夢見るうさぎと子守唄

ぐらっぱ

ニ曲目 兎達のエチュード(脚本)

夢見るうさぎと子守唄

ぐらっぱ

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〇幻想
  ──ごめんね
(⋯⋯あれ、私 一体何が起きたの?)
  ゆっくり休んで⋯⋯
  代わりに──

〇黒

〇宇宙空間
  〜前回のあらすじ〜
  歌手を夢見るウータミィの元へ
  突然現れた怪しい兎(?)
  彼はどこか急いでいた
  しかしウータミィの愛車は
  寄生型宇宙人の赤子に
  乗っ取られてしまった
  なんとか子守唄で眠らせたものの
  ウータミィは無免許
  歌手を目指す前に教習所へ向かう事にした
  ウータミィ達であったが
  しかし道のりは遠い

〇黒

〇草原の道
紫人参「ニンッ」
紫人参「ニン〜♪」
紫人参「ニーン〜♪」
ウータミィ「うんうん、そうだよね〜♪」
紫人参「ニン!」
シーファ「⋯⋯サッパリ何言ってるか分からんが」
シーファ「なぁ⋯⋯」
ウータミィ「どうしたの?」
シーファ「俺たちは教習所に向かってるんだよな?」
ウータミィ「そうだよー」
紫人参「ニーン」
シーファ「⋯⋯」
シーファ「どんどん街から離れている気がするんだが 本当にこっちなのか?」
「⋯⋯」
シーファ「何故目を逸らす」
ウータミィ「多分、こっちのはず」
シーファ「多分!?」
ウータミィ「大丈夫〜♪ 多分こっちだったような気がする なんとかなるよぉ」
「ね〜♪」
シーファ「マジか⋯⋯」
ウータミィ「あっ⋯⋯ そろそろ車ベイビーちゃん起きちゃうかも ちょっと様子見るね」
シーファ「はぁ⋯⋯」

〇美しい草原
ウータミィ「よっこいしょっと」
ウータミィ「⋯⋯」
車「すぅ⋯⋯すぅ⋯⋯」
ウータミィ「ベイビーちゃん⋯⋯だもんね」
ウータミィ「私が、なんとかしないと」
ウータミィ「この子が赤ちゃんなら きっと、パパとママがいるはず」
ウータミィ「シーファさんは 興味が別に移ればそっちに寄生するって そう言っていたけれど」
ウータミィ「できれば家族の元へ返してあげたい」
ウータミィ「でも⋯⋯」
ウータミィ「まずはオーディションに受かって それからじゃないとね⋯⋯ ごめん、もう少し待ってて」
ウータミィ「その前にまずは免許を取って⋯⋯」
ウータミィ「あ!」
ウータミィ「そもそも、車じゃなくて 宇宙人が寄生されてるって知られたら 非常にまずいかも」
ウータミィ「どうしようかな 何か方法を考えないと⋯⋯」
ウータミィ「あぁ!!」

〇草原の道
シーファ「あいつ、なかなか戻ってこないな 車を見つめて何ぼーっとしてるんだ?」
シーファ「⋯⋯しっかし散々な目にあったな」

〇黒

〇道
「不審者はどこだあぁぁぁあ!!」

〇道
警備兵「探せ探せぇー!! 不審者は塵一つ残さず抹消だ」
虫「コソコソ⋯⋯」
警備兵「不審者はお前かー!! しぶといやつめ」
警備兵「ミッションコンプリート」
警備兵「おーいみんなぁ! もう片付いたから戻るぞぉ 次の任務が待っているのだ」
「⋯⋯」
警備兵「物足りなそうだなぁ? なぁに、また次の任務が待ってるさ」
警備兎「なんか、アヤシイ気配 まだ感じる⋯⋯」
警備兵「おーい? 何してるんだぁ 置いていくぞぉ」

〇学校脇の道
ウータミィ「最近物騒ねぇ」
ウータミィ「あれ? シーファさんどこいったの?」
シーファ「ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯ ちょっとトイレに行っててな」
ウータミィ「え? なんか息切れてるけど大丈夫?」
シーファ「ちょっと場所が遠かったからな⋯⋯」
ウータミィ「そっかー」
シーファ(お前がさっき通報するから 警備兵達が来たんだろーが!!)
シーファ(いや⋯⋯ また子守唄を歌わせたらよかったのか)
ウータミィ「どうしましたー?」
シーファ「なぁ、もう一回 あの子守唄を歌ってくれないか?」
ウータミィ「喜んで〜♪」
ウータミィ「すぅー」
ウータミィ「ボエェ〜♪」
シーファ「おいぃ!! また音外れてるじゃねーか!」
ウータミィ「あれぇ? おっかしーなぁ さっきは上手く歌えたのに」
シーファ「はぁ、まぁいいか それより教習所はもっと近い所ないのか? さすがに徒歩で3日は⋯⋯」
ウータミィ「一番近いとこが徒歩3日なの すぐだよすぐ!」
シーファ「そ、そう⋯⋯」
シーファ(なんか面倒になってきたなぁ いっそコイツは諦めて なんとか卵を取り出す方がいいか)
シーファ(いや、寄生宇宙人の方が厄介だな まだ日にちはあるし それまでになんとかしたらよいか)
紫人参「⋯⋯」
ウータミィ「車⋯⋯赤ちゃんだから ベイビーちゃんって呼ぶね 寝てるうちに起こさないようにしなきゃ」
シーファ「そ、そうだね⋯⋯」
ウータミィ「さぁ、教習所へレッツゴー♪」
紫人参「ニン♪」
シーファ「はぁ⋯⋯ なんだか先行きが不安だぜ」
紫人参「⋯⋯」

