涙のシングルマッチ②(脚本)
〇格闘技リング
赤コーナー、
172センチ〜、68キロ〜、
夏川マサ〜コ〜
わー!
レディマサコ(この試合に勝ったら! 国民的アイドルになるって代表が言ってたわ! 絶対に負けられないの!)
レディマサコ「御子神カレン! きょうは、アナタに勝ちに行く! 見てらっしゃい!」
わーわー
〇格闘技リング
青コーナー、
154センチ〜35キロ〜
御子神〜カレ〜ン〜!
カレン「っシャアああぁぁ!」
カレン「よし!いける!」
わー
〇格闘技リング
わーわー
南アナウンサー「さぁ!やってまいりました! 夏川マサコ選手vs御子神カレン選手のカード!」
南アナウンサー「いかがですか? 解説の吉永(よしなが)さん!」
吉永レスラー「いや〜 楽しみとしか言いようがありません!」
吉永レスラー「レディーボンバーの異名をとる夏川選手と 超軽量の御子神選手!」
吉永レスラー「御子神選手は、初戦でも あの身のこなしで 大技を軽々と繰り出していましたからね〜」
南アナウンサー「どういった戦いになるのか 楽しみですね!」
南アナウンサー「いや〜御子神カレン選手! 初のシングルマッチ戦! 楽しみですね〜」
〇球場の観客席
ケイ「お姉ちゃん!がんばれー!」
メイ「おねーちゃーん! がんばれー!」
「がんばれー!」
カレンの母「フフフ」
〇格闘技リング
カーン!
さぁ!始まりました!
どちらが先に仕掛けるのか!
鍛え上げられた肉体の
ぶつかり合い!
ヘビーボンバーの異名をとる夏川選手!御子神選手はどう受けるのか!
レディマサコ「くらえ!」
先にしかけたのは夏川選手!
鋭いスピアー!
タックルの様に低い姿勢で
相手にぶつかっていく体当たり技!
さすがヘビーボンバー!
身体を生かした攻撃を仕掛けてきました!
カレン「うぅ」
御子神カレン選手!
早々に床に倒されてしまいました!
流石に分が悪いか!
カレン「すっく!」
御子神選手!立ち上がった!
軽い身のこなしは健在!
カレン「よっ!」
自らをロープの反動で飛ばし
ドロップキック!
レディマサコ「ぐぅ!」
レディマサコ選手にヒット!
よろめいた!
レディマサコ「フフ、これくらいじゃ! 蚊に刺されたくらいのものよ!」
がっ!
御子神選手を掴んで!
バックドロップ!
カレン「なんの!」
おーと!
持ち上げられた瞬間
身体を捻って
反対にボディスラム!
ズズーーーンン
レディマサコ「あたたた」
重量をそのまま受け流した!
カレン選手!
カレン「よっと!」
そのままトップロープに登った!
ムーンサルトプレス!
レディマサコ「キャッ」
さすがレディ!
思わず避けた!
カレン「うーん」
レディマサコ「行くわよ!」
おおーっと!
御子神選手をロープで跳ね返し
マサコボンバー炸裂!
これは痛い!
そこですかさず
マサコ選手!
キャメルクラッチ!
固め技を決める!
カレン「くくぅ」
レディマサコ「フフフ!」
抜けない!
御子神選手!ピンチ!
〇格闘技リング
南アナウンサー「大変なことになりました! 御子神カレン選手ピンチ!」
吉永レスラー「いや〜 迂闊でしたね〜 ヘビーの夏川選手のボンバーを 正面から食らってしまいましたからね!」
吉永レスラー「さすがレディーボンバー! といったところでしょうか!」
南アナウンサー「御子神選手、 ここからどうやって切り返していくのか!」
吉永レスラー「ガッチリ決まってますからね、 ここから抜けるのは 難しいんじゃないでしょうかね!」
〇球場の観客席
ケイ「あっ!お姉ちゃん危ない!」
メイ「がんばれーお姉ちゃん!」
「がんばれがんばれお姉ちゃん! がんばれがんばれお姉ちゃん!」
カレンの母「花恋!がんばって!」
〇格闘技リング
カレン「くぅ・・・」
がんばれーお姉ちゃん!
