生まれたての怪異とマカロン好きの女

たらはかに

第二話 クラス会は、廃校で。(前編)(脚本)

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〇渋谷のスクランブル交差点
堂島泉「今日のクラス会楽しみだね」
阿部レイカ「え?今日クラス会だっけ」
堂島泉「そーだよ、ほら 手紙きてたでしょ」
阿部レイカ「へー・・・ きてたかなぁ」
堂島泉「レイカも同じクラスだったんでしょ! きてるって!」
阿部レイカ「間違って捨てちゃったかな」
堂島泉「一緒にいかない?」

〇血しぶき
  呼んだか
カイイ「質より量って知ってるか?」
  生まれたてのお前よりは
  ことわざに詳しいつもりだが
カイイ「堂島泉を量で攻めることにした」
カイイ「堂島泉を霊がはびこる廃校に呼び出した」
カイイ「一人一人の霊がダメでも 束になってかかれば 堂島泉は恐怖でおののくに違いない!」
カイイ「待ってろ!堂島泉!」
カイイ「すでに廃校に盗聴機を仕掛けてある」
カイイ「あとはここで堂島泉の悲鳴を聞く」
カイイ「そうすれば真の怪異に俺はなるのだ!」
  ゴホン
  あのーお言葉ですが
  お前が怖がらせないと
  真の怪異にはなれないのでございます
カイイ「え?」
  え? じゃないよ
  ちゃんと言ったでしょ
  お前、アプリインストールする時に
  注意書きは読まずにOK押すタイプだな
カイイ「あんなの誰も読んでないだろ 字が小さすぎるし」
カイイ「画面をスクロールするだけ ありがたいと思って欲しい」
  そうやって理屈より感情で動く所
  キライじゃない
カイイ「じゃあこれで怖がらせれば!」
  が、規則は規則
  ノーカウントだ
カイイ「音楽室の絵の目からビーム出ても?」
  それは恐怖ではなく、ただの攻撃だ
カイイ「バッハの両目からビーム出たら 怖いだろ!」
  怖いの意味が変わってる
  話にならないな
  ほら、ちゃんと見ろ
カイイ「・・・」
カイイ「俺がやらなきゃいけないって 言ってないよね」
  ん?
カイイ「もう一回確認させて」
カイイ「やっぱり言ってない」
  いや? 言ってる
カイイ「足した! 今、足しただろ!」
  足すってなんだ
  これはお前の記憶だ
カイイ「ずるいわー」
  ずるい?
  何を言ってるか分からない
カイイ「詐欺だからな、これ 公正取引委員界へ堕ちてしまえ」
カイイ「あと、字がきたない」
  あ、ちょっと、もしもし?もしもし?
カイイ「おい、聞いてるか?」
  あ、お声のほうが聞こえないようなので
  切らせていただきますね
カイイ「おい!」
カイイ「逃げたな・・・」
カイイ「仕方がない、廃校いくか」

〇ボロい校舎
堂島泉「ついた!楽しみだね!」
阿部レイカ「なんか電気ついてないけど」
堂島泉「サプライズかな?」
堂島泉「電気つけたら皆で待ってて クラッカーとフラッシュモブでしょ!」
阿部レイカ「たぶんフラッシュモブは無いよ・・・」
堂島泉「ねえ、皆の顔覚えてる?」
阿部レイカ「多分わかると思う」
堂島泉「私、思い出せるように頑張るから わからなかったらよろしくね」
阿部レイカ「分かった」
堂島泉「じゃあ、クラス会レッツゴー!」

〇教室
阿部レイカ「ここみたいね」
阿部レイカ「誰かいますかー?」
堂島泉「だめよ、レイカ サプライズマナー違反だよ」
堂島泉「こういうのは恐る恐る電気をつけて」
堂島泉「明るくなったら沢山の人がいて」
堂島泉「クラッカーが鳴ったりして そしたら、こう言うのよ」
堂島泉「オー、マイ、ガッ!」
堂島泉「そのあと頭抱えて悲鳴をあげるの」
阿部レイカ「海外のサプライズ動画見過ぎじゃない?」
堂島泉「そんなこと言っちゃダメ サプライズできなくなるでしょ」
堂島泉「はい戻って、戻って」
「じゃあ電気つけるよ」
「マダ、ダレモ、イナイナア」
「待って、棒読み?外人さん?」
「わかっててひっかかるドッキリって 案外難しいんだから!?」
「わかった、まかせるわ」
「マダ、ダレモ、イナイナア」
「電気デモ、ツケヨウカナ」

