アテナ任務遂行中!

木佐マコ

第43話 不思議な転校生!②(脚本)

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〇古いアパート

〇雑多な部屋
高原みこ「ふわ~、おはよう」
アテナ「休みだからって寝すぎです。 灰澤悠馬との約束の時間に遅れますよ」
高原みこ「あっ、お弁当の卵焼き、甘いのとしょっぱいのと、カニカマの入ってるのが食べたいな」
アテナ「遠足に行くんじゃないんですよ」
高原みこ「わかってるよ~」
アテナ(急上昇した危険指数が気になる。 彼には注意しなくては)

〇学校の裏門
高原みこ「おまたせ~!」
灰澤悠馬「ミコちゃん!」
嘉成光「何その呼び方。 たった1日で馴れ馴れしすぎない?」
アテナ「貴方も人のことは言えないと思いますが」
高原みこ「今日こそスマホ見つけようね!」

〇商店街
高原みこ「ここにもユーマくんのスマホなかったね」
灰澤悠馬「ウン」
アテナ「花屋に魚屋に八百屋にペットショップ・・・次はどこに寄り道を?」
嘉成光「登校前に行く店のラインナップ、かなりおかしいよね」
高原みこ「あーお腹空いた! 次行く前にお弁当食べようよ!」

〇見晴らしのいい公園
高原みこ「ん~! 鮭のおにぎりに甘い卵焼きは最高の組み合わせ!」
灰澤悠馬「そうなのか? オレも食べる」
アテナ「いただきます」
灰澤悠馬「あっ」
高原みこ「最後の卵焼き、アテナが食べちゃった!」
アテナ「・・・怒りませんね」
嘉成光「怒らせるために意地悪したの?」
アテナ「昨日の異常な危険指数の上昇を再現するためです」
高原みこ「もう、せっかく楽しいピクニックしてるのに」
アテナ「ピクニックではありません」
高原みこ「ユーマくん、私の食べかけだけど卵焼き分けてあげるよ」
灰澤悠馬「! ありがとう」
嘉成光「うっ、かなりうらやましい・・・」
灰澤悠馬「オレ、宇宙で一番幸せだ」
アテナ「卵焼きくらいで大袈裟では?」
灰澤悠馬「卵焼きだけじゃない。 この丘、オレの故郷に似てる」
高原みこ「故郷って?」
灰澤悠馬「あっちだ」
  空を見上げて天高く指を刺す。
高原みこ「どっち? 空?」
嘉成光「海外ってことじゃない?」
アテナ「・・・・・・」

〇ビルの裏
灰澤悠馬「昨日、ここで男の友情を確かめ合った」
嘉成光「路地裏で友情か・・・もしやその顔の傷、ここでケンカした時に?」
灰澤悠馬「ケンカなんかしてない」
兄貴「灰澤、待ってたぜ!」
灰澤悠馬「!」
高原みこ「ユーマくんの友達? 会えてよかったね」
兄貴「灰澤、昨日は弟分が世話になったそうじゃねえか」
弟分「俺のこと忘れてねえよな!?」
灰澤悠馬「『覚えてろよ』っておまえが言った」
嘉成光「・・・もしかして俺たち、待ち伏せされてたんじゃない?」
アテナ「御主人(マスター)、危険ですから私の後ろに隠れてください」
兄貴「さっそく挨拶させてもらうぜ!!」
  灰澤めがけて勢いよく走り出す。
灰澤悠馬「!」
嘉成光「危ない! 避けろ灰澤!」
  パシッ!
  手のひらでパンチを受け止める。
灰澤悠馬「・・・・・・」
兄貴「てめぇ・・・」
嘉成光「かなりやばい、乱闘が始まるぞ」
兄貴「期待以上だ!」
嘉成光「え!?」
兄貴「弟分のパンチを全部受け止めたって話、本当だったんだな!」
弟分「俺たち、アンタのこと仲間にしたくて待ってたんすよ!」
灰澤悠馬「オレ、もう仲間はいる。それより・・・」
  兄貴の左腕の腕時計を見つめる。
灰澤悠馬「これ、返してくれ。これを探してた」
嘉成光「スマホじゃなかったの!?」

〇広い公園
高原みこ「ユーマくんのスマホ、カッコイイなー!」
嘉成光「スマホじゃなくてウェアラブルウォッチってやつでしょ? 個性的なデザインだよね」
アテナ「未来のデータまで参照しましたが、どの商品のデザインとも一致しません」
嘉成光「それって、どういうこと?」
アテナ「わかりません。地球には存在しない物となると・・・」
灰澤悠馬「よかった、ちゃんと動く」

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