灰澤悠馬から離れてください!」
灰澤悠馬「ウオォオ!! ガァアア!」
戦闘員A「ハイザワめ、我々を倒してどうする!」
戦闘員B「だから戦闘民族は信用ならんのだ! 攻撃準備!」
アテナ「御主人(マスター)危ない!」
  みこの前に飛び出すアテナ。
灰澤悠馬「! ウオォ!!」
アテナ「ッ! 怒りで我を忘れている!?」
高原みこ「アテナ大丈夫!?」
戦闘員A「ガイ星人に遠慮はいらん! 出力全開、撃て!」
アテナ「ガイ星人?」
灰澤悠馬「ガァアア!」
  灰澤はみこを抱えると、戦闘員をなぎ倒して走り出す。
高原みこ「うわっ、ユーマくん!?」
アテナ「待ちなさい! 御主人(マスター)をどこへ連れて行くのですか!?」
戦闘員A「逃げるぞ! 撃て! 撃つんだ!」
  ダダダダダッ!!
灰澤悠馬「オォォオオ!」
戦闘員A「追え! ハイザワを反逆者として捕らえよ!」
アテナ「私たちも追いますよ!」

〇川に架かる橋
嘉成光「ハァ・・・ハァ・・・」
嘉成光「逃げ足が速いな。ガイ星人って何なんだ?」
アテナ「怒りの感情で姿を変える種族・・・古代の文献にわずかに記録が残っているようですが」
嘉成光「怒り? みこちゃんがケガをしたから?」
アテナ「その議論をしている暇はありません。 二手に分かれて探しましょう」

〇森の中
高原みこ「銃持った人たち、みんなあっち行っちゃったみたいだよ」
灰澤悠馬「ウッ、ウッ、ウウ・・・」
高原みこ「泣かないでユーマくん。大丈夫だよ」
灰澤悠馬「ウウウウゥ・・・」
灰澤悠馬「オレのせいで、ミコちゃんケガした」
高原みこ「ユーマくんは助けてくれたんでしょ?」
灰澤悠馬「だけど・・・オレ、怖いだろ」
高原みこ「全然。ユーマくんはユーマくんだもん」
灰澤悠馬「ミコちゃん・・・」
  灰澤は機器を操作すると、『みこを暗殺せよ』というメッセージを削除した。
灰澤悠馬「・・・オレ、しない」
高原みこ「いいの?」
灰澤悠馬「ミコちゃんはトモダチ・・・任務できない。ちゃんと仲間に言う」
高原みこ「うん!」
  そのとき、空中のウィンドウに人影が表示された。

〇研究所の中枢
???「メエ~~? (ハイザワ、そこに誰かいるのか?)」

〇森の中
高原みこ「わっ、ヤギだ!」
灰澤悠馬「メェ!? (ボス!?)」
高原みこ「ヤギの真似なら私も・・・んぐっ」
  灰澤は咄嗟にみこの口に手をあてて塞ぐ。
灰澤悠馬「メ・・・ (いや、一人だ)」
高原みこ「んんん?」
ボス「メェ~~・・・ (お前が我々を裏切ったという報告を受けた)」
灰澤悠馬「メェメェ・・・ (その通りだ。言い訳はしない)」
ボス「メ・・・ (我々の掟を知って言っているんだな?)」
灰澤悠馬「メェ (わかっている。裏切り者は死ぬだけだ)」
高原みこ「あはは、私もできるよ! メエ~~!」
ボス「! メェッ (今のは高原みこ!?)」
灰澤悠馬「メッ、メェエ! (違う! 彼女は・・・!)」
  灰澤が言いかけたとき、二人の頭上に巨大な戦艦が現れた。
高原みこ「うお~! でっかい宇宙船きた!」
灰澤悠馬「ミコちゃん、逃げよう!」
ボス「メメメ! (ははは! そうはさせない!)」

〇空
  二人の体が宙に浮き、戦艦の中へ引き寄せられていく。
高原みこ「わわわ、浮いてる~!?」

〇研究所の中枢
高原みこ「おお~! ここが宇宙船の中か!」
ボス「ようこそわが戦艦へ」
高原みこ「ヤギがしゃべった!?」
ボス「ヤギではない! 下等な地球人め、高貴なるゴトー星人を知らぬか」
高原みこ「後藤星人・・・?」
ボス「感謝しろ。貴様が日本語しか理解できないから合わせてやっているのだ」
高原みこ「ふーん?」
灰澤悠馬「ミコちゃん、関係ない! 巻き込むな!」
ボス「何を言う。我々が地球に来た目的は高原みこを殺すことだ」
高原みこ「もしかして私ピンチ?」
ボス「ガイ星人は仲間を裏切らないと聞いていたが、期待外れだったな」
灰澤悠馬「おまえたち・・・オレのトモダチになってくれなかった、だから」
ボス「ははは! ガイ星人のたった一人の生き残りは、友達とやらのために死ぬか」
灰澤悠馬「・・・・・・」
ボス「高原みこ、最期に言いたいことは?」
高原みこ「もう一回メ~ッて言ってほしい!」
ボス「メメメ~・・・ (愚かなことだ)」
高原みこ「あはは! メ~メ~!」
  ボスが手を上げると、戦闘員の銃口が一斉にみこと灰澤に向けられる。
灰澤悠馬「!」
ボス「これで思い残すことはないな」
灰澤悠馬「ミコちゃん、傷つける・・・させない」
灰澤悠馬「ウ・・・おまえたち、許さない!!」
灰澤悠馬「ウオォォォオ!」
ボス「動じるな、ワームネットでハイザワの動きを封じろ!」
  戦闘員たちが銃口から放射した網が、灰澤の体を拘束する。
灰澤悠馬「ウウウゥッ!?」
高原みこ「ユーマくん大丈夫!?」

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