恋の真空ドロップキック

ぽむ

華やかなバトルロイヤル①(脚本)

恋の真空ドロップキック

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〇トレーニングルーム
ジャガードマスク「ふんっ!ふんっ!」
カレン「あっ!ジャガードマスクさん! こんにちは!」
ジャガードマスク「こんにちは、御子神カレンちゃん、 だったね」
ジャガードマスク「この間の試合見たよ。 とても良かった、頑張ったな!」
カレン「あ、ありがとうございます!」
カレン「・・・」
カレン「憧れのジャガードマスクさんに 名前覚えられてて、 褒められた・・・嬉しい!」
ジャガードマスク「これからも、ガンバレよ。 なっ」
  カレンの頭を撫でた。
カレン「へ、へへ・・・」
カレン「夢じゃないよね?」
ジムのお姉さん「お取り込み中のところ、 すみません、カレンさん」
カレン「はい!なんでしょう?」
ジムのお姉さん「団体からの要望なんですが、 ファン向けに、サイン入写真やグッズを販売したいと思いまして、 ご協力をお願いしたいのです」
カレン「と、言いますと?」
ジムのお姉さん「最近、テレビ放映や地方興行など 大きな宣伝活動をしているのですが」
ジムのお姉さん「会社の運営資金を増やすためにも お願いできればと思いまして」
ジムのお姉さん「ファンの皆さんへのサービスとしても チャリティ形式での販売をしたいと 思っているのです」
カレン(パパが言ってた 「もらった恩は、相手に恩返しをする」って、ことよね!)
カレン「ワタシは、 もともと、家族との生活するために 働きたいと思ったので」
カレン「家族と生活するだけの充分なお金と プロレスラーとして生かしてくださる 機会があるのなら、他は惜しみません!」
カレン「喜んで!協力します!」
ジムのお姉さん「ありがとうございます!」
ジャガードマスク「・・・」

〇格闘技リング
  わーわーわー
  ビシッ!
レディマサコ「オラオラオラー!」
  ビシィッ
  床を叩く竹刀の音が鳴り響く!
レディマサコ「髪も紫に染めたし、 だいぶヒールっぽく なったかしら?」
  ひっこめー!
  やられろー!
  罵倒と怒号がうずめく場内。
  負けるなクララー!
  がんばれー
  アイツを倒せー!
立花クララ「ウフフフ! マサコ案外、似合うじゃない! しかもめっちゃ盛り上がってるし!」
レディマサコ「そう!私のおかげよね! 唯一無二! 悪の女王!マサコ誕生よ!」
レディマサコ「とりゃああー」
  おおっと!決まった!
  ボディボンバーマサコスペシャル!!
  わーわーわー
レディマサコ「ウフフフ また勝っちゃった!♡」

〇球場の観客席
  選手退場です!
  道を開けてください!
  物を投げないでください!
  凄い怒号です!ヒールマサコ!
  連日連勝ですが、
  反則ギリギリの勝利に
  ファンの怒りが増しています!
  お前なんか、ひっこめー!
  帰ってくるなー!
  ヒュッ
  マサコめがけて
  空き缶が飛んできた!
レディマサコ「キャッ」
龍牙「サッ」
  カランカランカラン〜
レディマサコ「あ、ありがとう」
龍牙「顔に傷がついたら 大変ですからね」
レディマサコ「龍我さん・・・ 私のことをかばってくれるなんて」
レディマサコ(かっこいいじゃん! 良い筋肉だし! ヤバい惚れたかも)
  ひっこめー
  
  わーわー
龍牙「さ、早く行きましょう」
レディマサコ「はい!」

〇コンサートの控室
龍牙「ファンが凄い剣幕でしたね。 大丈夫でしたか?」
レディマサコ「ええ、大丈夫よ。 それだけ注目されてるって ことだもの。ありがとう」
龍牙「アナタは強いですね」
レディマサコ「そんなことないのよ。 誰かに守ってもらわないと イケないんだから!」
レディマサコ「ワタシもこうみえても 乙女だもん!」
レディマサコ「龍我さん! 私のことを守ってください!」
レディマサコ「ワタシ! アナタが好きになっちゃったかも・・・」
  ・・・
  しばしの沈黙のあと
  龍我は意を決し、言葉を出した。
龍牙「スミマセン。 その気持ちには、俺は答えられない。」
レディマサコ「どうして!龍我さん! ワタシが、ヒールだから?」
龍牙「いや、違う。 それなら、俺の方が悪人だ。 そうじゃないが・・・」
レディマサコ「じゃあ、どうして!?」
龍牙「僕には、全身全霊で 守らないとイケない人がいるのです。」
レディマサコ「えぇ!誰なの!」
龍牙「それは言えません。 スミマセン」
龍牙「それでは」
レディマサコ「あっ待って!」
  バタン、
  カッカッカッカッカッ
レディマサコ「ワタシ!あきらめないから!」

