シナハナギシフ☆ノコンキユ

ゆきんこ

第三夜 押入れの半身(脚本)

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〇西洋の住宅街
ゆきんこ「兄ちゃん、お姉ちゃん、新築おめでとう!!」
「ありがとう♪     ありがとう」
ゆきんこ「やっぱり一軒家だよね~!」
姉「ウンウン」
ゆきんこ「実家が売れて、新築の家が建つまで」
ゆきんこ「5人での仮住まいのマンション暮らしは、狭くて大変だったでしょう!」
ゆきんこ「お母さんも喜んでいたし、」
ゆきんこ「カナとトシヤにも自分の部屋が出来て、最高だね!」
姉「まあね」
姉「あの賃貸マンションも色々あったから、」
姉「早く出たくてしょうがなかったんだ」
ゆきんこ「何? ご近所トラブルとか?」
姉「あ、いや。 そうじゃないんだけど・・・」
姉「とりあえず、中に入りなよ」
ゆきんこ「お邪魔しま〜す♪」

〇豪華なリビングダイニング
ゆきんこ「そういえば、 カナが4歳くらいの時に」
ゆきんこ「人には見えない友達に名前を付けて、遊んでるって話していたよね」
姉「『宮ちゃん』と『舞くん』ね」
カナ「?」
ゆきんこ「後からそれが、神社のマスコットキャラの名前と一致していて」
ゆきんこ「私たち、スゴく驚いたよね〜!」
姉「あったね、そんなこと」
ゆきんこ「今でも、人に見えないモノが見えたりする?」
カナ「そうだったっけ? そんな昔のこと、忘れた〜!」
ゆきんこ「小さい子供って、霊能力とかありそうだよね」
姉「それがね・・・」
姉「どうも、トシヤの方が霊感がありそうなのよ」
ゆきんこ「何があったの?」
姉「ゆきが話していた、賃貸マンションでの話なんだけど・・・」

〇団地

〇古いアパートの部屋
「いーち、にー、さーん、しー」
「もーいいかい?」
トシヤ(ヤベえ。早く隠れなきゃ!)
トシヤ「ウォッ・・・!!」
トシヤ「怖ェー・・・」
  何故かトシヤは、部屋にある押入れを異常に怖がっていたの

〇オフィスのフロア
姉「次の会議のプレゼンは、 コレでOKね」
同僚「品田さんはご存知?」
姉「何ですか?」
同僚「私たちが住むあのマンションで、」
同僚「先日、人が亡くなったんですって!」
姉「エッ」
姉「事件なんですか?」
同僚「いや、持病の心臓発作だったらしいよ」
同僚「この会社の営業課の〇〇さんって知らない?」
同僚「私は、たまに総会で顔合わせるくらいだったけどね」
姉「確かその人って」
姉「うちの下の階の、 真下の部屋のオジサンじゃ・・・!?」
  ごくたまに、挨拶を交わす程度の関係だった中年男性の訃報。
  その冥福は祈りつつ
  家族にワザワザ話すのも、
  何だか心地悪い気がして
  そのことは、私の胸にしまっていたの

〇西洋の住宅街
トシヤ「新築スッゲ~!」
トシヤ「新しいお家、嬉しいなあ♪」
姉「フフ。 トシヤが1番嬉しそうね」
姉「来月には引っ越せるから、 もう少し待ってね!」
トシヤ「早く引っ越したいな〜」
トシヤ「だって、今のお家」
トシヤ「怖いんだよね」
姉「怖いって、何が?」
トシヤ「押入れだよ」
トシヤ「友達と隠れんぼしていて、」
トシヤ「押入れに隠れようとして、引き戸を開けたら」

〇黒
  見ちゃったんだ

〇黒
  押入れの床から、知らないオジサンが半分だけ出ていて
  苦しそうに、手を伸ばすんだ
ゆきんこ(・・・!)
ゆきんこ「そのオジサンは・・・ ずっと押入れに居るの?」
姉「ずっと居たらしいのよ」
姉「だから、新築が待ち遠しかったの!」

〇豪華なリビングダイニング
  半身だけのオジサンは
  トシヤに、何を訴えたかったんでしょうか?
  お姉ちゃんもあまりにも怖すぎて
  それ以上はトシヤに聞けなかったので、事実は闇の中です。

コメント

  • 2話でやめるとビビりだと思われるので(その通りなんですが)、ここまで来ました(笑)
    読まなきゃよかったです…
    スチルは絶対どこかで来ると思ってました(笑) 素晴らしい出来だと思いますが、一瞬しか見ていません。
    ゆきんこさん、ホラー作品の才能もあると思うので、これからこっち方面でいくのもいいのでは。残念ながら恐くてもう読めそうもありませんが…

  • 押入れにおじさんがいるのも、手を伸ばしてくるのも怖かったです😱
    そして、上半身だけ出ているというのも、妙にリアルで怖いですね……!
    わたしは霊感がなくて、よかったです🫣

  • 来るぞ、来るぞから
    あのスチルは怖い!
    実話というのがヤバい!

    怖がらせていただきました。
    ありがとうございます。

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