〇黒

〇草原の道
シーファ「あれから警備兵達は見かけないが 見つかると非常に不味いな」
紫人参「何かやましい事でもしているのかァ?」
シーファ「い、いや! 別に何もしてないぞ! ただ、卵を⋯⋯」
シーファ「⋯⋯」
シーファ「喋ったぁ!?」
紫人参「ワレが喋る事は何かご不満かァ?」
シーファ「え? いや、お前らニンニンしか 言わなかったじゃないか!!」
紫人参「はァ? ワレは普通に喋れますけどォ?」
シーファ(なんかムカつくな⋯⋯)
紫人参「ワレが流暢に喋る事知られると 営業やらされそうだから黙ってるんじゃァ 意思疎通はできるしィ」
シーファ「へぇ⋯⋯」
紫人参「で、お前はあの卵を盗んできたのかァ? このエセ兎めェ」
シーファ「ぬ、盗んでねーし! エセじゃなくて兎だぁ、俺は!」
紫人参「ほーん⋯⋯ そう言う事にしてやるがァ」
紫人参「ワレらの姫さん泣かす事あったら タダで済まさんぞォ!」
シーファ「顔こっわ」
紫人参「まぁワレは常に⋯⋯」
紫人参「お前さんを見張ってるからのォ!」
シーファ「おいおい 喋るって事バラされたくないのに よく俺に打ち明けたな?」
紫人参「お前がチクったら 怪しい卵を持ってる兎モドキがいる、と 通報するからのォ」
シーファ「兎モドキじゃねぇー!! 俺はロップイヤーだって言ってるだろ! この猫かぶり人参め」
パープルヘイズ「猫かぶりはお前じゃァ!! ワレにはパープルヘイズという 立派な名前があるんじゃァ」
シーファ「似合わない名前だな 今からでも遅くないぜ 猫かぶり糞人参に改名するのは」
パープルヘイズ「お前こそ改名したらいい どうせ本名じゃないんだろォ? 猫かぶり糞兎モドキがァ」
シーファ「ほぉ⋯⋯」
パープルヘイズ「へェ⋯⋯」
「この猫かぶり野郎!!」
  10分ほど低レベルな罵り合いが
  続きますがあまりに見苦しいので
  カットしてお送りします
「カットするんかい!!」
シーファ(いや、落ち着け俺 ここで騒ぎを起こす訳にはいかない 冷静にならなければ)
パープルヘイズ(姫さんの為じゃァ 胡散臭い奴だが夢を叶える為に 手伝ってもらわんとなァ)
シーファ「ま、まぁ 仲良くやろうぜ、な!」
パープルヘイズ「そうだなァ 仲良くしようではないかァ」
シーファ「ははは⋯⋯」
パープルヘイズ「ふはは⋯⋯」
「アーハッハッハァ!!」
ウータミィ「ど、どうしよ」
シーファ「うぉ!? いつの間に」
ウータミィ「ど、ど、どうしよう 人参ちゃん達が」
シーファ「何があったんだ? 深呼吸してから落ち着いて話して」
パープルヘイズ「ニーン」
ウータミィ「すぅー⋯⋯ はぁー⋯⋯」
ウータミィ「あのね 車が、ベイビーちゃんの中が えっと、えっとぉ」
シーファ「チッ、見に行くのが早いな おい、様子を見に行くぞ 糞人参も来い!」
パープルヘイズ「ニーン!!」
ウータミィ「あの二人 いつの間に仲良くなったんだろ?」

〇黒

〇草原の道
  To be continued...

次のエピソード:三曲目 兎と車のディヴェルティメント

コメント

  • 人参と偽兎が触れ合うハートフルなお話……たしかに ”Hurtful” でしたね😂
    今回もまた、喜怒哀楽様々な要素を混ぜて煮詰めた濃縮無還元な内容に、感情が追い付きません🤣

  • あぁー!!✨やはり最高ですね😂✨こちらのぐらっぱ様の作品を読むとなんだろう・・・心に栄養ドリンクを与えたがごとく元気になれます✨☺️

    ベイビーちゃん!!かわいい!!けど車!!めっちゃ笑っちゃうのに加え、紫人参がしゃべったー!!というのと、顔こわっ!!っていうのに笑いましたね✨🤣

    また続きを楽しみにしてます!!✨

  • な〜んか序盤から紫のヤツが存在を主張してるな〜?と思ったら…😂主人公不在の間にシーファとパープルヘイズの関係性が構築されてるのに笑いました。名前やたらカッコいいですねこの2人🤣🤣🤣

    そして次回ついに現れそうな🦍の気配に胸の高鳴りを禁じえません。なるほどEP題は音楽関係の用語と絡めてるんですね、オシャレ!じゃ次回は…ゴリラの…ドラミング🤔!?(違)

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