〇車内
  ブロロロロー
ヨーコさん「ねぇ、ちょっと聞いてるの!? 龍我!」
龍牙「あぁ、ちょっと考えごとしてた。すまん」
ヨーコさん「・・・というわけなの。 カレンのお母様の件だけど」
龍牙「そうか、承知した」
  窓の外にカレンの姿を見つける。
龍牙「あれは・・・!?カレン! ここでおろしてくれないか」
ヨーコさん「しょうがないわね」
ヨーコさん「例の話よろしくね。 ワタシも忙しいのよ、龍我」
龍牙「あぁ。ありがとう感謝する」
  バタン、プロロロロー
ヨーコさん「まったく世話が焼けるんだから」

〇銀閣寺
  はーい、こっち向いて!
  いいねー!
  こっちも向いて!
ジャーナリスト「はい!今日の撮影は、これで終了です〜! ありがとうございました〜!」
カレン「は〜い!ありがとうございました〜」
高柳ハヤテ「遠征の度に撮影するのは 考えたな〜」
カレン「高柳さん! 撮影付き合ってくれて ありがとうございます!」
高柳ハヤテ「こっちこそ!俺でいいの?」
カレン「そんな! いつも妹たちと 遊んでくれてありがとうね!」
高柳ハヤテ「いやいや、オレがチビっ子と 遊びたいだけだから」
高柳ハヤテ「さ〜て 俺、ちょっとジュース買ってくるわ」
カレン「・・・」
  あの〜御子神カレンさんですよね?
カレン「はい?そうですが・・・どなた?」
  試合見ました〜
  握手してくださ〜い
カレン「あ、はいありがとう!」
  サインくださ〜い
  ワタシも!ワタシも!
カレン「たくさん来ちゃった・・・ いつの間にか、囲まれてる? どうしよう〜」
  サッ
  誰かに手を引かれて
  その場から逃げ出した!
高柳ハヤテ「戻ってきたよ! あれ!?いない!?」
  ハヤテさんだ!
  わー
高柳ハヤテ「わー!」

〇土手
カレン「えっ」
カレン「りゅ、龍我さん!?」
龍牙「ココまでくれば 大丈夫でしょうか」
龍牙「俺も撮影されてましてね・・・」
カレン「あぁ、だからその衣装・・・」
龍牙「お怪我はないですか?」
カレン「怪我はないわ。 アナタの手が、ワタシの手を掴んでる・・・ケド」
カレン(あの時、 手を引いて助けてくれたのは 龍我さんだったんだ)
カレン(でも、この人はワタシの敵! 大好きなパパを失うキッカケになった人・・・)
カレン「は、放して! ワタシはアナタに助けてくれなんて、 言ってないわ!」
龍牙「そうか、困っているように見えたんだがな」
龍牙「ついでに、 オレと一緒に来てもらおうか。 YESというまで離さないぞ」
カレン「えっ」
  ふたりは手を繋いだまま歩いている

〇屋敷の門
カレン「ここ・・・? 大きなお屋敷みたいだけど・・・」
龍牙「あぁ。中に入ろう」

〇屋敷の一室
カレンの母「おかえりなさい」
ケイ「おねーちゃーん!おかえり!」
カレン「ママ!メイ!ケイ! どうしてココに!?」
カレンの母「こちらは龍我さんのお家なの。 私達はこちらに引っ越してきたのよ」
カレン「なんですって!?」
龍牙「これは俺の実家だ」
カレンの母「ワタシはね、病気をキッカケにもう無理はできないと思って、 看護士の仕事を辞めることにしたの」
カレンの母「そうしたら、住み込みで コチラのお手伝いさんの仕事があるって 紹介してもらって」
カレンの母「アナタも寮に入るのでしょう? 前のお家は貸家だったから 思いきって引っ越しすることにしたのよ」
カレンの母「そうしたら、 アナタもワタシ達に気兼ねせず、プロレスに専念できるでしょ?」
ケイ「学校もね、みんなで行って もう手続きしてきたの」
メイ「楽しそうだったよ!」
カレン「そう・・・でもお金とか・・・」
龍牙「金の心配はするな。代表から 君のファイトマネーを預かっている」
カレン「うーん」
龍牙「納得いかないようだな」
カレン「だって・・・ ママはそれでいいの!?」
カレンの母「いいのよ。生活の心配せず みんなと一緒にいられるんだもの」
カレンの母「アナタもあなたのしたいことに 専念しなさいね」
カレンの母「アナタとはなかなか 会えなくなって しまうかもしれないけど」
ケイ「おねぇちゃん・・・」
カレン「・・・」
カレン「龍我さん」
龍牙「はい」
カレン「ママに酷いことしたら ワタシが黙っていないからね」
龍牙「了解した」
カレンの母「あなたの試合を テレビで見るのを楽しみにしているわ」
カレンの母「じゃあねカレン カラダに気をつけて頑張るのよ」