カレン!がんばれー
カレン「あっ!ママ・・・ママが見てる!」
カレン「ママ・・・ 妹達も私を見てる・・・」
カレン「このまま終わる訳にはいかない!」
〇土手
子どもの時・・・
子ども花恋「キャハハ!」
篤斗「高いタカーイ!」
カレンの母「ウフフフ」
子ども花恋「パパすごーい! 力持ちー!」
子ども花恋「どうしたら パパみたいに強くなれるの?」
篤斗「そうだな、 カレン、些細なことでも諦めず、 常に感謝の気持ちを持つことだ!」
篤斗「相手を敬い、ときには赦し、受け入れ そして精一杯の力で、相手に返すんだ! 誇りは心の中で磨くんだ!」
篤斗「どんなことも諦めるな! 失敗を恐れずに挑戦をしろ!カレン! お前ならできる!」
子ども花恋「うん!パパ!ワタシは諦めない!」
〇格闘技リング
カレン「ワタシは諦めない!」
カレン「失敗を恐れずに挑戦・・・ それがパパのプロレス!」
カレン「観客を!楽しませる! ワタシは!プロレスラー!」
カレン「恐れはしないわ!だって ワタシはパパの娘だもん!」
カレン「えいっ!」
レディマサコ「あっ!」
すごい力だ!
スルリと抜けると、
ヘビーの夏川選手をバーベルのように
両腕で持ちあげた!
レディマサコ「きゃー!何よこのコ〜!」
カレン「ふぉう!」
御子神選手!夏川選手を担ぎながら!
トップロープに登った!
レディマサコ「ぐ、くぐぅ」
持ち上げた姿に!
ライトの後光が差す!
なんということでしょう!
イカヅチの神が降りたよう!
カレン「とりゃあ!」
ひゅおおおおー!
両者共、回転しながら床にめがけて
落下するー!!!
ズズーーーンン!
カレン「ホールド!」
1!2!3!カンカンカン!
おおっときまったー!
カンカンカンカンカン!
わーわーわー
南アナウンサー「い、今の技は!?」
吉永レスラー「えー、御子神篤斗選手も愛用していた ライトニングスパイラルの変形?」
吉永レスラー「「御子神ライトニングスマッシュ」とでも名付けましょうか」
南アナウンサー「新たな必殺技! 御子神ライトニングスマッシュ! 決まったーー!」
〇格闘技リング
レディマサコ「負けた・・・ワタシが負けた!」
レディマサコ「いやよ! 悪役なんてワタシは嫌!」
レディマサコ「ワタシは負けるわけには いかないのよ!」
「いやーーーー!」
バタバタバタバタバタ
〇更衣室
レディマサコ「うううぅ ヒックヒック」
レディマサコ「悪役なんて いやぁ・・・」
立花クララ「なによ、元はといえば アナタが言い出したことじゃない!」
レディマサコ「だってぇ〜」
立花クララ「私達先輩の強さを見せてあげなきゃ。アナタの敵はワタシが取るから」
レディマサコ「だってぇ〜」
ヨーコさん「マサコさん、代表がお呼びよ。 大事な話があるって」
レディマサコ「ヨーコさん、ヨーコさんもワタシが悪役なんて、ダメって思うわよね!?」
ヨーコさん「ワタシは、プロレス自体は盛り上がるし、ファイトマネーも上げてくれるっていうから悪くないと思うよ?」
ヨーコさん「アナタも有名スターになれるのよ!?」
レディマサコ「スター?」
ヨーコさん「CMに雑誌に沢山、注目されるわ。 唯一無二の悪女なんて他にいないもの。 ほら、セクシーな悪女って、魅力的だと思わない?」
レディマサコ「セクシーな悪女・・・ そういえば・・・ そういう人気の女優さんやキャラもいたっけ」
ヨーコさん「悪女も悪くないかもよ? あなた次第だけどね」
立花クララ「ほら〜頑張ってよ!」
レディマサコ「う〜ん、考えてみるわ・・・」
〇黒背景
つづく
パパだ~!!
一話目にも出たかもですけど、マッチョパパの出番待ってました!ようやく見れました🤣