第42話 不思議な転校生!①(脚本)
〇宇宙空間
宇宙をさまよう大量の戦艦が、次々に爆発を起こす。
〇研究所の中枢
戦闘員A「こいつ、一人で艦隊を全滅させるつもりか!?」
カオス「みこのいる地球に近づこうなんて千年早えんだよ!」
ビィーッ!! ビィーッ!!
戦闘員A「くっ、この艦も終わりか!」
カオス「さっさと家に帰らねえとドーナツになるぜ!」
〇近未来の通路
戦闘員B「お前にすべて任せたぞ!」
戦闘員が緊急ボタンを押す。
球形の脱出ポッドが宇宙に放たれた。
〇大きな木のある校舎
〇教室
嘉成光「おはよう。今日はうるさいのがいないね」
高原みこ「カオスは宇宙に行ったんだよ」
嘉成光「宇宙!?」
アテナ「ええ、脅威が迫っているとかで」
嘉成光「脅威って・・・みこちゃん、宇宙人にまで命を狙われるようになったってこと?」
高原みこ「宇宙人かー、会ってみたいな」
アテナ「会わせません。危険分子は見つけ次第、早急に排除します」
吉永良晴「みんな席に着け。転校生を紹介するぞ」
高原みこ「わーい、転校生!!」
教師に連れられて生徒が入ってくる。
???「・・・・・・」
嘉成光「うわ、かなりヤンキー来た!」
アテナ「ヤンキー?」
嘉成光「あの目つきの悪さに顔の傷・・・前の高校で暴力沙汰を起こして転校してきたに違いないよ。危険指数ヤバいでしょ」
アテナ「危険指数は3。無害な一般人ですね」
嘉成光「それ本当? 測定間違ってない?」
吉永良晴「静かに! まずは自己紹介をしてもらおうか」
???「灰澤・・・」
(・・・灰澤)
???「・・・・・・」
「・・・・・・」
灰澤悠馬「・・・悠馬だ」
嘉成光「それだけ!?」
高原みこ「質問! 好きな食べ物はなんですかー?」
灰澤悠馬「・・・・・・」
吉永良晴「ま、まだ緊張してるんだよな。 誰か学校を案内──」
高原みこ「はいはーい! 私がお昼休みに校舎案内してあげる」
吉永良晴「おっ、気が利くじゃないか」
灰澤悠馬「・・・・・・」
嘉成光「かなり嫌そうな顔・・・」
〇警察署の食堂
高原みこ「ここは学食!」
高原みこ「一番人気はカレーだけど、私は焼きそばが一番好きかなー」
灰澤悠馬「・・・ウン」
〇音楽室
高原みこ「ここは音楽室!」
高原みこ「放課後、ピアノで猫ふんじゃったを100回間違えずに弾くと願い事が叶うんだって」
灰澤悠馬「・・・ウン」
〇学校の廊下
高原みこ「ここが男子トイレだよ」
灰澤悠馬「・・・ウン」
嘉成光「ちょちょ、この中は案内しなくていいんじゃないかな!?」
〇教室の外
高原みこ「じゃじゃーん、ここが校舎裏だよ!」
灰澤悠馬「・・・ウン」
嘉成光「決闘、カツアゲならここでどうぞ~」
嘉成光「・・・って、おかしいでしょ!?」
アテナ「おかしいのは貴方のテンションです」
〇まっすぐの廊下
高原みこ「ユーマくん、『ウン』しか言わないからつまんないな」
嘉成光「みこちゃん、シーッ!」
灰澤悠馬「・・・・・・」
嘉成光「わ、悪気はないんだ! みこちゃんは素直っていうか」
高原みこ「ねえ、その顔の怪我どうしたの? カッコイイね」
灰澤悠馬「!」
嘉成光「わーっ!! ダメだよみこちゃん!」
灰澤悠馬「ウ・・・ッ」
嘉成光「眉間のしわ深っ! ほら怒っちゃったじゃん!」
アテナ「なぜ聞いてはいけないのです?」
嘉成光「灰澤くんにはいろいろ事情があるんだよ。ヤンキーの抗争で人に言えないようなことをかなりしてきたから」
アテナ「それはあなたの妄想でしょう?」
灰澤悠馬「ウ、ウウウ・・・」
嘉成光「灰澤くん、落ち着いて! 無理に答えなくていいから!」
灰澤悠馬「オレ・・・大事な物なくした」
灰澤の目からポロポロと涙がこぼれる。
嘉成光「ん!? 涙!?」
灰澤悠馬「見つからない、どこにも・・・メッセージ、読まなきゃいけないのに」
嘉成光「そっか、大変だったね・・・ってみこちゃん?」
高原みこ「うわーん! ユーマくん可哀そう」
嘉成光「今ので泣く!?」
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