〇土手
龍牙「夜も遅いし、家に泊まればいい。 代表には俺からも言うから 心配しなくて良いぞ」
カレン「ひっく」
龍牙「泣いてるのか?」
カレン「ひっく。 アナタはそうやって 私から奪っていくのね・・・」
龍牙「カレン・・・ そんなつもりじゃ・・・」
カレン「ワタシの大事な家族を なぜアナタが奪っていくの・・・」
カレン「ワタシはね・・・ みんなのためにと思っ・・・」
カレン「シクシク」
龍牙「・・・」

〇組織の宿舎
カレン「もうここでいいわ。 ありがとう」
龍牙「カレン、俺は・・・」
カレン「何も言わなくていい。 聞きたくない。 ワタシはアナタの敵だもの!」
カレン「パパが納得するような 立派なプロレスラーになって、、」
カレン「アナタを見返してやるわ! あなたを倒すために!」
龍牙「・・・」
  バッ
  
  衣装を脱ぎ捨てた!
龍牙「こい!カレン! 俺を倒したいんだろ!」
カレン「うっ」
  バッ
カレン「うりゃあー!」
  ガッ!
龍牙「どうした!そんなもんか!」
  カレンと龍我は
  両の手で組み合った!
カレン「ぐ、くぅー」
龍牙「なんだ!こんなもんか! それでは俺を倒せないぞ!」
カレン「くぅ・・・ぅぅ・・・」
カレン「ワタシは・・・なんて非力なの・・・」
カレン「うぇえええん パパー・・・ママー・・・」
カレン「ワタシは・・・強くなりたいの!」
龍牙「カレン・・・」
  ママ「あの娘はまだ、子どもなんです。」
  ガシッ
  龍我はカレンを強く抱きしめた。
カレン「ふぇえええん」
龍牙「カレン・・・」
  ぎゅっと抱きしめた龍我。
  カレンの頭を優しく撫でていた。
カレン(なんで・・・ワタシ この人の胸で泣いてるんだろう・・・)
カレン(そして、この感触、何処かで・・・)
カレン(ドコでだったかな・・・  パパ・・・)
レディマサコ「はっ!あれは!」
レディマサコ「なぜ・・・御子神カレンと龍我さんが・・・」
レディマサコ「龍我さん! 守らなきゃいけない相手って やっぱりあの子なのね・・・」
レディマサコ「わかったわ!」
レディマサコ「ワタシはあの娘に勝たない限り! 龍我さんを手に入れられない!」
レディマサコ「絶対に負けないわ!」

〇炎
  ゴオオオオ
  
  彼女の闘志を燃やすには
  この出来事は充分だった!

〇格闘技リング
  本日の〜
  メインイベント〜!
  おおーっと!ここで
  
  井上代表がマイクを握ります!
カレン「えっ!?代表!?」
  これは、
  これからのユニットを組ませる
  メンバーを決めるための試合である!
カレン「えー!ユニット!?」
  バトルロイヤル形式で!
  勝ったものから
  ジブンのユニットを
  構成する仲間を選ぶ権利をやろう!
  善と悪、アイドルとヒールの戦い。
  チーム戦への始まりだ!
カレン「チーム戦・・・」

〇格闘技リング
レディマサコ「はぁーい♡ みんなおまたせー!」
  わーひっこめー!
  わーわー
レディマサコ「うるさいわね!」
  バシーン!
立花クララ「今日もノリノリじゃん! マサコ!最高!」
レディマサコ「あの子になんか 絶っっ対に負けないんだから!」

〇黒背景
  つづく

次のエピソード:華やかなバトルロイヤル②

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