上司さんと部下ちゃん(屍鬼もいます)

内田 今日―

エピソード14 二人は臨時の配送係のようです 後編(脚本)

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〇黒
  前回のあらすじ
  唐突に押田原センターへ荷物を
  運ぶことを依頼された
  部下ちゃんと守信寺さん
  楽勝な仕事かと思いきや
  いきなり謎の男に襲われて
  予定外の事態に
  果たして二人は
  無事に押田原まで
  たどり着くのでしょうか?

〇渋谷駅前
  そのころ
  怪しい男が駅前でスマホを
  使っていました
???「俺だ」
???「失敗した 標的は強力なモンスターに 護衛されている」
???「分かった プランB 「奪取」から「破壊」変更」
  怪しい男は黒塗りの高級車に
  乗り込むとその場を立ち去ったのです

〇車内
部下ちゃん「おおっ あたし結構運転いけるかも」
着ぐるみ「前の車に追いつきそうだから すこーしハンドルを右にね となりの車線へ・・・」
着ぐるみ「ハンドル切りすぎ ちょい戻して!」
部下ちゃん「了解了解」
着ぐるみ「戻しすぎ! (危ない。神様助けて)」
  何とか自動車は
  ガードレールにぶつかることなく
  走り続けています
部下ちゃん「「押田原まで10km」だって もう少しで到着ですよ」
着ぐるみ「そうだね いい天気だね」
  守信寺さんは
  全く余裕がないようです
部下ちゃん「ん? なんか後ろから黒いのが スゲー近づいてくる」
着ぐるみ「えっ?」

〇開けた高速道路
  黒塗りの高級車が
  猛スピードで追ってきます

〇車内
???「プランB」
???「実行」

〇車内
着ぐるみ「全力ブレーキ! 止まったら飛び降りる!」
着ぐるみ「・・・(後は私が盾に)」
部下ちゃん「とまれー!」
着ぐるみ「呪力開放! 六字真言オンマニパドメフン!」

〇開けた高速道路

〇車内
???「オルボワール(さようなら)」

〇開けた高速道路
  黒塗りの高級車は怪しい男を乗せて
  走り去っていきました

〇開けた高速道路
部下ちゃん「あた あたたた 守信寺さん?」
屍鬼「着ぐるみはダメになりましたけど なんとか無事です」
屍鬼「でも・・・」
部下ちゃん「届け物がむき出しになっちゃった」
屍鬼「冷凍保存のようですし むき出しでドライアイスなしでは ・・・」
  仕事が失敗なのは
  あきらかです
屍鬼「一度、満津戸リサーチセンターに 戻っ・・・」
部下ちゃん「行くよ」
屍鬼「え、でも」
部下ちゃん「二人とも死にかけて 「失敗でした」なんて あたし認めない」
部下ちゃん「中身がどうとかもういいの 最期までやりとげる それだけ」
屍鬼「部下ちゃん・・・」
  部下ちゃんは
  瓶をポケットに入れると
  高速道路の非常階段に向かいました
  押田原まで
  8㎞

〇大きい研究所
  押田原リサーチセンター
  正門前

〇大きい研究所

〇大きい研究所
上司さん「二人はまだでしょうか?」
医師「部下思いだねえ でも大事なのは「変異ウィルス」だろ?」
上司さん「そんなものどうでもいいです 大体、なんで二人が運ばなきゃ いけなかったんです!」
医師「説明したよね 満津戸リサーチセンターの中に 敵のスパイが浸透しているって」
医師「裏をかくのは基本さ センターの配送トラックを一台 さらに元配送課長の乗用車が一台」
医師「本命はあの二人ってね」
上司さん「私は納得できませんよ!」
医師「上層部は上司さんの納得なんか どうでもいいんだろ おや?」
  ふたつの人影が
  押田原リサーチセンターに
  向かってきます
部下ちゃん「上司さん」
屍鬼「業務は」
  あたりは夜の帳につつまれ
  本来冷凍であるべき瓶は
  完全に常温になっていました
部下ちゃん「今、完了でーす!」
上司さん「・・・部下ちゃん」
上司さん「・・・守信寺さん」
上司さん「二人ともよくやり遂げました お疲れ様です」
屍鬼「え、でも もうこれは使えないのでは?」
上司さん「構いませんよ 疲れたでしょう? 中でゆっくり休みましょう」
医師「とその前に」
  医師(らしき人)は二人の鼻に
  綿棒を差し込むのでした
医師「OK 中へどうぞ」
部下ちゃん「こんなときぐらい 自重しろっつーの」
医師「ハイハイ んじゃ、あたしはこれで」
  医師(らしき人)は
  使えなくなった瓶と
  綿棒をひたした薬液をもって
  立ち去っていきました
上司さん「ここは満津戸と違って設備が ちょっとしたホテルなみです 食事も上等ですよ」
部下ちゃん「やったね 無免許運転した甲斐があったよ」
屍鬼「部下ちゃん それは言わなくていいでしょ」
  事件のことはともかく
  今日一日が無事に終えられたことに
  感謝しつつ
  三人は押田原リサーチセンターの玄関を
  くぐるのでした
  
  おしまい

〇病院の診察室
  押田原リサーチセンター
  某所
社員「結局「変異ウィルス」は こちらに運べなかった そういうことですか?」
医師「これなーんだ?」
  医師(らしき人)は
  綿棒が入った溶液を渡しました
社員「これはいったい?」
医師「あの二人を追ってくる可能性も 考えてね」
医師「「変異ウィルス」を綿棒で二人の鼻の中に 塗布したのさ」
社員「え?」

〇地下実験室
  医師(らしき人)は
  二人の鼻の穴に綿棒を差し込んだのだ
守信寺さん「痛い!」
部下ちゃん「あぎゃ」

〇病院の診察室
医師「つまり彼女たちが運ぶべき「容器」は 彼女たち自身だったってことだねえ」
社員「では二人は感染者ということに なるのでは?」
医師「二人とも体力あるから 後でクリプトシアニンでも飲ませて おけば大丈夫さ」
医師「こんな与太話より ここから座麻まで結構距離あるだろ? 急いだらどうだい?」
社員「それでは後日ブリーフィングで会いましょう」
  社員(?)は退出しました
医師「これで「あちらさん」の 私に対する評価が上がると うれしいねえ フフフ」
  本当に
  
  おしまい

次のエピソード:エピソード15 部下ちゃんは旧家の呪いを解くようです

コメント

  • 見応えのある前後編でしたね!部下ちゃんと守信寺さんのキャラが出て、上司さんの(自身が巻き込まれていない場合のみの)人柄の良さも見られて、好きなストーリーです!
    ……ラストシーンでは、背筋がゾクリとしましたが

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