エピソード15 部下ちゃんは旧家の呪いを解くようです(脚本)
〇モヤモヤ
嗚呼、誰か
この屋敷にかけられた呪いを
解いてくださいませ
「あいよー!」
〇立派な洋館
とある豪邸にて
上司さん「付きましたね」
部下ちゃん「ここが件の屋敷だね 上司君」
上司さん「私は「上司君」じゃありません」
上司さん「と言うより部下ちゃん 何ですその恰好は?」
部下ちゃん「陰陽師 安倍可和持(あべのかわもち) そう呼んでください」
上司さん「今度は何に影響されたんです?」
部下ちゃん「えーと イケメン探偵と・・・」
上司さん「ああ、もういいですよ (どうせラノベかなんかでしょ)」
部下ちゃん「ひどーい 1,376ページも読んだのに(泣)」
ご令嬢「当家の門前にて 萬歳する貴方がたは 何者です?」
上司さん「失礼いたしました 満津戸リサーチセンターから 派遣された者です」
部下ちゃん「陰陽師 安倍可和持(あべのかわもち こと部下ちゃんでーす」
ご令嬢「改めまして 兜小路(かぶとこうじ)家へ ようこそ」
ご令嬢「二十七代当主 兜小路さつきです」
部下ちゃん「分かった 最期はボロボロになって グレートに代わるんでしょ?」
補足:部下ちゃんは
アニメ版マジンガーZの話を
しています
上司さん「私でもうろ覚えな ネタはよしなさい」
ご令嬢「何だかめちゃくちゃですが 立ち話もなんですので ひとまず屋敷の中へどうぞ」
〇英国風の部屋
上司さん「ご依頼は 「屋敷の呪いを解いてほしい」 ということですが」
ご令嬢「その通りです もう少し詳しく説明しますので お茶などどうぞ」
兜小路さつきは
語り出しました
兜小路家の明治維新からの歴史
両親との折り合いが悪く
京都の実家を離れたこと
祖父母の住んでいたこの屋敷が
気に入っていること
愛する祖父母の死と悲しみ
その後、両親も早逝するが
京都には戻らず
この屋敷で家督を継いだこと
そして怪現象のこと
・・・までたどり着くのに
日が暮れてしまいました
〇英国風の部屋
さすがに上司さんが
口を挟もうとしたとき
上司さん「これは?」
部下ちゃん「地震?」
ご令嬢「ポルターガイスト現象 当家では日常茶飯事ですの」
ポルターガイストとは、特定の場所において、人為的要因なしに、物体の移動、音の発生、発光、発火などが発生する現象を指す
部下ちゃん「窓に! 窓に!」
上司さん「人の話を遮らない! え?」
窓から見えたものは
〇睡蓮の花園
庭の池に燃える鬼火・・・
〇英国風の部屋
上司さん「・・・(これはもしかすると)」
上司さん「少々、屋敷内を 調べさせてください」
ご令嬢「お願いいたします」
上司さん「部下ちゃん 行きますよ」
部下ちゃん「了解!」
〇洋館の廊下
上司さん「屋敷の内外に 地下室のようなものがあれば かなり怪しいですね」
上司さん「古い配管 大きな空洞 それらがポイントでしょう」
上司さん「意外と簡単に 片が付くかもしれませんね」
「気づき」を得た上司さん
しかし・・・
部下ちゃんが
迷子になったことには
気付かなかったようです
〇怪しい実験室
屋敷内の地下室にて
上司さんが手にした
ガス探知機は
強く反応しています
上司さん「やはり・・・ 使用しなくなった古い配管と そこに溜まったメタンガスが原因ですね」
上司さん「配管の隙間から漏れでる メタンが振動を起こし 発火して鬼火となる」
上司さん「原因は突き止めましたね」
〇牢屋の扉(鍵無し)
そのころ
別の地下室では
部下ちゃん「何だろう此処」
部下ちゃん「トントン 失礼しまーす」
〇地下室
部下ちゃん「なーんだ 何にもないアルよ」
部下ちゃんの後ろで
鍵が閉まってしまいました
〇黒
部下ちゃん「しまったー! 閉じ込められちゃった」
部下ちゃん「超まっくらで 何も見えないぞ!」
部下ちゃん「こっちは・・・ 何もない」
部下ちゃん「えーと 元の場所は?」
部下ちゃん「あたた ぶつかった!」
部下ちゃん「うきー! ムカつく! 部下ちゃん大暴れ」
室内にもうもうと
ほこりが舞い上がります
部下ちゃん「開けろー!」
実は
ドアノブは部下ちゃんの
すぐわきにあります
部下ちゃんの髪の毛と
陰陽師のコスが激しくこすれて
静電気が・・・
舞い上がる粉塵+静電気の火花
=?
みなさま毎度おなじみの
粉塵爆発だー!
〇怪しい実験室
上司さん「な、なんですか!」
「うわー!」
〇立派な洋館
ご令嬢「二人ともどこへ いったのかしら?」
〇立派な洋館
〇立派な洋館
〇立派な洋館
〇立派な洋館
〇街外れの荒地
ご令嬢「ああ、何故こんなことに?」
ご令嬢「教えてください! 陰陽師 安倍可和持(あべのかわもち)さん」
部下ちゃん「・・・(ヤバい! 逃げそこなった)」
事件を解決するどころか
屋敷を壊滅させてしまった部下ちゃん
最大のピンチです
部下ちゃん「・・・(ならば!)」
部下ちゃん「依頼人 兜小路さつきに仇をなすものは すべて祓いました(物理)」
ご令嬢「ええ?」
部下ちゃん「呪いがかかっていたのは 屋敷ではありません」
ご令嬢「どういうことです?」
部下ちゃん「優しく自分を包んでくれる屋敷 それが貴方に取り付いていたのです」
部下ちゃん「むしろ諸々の怪現象は 貴方の自立をうながして いたのですよ!」
部下ちゃん「「愛するさつきよ 大人になってくれ自立してくれ」 これが真相です」
ご令嬢「そんな! それでは 私はいったいどうすれば?」
部下ちゃん「ご自由に もはやあなたを縛るものは 何もありません」
神速で思いついた
超異次元理論で
兜小路さつきを言いくるめると
陰陽師 安倍可和持(あべのかわもち)
こと部下ちゃんは屋敷跡を
去っていきました(逃亡)
〇タワーマンション
そして時は流れ
部下ちゃん「すごいタワマン グレートですよこいつはァ」
ご令嬢「安倍可和持(あべのかわもち)さん お久しぶりです」
部下ちゃん「おお、貴方は(誰ですか?)」
ご令嬢「屋敷の外に出て よくよく考えてみると」
ご令嬢「自分が屋敷に囚われていたことが 良く分かりました」
部下ちゃん「・・・(なんか自分語りが始まった)」
ご令嬢「屋敷の跡地に建てた このマンションは」
ご令嬢「不動産業者に運営させて 私はアメリカへ旅立つことにします」
ご令嬢「あるべき自分を探しに」
兜小路さつきは
自分を見つけるためにアメリカへ
旅立つことにしました
〇洞窟の深部
そのころ地の底では
上司さんは思いました
「定年退職まで後5年
いつになったら私を見つけて
もらえるんですかねえ?」
おしまい
このテイスト、大好きです!
安倍可和持のネーミングやマジンガーZネタ、そしてノリノリの地の文(ナレーション)がたまりません!
そして安定の悲惨な上司さんオチwww