〇教室
レイカ「キャー!!!」

〇教室
堂島泉「ちょっと! なんで電気消すの!」
阿部レイカ「なんかいた!」
堂島泉「いるに決まってるでしょ! サプライズなんだから!」
堂島泉「サプライズなのに 誰もいない方が怖いでしょ!」
阿部レイカ「そ、そっか」
堂島泉「大丈夫。サプライズって驚かせるって 意味なんだから、驚いたレイカに罪はないのよ」
阿部レイカ「でも、見た目もおかしかったような」
堂島泉「レイカ 大人になると色々あるのよ」
堂島泉「学生時代みたいに、みんな同じって訳にはいかない。それが人生じゃない?」
堂島泉「でも、面影は必ずあるはず」
阿部レイカ「わ、わかった。見間違えかな。 電気つけるね」

〇教室
レイカ「キャー!!」

〇教室
堂島泉「なんでまた消すのよ!」
阿部レイカ「絶対に違う。 クラスの生徒じゃない」
堂島泉「そんなこと言っちゃダメだよ」
阿部レイカ「目が血走ってたよ!」
堂島泉「忙しくて徹夜続きなんだよ 会社がブラック企業なんじゃない?」
阿部レイカ「クマとか、いなかったし!」
堂島泉「見た目が途中で変わることもあるよ! LGBTQに配慮しないと!」
阿部レイカ「クマはLGBTQのどれよ!」
堂島泉「・・・Quma?」
阿部レイカ「違う、絶対に違う」
堂島泉「これじゃ、いつまでもクラス会はじまらないじゃない!」
阿部レイカ「あたしのせい? あの化け物じゃなくて?!」
堂島泉「クラスメイト!! 仲間!!」
阿部レイカ「どこが仲間よ!」

〇教室
レイカ「化け物でしょ!」

〇教室
堂島泉「あたしのクラスメイトになんてこというのよ!」
阿部レイカ「クラスメイトじゃない! 泉は記憶がないくせに!」
堂島泉「・・・確かに私の記憶はないよ」
堂島泉「レイカだって知ってるでしょ」
堂島泉「あの日から消えちゃったんだもん 何にもわからないんだもん」
堂島泉「こうして昔のカケラに触れたら 記憶が戻ってくるかもしれないじゃん!」
堂島泉「私、レイカならわかってくれると思ってた・・・」
堂島泉「ねえ、みんな、そうだよね!」

〇教室

〇教室
阿部レイカ「あいつらわかってないよ どうみても化け物だもん」
堂島泉「そんな事ない!」
堂島泉「先生にあだ名をつけたり じゃんけんで負けたら激辛食べたり」
堂島泉「夜中の公園で花火したり フラレた友達をカラオケで慰めたり」
堂島泉「仮想通貨で部費を全額溶かしたり 校舎ごと千年後にタイムスリップしたり」
阿部レイカ「なんか後半おかしい」
堂島泉「それがみんなと過ごした青春でしょ! 青&春なんでしょ! ブルーインパルスなんでしょ!」
阿部レイカ「戦闘機混ざってる・・・」
堂島泉「私は全く覚えてないけどさ」
堂島泉「ねえ、みんなは 私の青春の1ページなんだよね?」
堂島泉「私のページは白紙になっちゃったけど 皆がまた書き込んでくれるよね?」
堂島泉「私の青春、辞書みたいに分厚くなるよね!」

〇教室
「オ・・・オ・・・」

〇教室
阿部レイカ「泣いてる・・・嘘でしょ・・・」
堂島泉「やっぱり、昔の仲間だもん」
堂島泉「わかってくれるよね」
堂島泉「さあ、クラス会はじめよっ!」

〇教室
「オオオオオ・・・!」

〇ボロい校舎
カイイ「ここか」
カイイ「待ってろ、堂島泉」
カイイ「喉が引きちぎれるほどの悲鳴をあげさせてやる」
カイイ「この増える髪の毛ちゃんでな!」
カイイ「ワハハハハハハ」

〇手
阿部レイカ「第二話はここまで!」
阿部レイカ「クラス会は 無事に行なわれるのか?」
阿部レイカ「泉ちゃんの記憶は何故消えた?」
阿部レイカ「増える髪の毛ちゃんの効果は?」
阿部レイカ「生まれたての怪異と マカロン好きの女」
阿部レイカ「第三話、お楽しみに!」

次のエピソード:第三話 クラス会は、廃校で。(後編)

コメント

  • もうwwwホラー要素がwwwわからないですwww
    しつこいほど何度も確認するクラスメイトたちが面白すぎました🤣

  • レイカと泉の漫才がツボでした!
    あとスチルの斬新な使い方にン?ってなりました🤣👍
    カイイ君はだんだん可愛く思えてきましたよ。失敗しそうで心配です。

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